前節、2位セレッソに勝利してJリーグ記録のシーズン10連勝を飾ったフロンターレ。今節は3位グランパスが迎え撃つ。グランパスも前節は終了間際のゴールで勝利。その勢いでフロンターレの連勝を止めようと意気は高い。ただ、今節での復帰が期待された阿部は依然スタンドでゲームを見守る。代わりにシャビエルがトップ下に入る4-2-3-1。金崎をトップに、右SH前田、左SHマテウス。ボランチはシミッチと稲垣。右SBには出場停止が明けた成瀬が戻り、吉田も左SBに戻った。CBとGKは不動だ。
対するフロンターレは次の水曜日に、ACLの関係でJリーグのゲームが組まれていることもあり、前節から5人を入れ替えてきた。布陣は4-3-3。FWはレアンドロ・ダミアンを中央に、右WGに家長、左WG三苫。中盤は守田をアンカーに、右IH脇坂、左IH下田。DFも左SBに車屋が先発。他は前節と同じ。右SB山根、CBは谷口とジェジエウ。GKはチョンソンリョンが守る。メンバー的には落ちる感じもあるが、ベンチには小林悠も大島も控えている。却ってこの方が怖いかもしれない。
序盤からフロンターレがパスを回して攻めてくる。5分には右IH脇坂から右に展開。右SB山根の縦パスに走り込んだ右WG家長のクロスにCH守田がシュート。だがCB中谷がブロック。こぼれ球を左IH下田が押し込むが、これもCB中谷がライン上でクリアした。危ない場面を何とか守ると、次はグランパスが攻めていく。9分、左SHマテウスのFKはGKチョンソンリョンがキャッチ。17分、フロンターレは右IH脇坂がドリブルで上がり、CB中谷が止めたこぼれ球を右SB山根がシュート。だがこれはGKランゲラックがセーブする。
26分、OHシャビエルがショートCKからクロス。ファーに流れたボールをFW金崎がクロスを入れると、DFのクリアからこぼれ球をOHシャビエルがシュート。CBジェジエウがブロックした。続くCKはマテウスが狙う。前節ベルマーレ戦と同様にニアから直接ゴールを狙うCKだったが、さすがGKチョンソンリョンがファインセーブで弾き出した。32分、左SHマテウスのFKをニアで右SH前田がフリック。これもGKチョンソンリョンがファインセーブで弾き出した。
36分は逆にフロンターレの攻勢。右WG家長から左に展開すると、左WG三苫のクロスに家長がシュート。DFがブロックする。37分には右WG家長の落としから右SB山根の戻しを右IH脇坂がシュート。だがこれは浮いてしまう。このままスコアレスで終わるかと思った前半終了間際の44分。右SH前田からのパスをOHシャビエルが落とすと、CH稲垣がダイレクトで左に展開。左SHマテウスの絶妙なクロスにCF金崎がヘディングシュート。グランパスが先制点を挙げた。前半はこのままグランパス・リードで折り返す。
フロンターレは後半最初に左IH下田に代えて大島。右IH脇坂に代えて右SHに旗手。家長を右IHに入れて、トップ下に家長と大島が並ぶ4-1-4-1の布陣。すると序盤からフロンターレが攻勢をかける。6分、左SH三苫の縦パスから右SH旗手が反転シュート。DFブロックで得たCKを大島が入れると、こぼれ球を右SH旗手がミドルシュート。CB丸山がブロックする。その後もフロンターレの猛攻が続くが、グランパスがぎりぎりのところで耐える。8分にはOHシャビエルに代えて左SH相馬。前田をFWに上げて、前線からの運動量を増やす。右SHはマテウス。
グランパスの集中した守りをなかなか崩せないフロンターレは16分、CFレアンドロ・ダミアンに代えていよいよ小林悠が登場する。CF小林にはCB丸山が付いて、自由にさせない。26分、右IH家長に代えて田中碧を投入。しかし28分、左SH三苫がCH稲垣と交錯し、足を捻ってしまう。三苫は右SH宮代と交代した。旗手が左SHに回る。30分、大島のCKのクリアを左SH旗手がミドルシュート。だがこれもDFがブロック。34分、左SH旗手のパスから右SB山根が右に流し、CF小林がシュート。だがこれは枠を捉えられない。
グランパスは直後の34分、FW前田を下げて、右SBオジェソクを投入。成瀬を右SHに、マテウスをFWに上げる。40分、グランパスはカウンターで左SH相馬が持ち上がる。最後は中へパスをするが、FW金崎のシュートはDFがブロックした。しかしさすがの金崎も疲れている。42分にはFWマテウスに代わって山崎を投入。山崎も前線からよく走って守備に貢献。いやグランパスの選手は全員が闘っている。アディショナルタイム45＋1分にはCF小林悠がミドルシュート。これはGKランゲラックがパンチングでクリア。さらにCBジェジエウがミドルシュートを放つが、これもGKランゲラックがキャッチした。そしてタイムアップ。1-0。グランパスが勝利。フロンターレの連勝をついに10で止め、かつ今季初の黒星を付けた。
よくやった！ 後半はもっぱら守備に回ったグランパスだったが、最後まで集中力は切れなかった。そして身体を張った。走り切った。全員で闘った。ハーフタイムにフィッカデンティ監督は「最もきつい45分になるだろうが、みんなで闘おう」と言って送り出したという。まさにそのとおりの戦い方をすることができた。勝利したとはいえ、フロンターレとの勝ち点差はまだ8ポイントある。それでもこの勝利は自信になるはずだ。次節は札幌へ乗り込んでのコンサドーレ戦。さらにアントラーズ、マリノス、横浜FC、ヴィッセルと侮れない相手が続くが、この自信を胸にさらに上を目指してがんばってほしい。やれるぞ、グランパス。
