とんま天狗は雲の上

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UEFAチャンピオンズリーグ決勝 パリ・サンジェルマンvs.バイエルン・ミュンヘン

 CL決勝はスペイン勢もイングランド勢も敗退し、リーグアンブンデスリーガという興味深い組合せになった。初優勝を狙うパリSGに対して、7年ぶり6回目の優勝を狙うバイエルン。過去の実績より何より、今現在のサッカーがどちらも魅力的だ。エムバペとネイマールという今世界で最も速く巧い選手を擁するパリSGに対して、組織力バイエルン。もちろんパリSGにはチアゴ・シウバマルキーニョスが効果的に守備を支えているし、バイエルンにはレバンドフスキミュラーがいる。コロナ禍でヨーロッパリーグの多くが中途半端に終わった中、今季最後のCLは最高の組合せとなった。

 パリSGは4-3-3の布陣。ネイマールをトップに、エムバペは左WGに張り、右WGにはディマリアが入る。中盤はマルキーニョスをアンカーに、右IHエレーラ、左IHパレデス。そしてDFは右SBケーラー、左SBベルナト。CBはチアゴ・シウバとキムベンペで守り、GKにはナバスが復帰してきた。GKを除き、準決勝と変わらない。対するバイエルンは4-2-3-1。レバンドフスキをトップに、トップ下にミュラー。右SHはニャブリ、左SHにはコマンが先発した。ボランチから下は準々決勝から変わらない陣容。CHにゴレツカとチアゴ・アルカンタラ。キミッヒが右SBに入り、デービスが左SB。CBはアラバとボアテング。GKはいつものとおり、ノイアーが守る。

 最初にパリSGが高い位置からプレスをかけると、バイエルンもさらに高いハイプレス。バイエルンが序盤、攻勢をかける。6分にはCHチアゴ・アルカンタラミドルシュートを放つ。しかし序盤の攻勢を凌ぐと、パリSGが次第に反撃。10分、ネイマールのFKがゴール前に入ると、11分にはCKが襲う。そして14分、左IHパレデスのフィードを左WGエムバペが受けて縦パス。左SBベルナトが駆け上がって、マイナスのクロスにエムバペがシュート。15分には左IHパレデスから大きく左へサイドチェンジ。これを受けた左WGエムバペが中に切れ込んでシュートを放つ。右SBキミッヒがブロックした。

 さらに攻めるパリSG。18分、CHマルキーニョスの縦パスから左WGエムバペがスルーパス。CFネイマールが抜け出してシュートを放つが、GKノイアーがファインセーブ。ゴールを許さない。バイエルンも22分、左SBデービスのアーリークロスを受けたCFレバンドフスキが反転からミドルシュートを放つが、これは左ポストに弾かれる。さらに攻め続けるパリSGは23分、左IHパレデスの縦パスを右IHエレーラがヘディングでつなぐと、左WGエムバペがフリック。CFネイマールがドリブルで迫る。右に流すと、右WGディマリアが右IHエレーラとのワンツーからシュート。だがバーの上を越えた。その直後の25分、バイエルンはCBボアテングが足を痛め、ジューレと交代した。

 29分にはCFネイマールのFKから右IHエレーラがミドルシュートバイエルンも31分、OHミュラーのクロスにCFレバンドフスキがヘディングシュートを放つが、GKナバスがファインセーブした。42分にはカウンターの応酬。お互い攻め合うが、守備も集中して、お互いゴールは許さない。45分、CBアラバのパスをカットした左WGエムバペが右IHエレーラとのパス交換からシュートを放つが、GKノイアーがナイスセーブ。アディショナルタイム45+1分、左SHコマンの仕掛けに右SBケーラーが倒すが、主審はPKを取らなかった。白熱する戦いが続いた前半。だがどちらもゴールを割ることはできず、スコアレスで折り返した。

 後半に入ってパリSGはWGの左右を入れ替えた。エムバペが右に回り、ディマリアが左WG。7分、CFネイマールが右SHニャブリに倒されると、左IHパレデスが興奮して抗議。イエローカードをもらう。後半は序盤から熱い戦いが続く。9分、CHゴレツカのミドルシュートはDFの足に当たって、GKナバスがキャッチする。そして14分、CHチアゴ・アルカンタラから右に展開すると、右SBキミッヒが縦パス。走り込んだ右SHニャブリのクロスがこぼれたところを右SBキミッヒがクロスを入れると、CFレバンドフスキについた右SBケーラーの上を越えて、左SHコマンがヘディングシュート。バイエルンが先制点を挙げた。

 その後はバイエルンの攻勢が続く。16分、左SHコマンのクロスはCBキムベンペがナイスヘディングでクリア。19分、OHミュラーのクロスに左SHコマンのシュートはCBチアゴ・シウバがナイスブロック。パリSGの両CBがいいプレーを見せる。それでもなかなか追い付けないパリSGは20分、左IHパレデスに代えてベラッティを投入。22分、左WGディマリアのクロスに右WGエムバペが走り込むが、シュートは合わない。GKノイアーがキャッチ。バイエルンは23分、両SHを下げて、コウチーニョペリシッチを投入。25分、パリSGは左IHベラッティの縦パスを右WGディマリアが折り返し、CHマルキーニョスが走り込むが、シュートはGKノイアーがファインセーブで弾き出す。27分、パリSGは右IHエレーラに代えてドラクスラーを投入。

 35分には足を痛めた左SBベルナトに代えてクルザワ。さらに右WGディマリアに代えてシュポモティングを投入するが、前からのプレスが衰えないバイエルンに対して、パリSGはなかなかシュートまで行けない。アディショナルタイム45+2分、左IHベラッティの縦パスから左WGエムバペがスルーパス。CFネイマールが切り返してクロスを入れるが、右WGシュポモティングに合わない。45+3分には左WGエムパベのドリブルから、CFネイマールがドリブルでつなぐが、最後は詰まってしまった。そしてタイムアップ。1-0。後半14分、左SHコマンのゴールによる1点を守り切り。バイエルンが6回目の優勝を飾った。

 結果はバイエルンの優勝だが、パリSGもけっして劣ってはいなかった。何度かあったネイマールやエムバペのシュートが決まっていればと思わないではないが、それらを悉く止めたGKノイアーが見事。どこからでも仕掛けられ、点が取れるバイエルンの方が総合力では上だったということか。だが、そんな結果以上にとにかく面白い、今季の最後を飾るにふさわしいゲームだった。負けてしまったが、パリSGの健闘にも大きな拍手を送りたい。