とんま天狗は雲の上

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FAコミュニティ・シールド アーセナルvs.リバプール

 ヨーロッパリーグはベルギーリーグがいち早く8月上旬に開幕。またフランスのリーグアンも既に開幕しているが、その他は9月に入ってからとのんびりしていたら、コミュニティ・シールドで南野が公式戦初ゴールというニュースが飛び込んできた。えっ、プレミアリーグももう始まるの? と思ったら、どうも今週末は2022年W杯予選に備えた国際Aマッチデーとなっており、例年と違って、コミュニティ・シールドはリーグ開幕の2週前にセットされていた。何はともあれ、南野のプレーぶりを観戦した。

 今季のコミュニティ・シールドは昨季FA杯王者のアーセナルとリーグ戦優勝のリバプールの対戦。昨季リーグ戦では8位に終わったアーセナルだが、FA杯優勝でEL出場権は確保した。まだこれから移籍の噂も絶えないが、現時点ではベストメンバーか。布陣は3-4-3。エンケティアをトップに、右WGサカと左WGオーバメヤンが左右に開く。ボランチはジャカとエルネニーで組んで、右WBベジェリン、左WBはメイトランド・ナイルズ。3バックは右からホールディング、ダビド・ルイス、そしてティアニー。GKにはマルティネスが先発した。ラカゼットとゲンドゥージは移籍確定か。対するリバプールは右SBにネコ・ウィリアムズが入ったことを除けば、ほぼ昨季のレギュラーメンバー。布陣は4-3-3。フィルミーノをセンターに、右WGサラー、左WGマネと変わらない。中盤はファビーニョをアンカーに、右IHワイナルドゥム、左IHミルナーヘンダーソンはケガの情報。左SBにはロバートソンが入り、CBはファンダイクとジョー・ゴメス。GKはアリソン。アレクサンダー・アーノルドやマティプもケガのようだ。

 ゲームはお互い互角の状況で進む。7分、左SBロバートソンのFKにCBファンダイクが抜け出し、シュート。ネットを揺らしたが、これはオフサイド。12分には右SBネコ・ウィリアムズのクロスに左IHミルナーがヘディングシュート。ミルナーは、自陣GKの前から相手ゴールの前まで縦横無尽に動き回る。しかし先制したのはアーセナル。12分、右WGサカから大きくサイドチェンジのパスが左に送られると、左WGオーバメヤンがゴール右に見事なミドルシュートを突き刺した。

 その後もアーセナルが優勢な展開が続く。18分、CBジョー・ゴメスにCFエンケティアがプレスをかけてボールを奪うと、CHジャカがドリブルで運び、右に流して、右WGサカのクロスにCFエンケティアがシュート。GKアリソンがファインセーブ。27分にも右WGサカのパスからCFエンケティアがミドルシュートを放つ。リバプールは30分過ぎた位からようやく攻勢をかけるが、アーセナルの3バックはなかなか堅い。36分、CBジョー・ゴメスのミドルシュート。41分、左SBロバートソンのクロスに左WGマネがヘディングシュート。アーセナルも42分、左CBティアニーが持ち上がり、左へ流すと、左WGオーバメヤンからのマイナスのパスをCBティアニーがシュート。これはDFがブロック。前半はアーセナルの1点リードで折り返した。

 後半は序盤からリバプールが攻めていく。6分、CFフィルミーノがミドルシュートを放つと、11分には左SBロバートソンのフィードに左WGマネが抜け出しシュート。GKマルティネスがよく飛び出し、ファインセーブした。すると14分、いよいよ南野が登場だ。ミルナーとネコ・ウィリアムズが下がり、ケイタを投入。布陣を4-2-3-1に変更して、CFにサラー。トップ下にフィルミーノ。マネが右SHに回り、南野は左SHに入る。DFはジョー・ゴメスが右SBに上がり、ファビーニョがCBに下がった。ボランチはワイナルドゥムとケイタ。アーセナルもこのタイミングで、右WBベジェリンとセドリックと交代した。

 すると15分、CHケイタがミドルシュート。18分にはOHフィルミーノのパスを受けて、左SH南野が積極的にミドルシュートを放っていく。そして28分、右SHマネの縦パスを受けたCFサラーが中へドリブル。ゴール前で縦に入れると、OHフィルミーノが落としたボールを左SH南野がワンタッチで走りこんだサラーに戻す。しかしこれがDFに当たってこぼれると、南野が迷わず前に運び、シュート。南野が同点シュートを決めた。

 31分には左SH南野が左SBロバートソンとのワンツー、さらにOHフィルミーノとのワンツーで仕掛けていく場面があり、また32分には右SHマネの縦パスを受けて、反転から仕掛けようとするが、CHエルネニーがうまく対応すると、一度は倒れつつもボールは失わず、右SBゴメスに返す場面もあった。味方の信頼も十分あるようだ。36分、左SBロバートソンのクロスから右SHマネが抜け出すが、シュートは飛び出したGKマルティネスが胸でブロックした。

 37分、アーセナルはサカとエンケティアを下げて、CFウィロックと右WGネルソン。さらにティアニーに代えて左CBコラシナツを投入する。リバプールもOHフィルミーノに代えてカーティス・ジョーンズを投入。すると、選手交代で元気の出たアーセナルが再び攻勢。41分には右WBセドリックのクロスにCFウィロックがヘディングシュート。44分にはCFウィロックのクロスに左WGオーバメヤンがニアに飛び込む。が、いずれもシュートは枠を外した。そしてタイムアップ。90分のゲームは同点に終わった。

 90分で同点の場合、コミュニティ・シールドでは延長戦を行わず、PK戦で勝敗を決める。先行のリバプールは1番手にサラー、2番手はファビーニョと経験値のある選手が決めた後、3番手に後半アディショナルタイムに投入されたブリュースターが登場。しかし外してしまう。その後の南野とカーティス・ジョーンズは成功したが、アーセナルは5人目にオーバメヤンが登場して、全員が成功。今季の初タイトル、コミュニティ・シールドアーセナルが獲得した。

 南野が入ってからは4-2-3-1に布陣を変更。フィルミーノ、サラー、マネの3人と一緒に最前線でプレーした。ボールサイドに入ってパスを要求し、ゴール近くにポジションを取るのは昨季と変わらないが、他の3人も南野のそうした動きを理解して、連携が取れるようになってきた感はある。しかし、強烈なスピードとパワー、そしてテクニックと、三人三様の特徴を持つ彼らに比べれば、まだまだ南野の秀でた特長というのは見えてこない。フィルミーノが広い視野とテクニックで存在感を示すように、南野にはアジリティやテクニックを武器に、ゴールに直結するプレーが期待される。そのためにもゴールという結果は意味があった。この公式戦初ゴールを皮切りに、今季は少しでも多くのゴールを見てみたい。