とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

ようやく気管カニューレを抜去できるかと思ったのに

 「介護保険の申請を行う」から続く

  • 7月7日に記す

 前病院の耳鼻咽喉科が週1日しか開いていないため、光ファイバーによる喉頭の状況確認検査にほぼ1週間待たされた。その間にも、妻の声は次第に大きくなり、普通に話すことができるようになってきた。ただし注意障害は深刻。一度など、「駐車場に停めたクルマの中で話したい」と言い張り、それはできないと逃げ帰るようにして帰ってきたら、夜になって「怒ってゴメン」と電話があった。正気に戻る時もあるようだ。でも翌日には「携帯電話の調子がおかしい。そちらから電話をしてほしい」と言って、何度も電話をかけさせられた。そうかと思えば、昨日は「もう時間だから帰るね」と言うと、「わかりました」とやけに聞き分けがいい。1日に15分だけの面会では、調子のいい時に当たるばかりではない。

 そしてようやく前の病院へ行く日が来た。朝8時半にリハビリ病院へ行くと、妻が食堂で首を落として居眠りをしている。看護師さんに促され、歯磨きをして、トイレに寄って、ようやく出発の準備が完了。居眠りをしながらの作業なので、いつまでも捗らない。寝違いをしたらしく、「首が痛い」と言い、湿布を貼ってもらっていた。

 先週の電話では、リハビリ病院から先は家族だけで対応してもらうかもしれないという話だったが、病院の耳鼻咽喉科までは看護師が一人付き添ってくれることになった。途中で1回、痰の吸引を行う。事前の打合せでは、耳鼻咽喉科で受け渡した後は、前病院側で痰の吸引等の措置を行ってくれるはずだったが、外来の看護師には伝わっておらず、結局、リハビリ病院の看護師がそのまま付き添ってくれることになった。よかった。

 検査の結果は、「咽頭はもうきれいになっているが、カニューレのチューブが気管に当たって、そこに痰が絡んでいる」とのこと。「すぐにカニューレを抜くことも可能だと思うが、心配ならまずはチューブのないカニューレを装着し、しばらく様子を見た後で抜去したらどうか」という見立て。たぶんその旨、意見書を書いてくれたと思う。看護師の話によれば、今日は痰を取るためにカニューレにチューブを装着したが、普段は装着していないと言う。「チューブの形状が妻の気管に合っていない」と指摘されたが、気管切開手術をした以降、なかなか痰が切れず、装着したまま転院をした。その時からチューブの形状が合っておらず、そのため今に至るまで抜去できずにいたのではないか。そんな疑義も感じないではない。私が会計をしている間に、再び痰の吸引をして、それからリハビリ病院へ帰った。この間、妻はほとんど居眠りをしていた。

 夕方、改めて病院へ面会に行った。聞けば、あの後、すぐに寝てしまい、遅い昼食の後、入浴はせず、リハビリもやらなかったとのこと。その後、リハビリ病院の主治医が来てくれて、今後の予定などについて聞く。昨夜は「明日、病院へ行く」ということで興奮したのか、夜はほとんど眠れなかった。その後もぐったりとしているので、体力のない状態でカニューレを抜くと、自力で痰を出すことができず、窒息する恐れがある。それで、「できれば今日にでもカニューレを抜きたいと思っていたが、明日の午後に様子を見てカニューレを抜くことにしたい。しかしそのことを本人に言うと、また興奮して、夜が眠れず、明日も調子が悪いということになりかねないので、本人には伝えず、様子を見たい」とのことだった。「場合によってはもう少し先に延ばすかもしれない」。もしくは「抜去後、不測の事態に陥って、救急車を呼ぶことになる可能性もあるので、何かあったらすぐに駆け付けることができるようにしておいてほしい」とも言われた。「よろしくお願いします」としか言えなかった。

 帰る時にもまだぐったりとしており、「今日はこれで帰るね。明日も来るから元気になってよ」と言うと、小さく頷く。大丈夫かな。首の後ろが痛いと言っていた。くも膜下出血で救急車を呼んだ時も後頭部の痛みを訴えていた。再発していなければいいが。今日の検査でカニューレを抜いて、一歩前進と思っていたのに、まだしばらく心配な状況が続きそうだ。

  「また最初の病院に逆戻りしてしまった。」に続く。