とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

J1リーグ第11節 川崎フロンターレvs.セレッソ大阪

 明日、いよいよ首位フロンターレと戦うグランパス。前節、フロンターレは2位セレッソとの首位決戦を5-2で撃破し、連勝を10に伸ばし、2位との勝ち点差は10に開いた。ここまでの得点数は34。1試合平均3点以上を取っている。この強いフロンターレに対してグランパスはどう戦えばいいのか。そんな視点も持ちつつ、このゲームを観戦した。

 フロンターレの布陣は4-3-3。小林悠をワントップに、右WG家長、左WGに旗手。中盤は田中碧をアンカーに置いて、右IH脇坂、左IH大島が先発した。DF陣はこのところほぼ不動。右SB山根、左SB登里、CBにジェジエウと谷口。GKにはチョンソンリョンが入る。対するセレッソは前節からゲームに復帰した高木をさっそく先発で起用。ブルーノ・メンデスと2トップを組む。そしてこれまでFWを務めてきた奥埜が下がり、藤田とのダブルボランチ。SHは右に坂元、左に清武は変わらない。右SB松田、左SB丸橋もいつもと同じ。CBはヨニッチと瀬古で組む。GKはキムジンヒョン。最強の攻撃陣に対して、セレッソの失点はここまでわずか6失点。リーグ最強の守りを誇る。

 序盤こそセレッソが攻めていったが、すぐにフロンターレがゲームを支配する。だが先制点はセレッソ。7分、GKキムジンヒョンのフィードに左SB丸橋が持ち上がり、長いスルーパスに抜け出したのはFWブルーノ・メンデス。落ち着いてシュートを決めた。しかし先制されてもフロンターレは落ち着いている。8分、左IH大島のパスからCF小林が縦に入れると、右IH脇坂が走り込んでシュート。ゲームを支配し、パスを回して攻めていく。しかしセレッソの守りも堅い。しっかり中を固め、隙を見ては逆襲。12分、右SB松田の縦パスから左SH清武がミドルシュート。13分には左SB丸橋のクロスに右SH坂元がシュートを放つ。

 そのまま膠着した状態でゲームは進んだが、21分、右SB松田の肩先でのトラップがハンドの判定。PA左角付近でフロンターレにFKを与える。するとこれを蹴ったのは右IH脇坂。二人並んだ壁の上を越えて、ゴールニアに飛びこんだ。フロンターレが同点に追い付く。その後はセレッソが攻めるが、フロンターレがゆっくりパスを回して、落ち着いた対応。34分、左IH大島、36分には左WG旗手とミドルシュートを放つ。そして42分、左サイドにいたIH脇坂からのサイドチェンジに走り込んだ右SB山根がワンタッチで戻すと、走り込んだ右WG家長の足を左SB丸橋が蹴ってしまう。PK。これを家長が蹴り込んで、フロンターレが逆転した。PKを誘った家長が巧かった。前半はこのまま2-1で折り返す。

 後半もフロンターレが攻めて、セレッソが守る展開。3分、右WG家長のパスから右IH脇坂がシュート。そして8分、左IH大島のアーリークロスをCF小林がヘディングで落とすと、右WG家長がつないで、なぜかそこに左SB登里。DFに間を抜けようとしてこぼれたボールをCF小林悠が押し込んだ。フロンターレが3点目を挙げる。

 セレッソは12分、一挙に3人を選手交代。両FWの高木とブルーノ・メンデスを下げて、18歳の西川潤と鈴木孝司。さらに左SH清武を柿谷と交代する。FW高木はほとんどボールに絡むことができなかった。しかし直後の13分、左SB丸橋のFKがファーに流れたところをCB瀬古が押し込んだ。セレッソが1点を返し、3-2。フロンターレは16分、脇坂を下げて左SHに三苫を投入。旗手を右SHに回し、家長がトップ下に入る4-2-3-1。その後はゲームも膠着状態。19分CH奥埜、28分にはFW鈴木孝司ミドルシュートを放つが、ゴールは奪えない。

 すると29分、左SH三苫の縦パスにCF小林が走り込み。戻しのパスを受けた三苫がCBヨニッチの股下を抜くシュート。フロンターレがダメ押しの追加点を挙げた。さらに31分にはCF小林に代えて、レアンドロ・ダミアン。右SH旗手に代えて守田を投入する。すると32分、左SB登里から左に展開。左SH三苫が仕掛けて、戻しのパスを左SB登里がシュート。GKキムジンヒョンがナイスセーブしたが、はね返りをCFレアンドロ・ダミアンが押し込んだ。フロンターレが5-2と突き放す。

 その後もフロンターレの猛攻が続いたが、何とかセレッソが耐える。35分、右SH坂元に代わって片山が入ると、38分にはCB瀬古のフィードを受けた右SH片山が飛び出したGKチョンソンリョンをかわしてロングシュート。しかしバウンドしたボールはバーに当たって弾かれた。ツキもないセレッソ。45分にはFW西川の落としからFW鈴木孝司ボレーシュートを放つが、GKチョンソンリョンがキャッチ。アディショナルタイムには左SB車屋とFW宮代を入れて、時間も使いつつ、そのまま逃げ切った。5-2。首位決戦はフロンターレの圧勝だった。

 ここまで10試合で6失点のセレッソが1試合で5失点。まざまざとフロンターレの攻撃力、その恐ろしさを見せ付けた。とは言っても、前半の2失点はセレッソにとって不運ではあったし、38分のロングシュートもツキがなかった。それでも途中出場の三苫の技術は高いし、何より小林悠、家長、大島とベテラン勢も揃っている。いつの間にかゴール前にいる変幻自在の登里も怖い存在だ。それでもしっかり守れば、前田やマテウス、相馬らの速い攻撃はフロンターレの守備を突破することは十分可能だ。そして何より阿部の復帰が期待される。明日のゲームは見逃せない。