とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

J1リーグ第14節 名古屋グランパスvs.鹿島アントラーズ

 フロンターレに渾身の勝利を挙げた後、前節コンサドーレ戦、そしてミッドウィークのルヴァン杯FC東京戦とノーゴールで勝利から遠ざかるグランパス。今節は9位アントラーズをホームに迎えた。アントラーズはリーグ序盤こそ黒星が先行し、今季はどうなるかと思ったが、ここ2戦はFC東京レイソルに2連勝。勝負強さが戻ってきた。中2日のグランパスに対して、アントラーズは中6日。この日程の差が大きく勝負に影響した。

 グランパスは米本が復帰して久しぶりにボランチで先発した。他はいつものメンバー。金崎をトップに、右SH前田、左SHマテウス。トップ下にシャビエル。右SBは成瀬が先発に戻り、左SBは吉田。CBとGKはいつものとおり。阿部がベンチスタートながら、今節から復帰した。アントラーズの布陣は4-4-2。エヴェラウドと土居の2トップに、右SH荒木。左SHにはグランパスから移籍した和泉が先発した。ボランチはレオシルバと三竿。右SB小泉、左SB永戸。CBは犬飼と関川。関川と言えば昨年1月、高校サッカーでの活躍が思い出される。GKは若い沖が守る。

 序盤、グランパスが積極的に攻めていく。1分、CF金崎の落としから左SHマテウスがドリブルで上がり、OHシャビエルがミドルシュート。GK沖がナイスセーブした。その後もグランパスが主導権を握って攻めるが、アントラーズもしっかりと守る。すると12分過ぎ位から突然の雨と雷。ゲームは1時間余りも中断となった。この影響は大きかったか。

 再開直後は再びグランパスが攻勢をかける。右SH前田の仕掛けでゴール前に迫ると、続くCKでマテウスが直接ゴールを狙う。押し込まれたアントラーズだったが、16分、CB犬飼がクリアを蹴り上げると、CH米本が蹴り返そうするが、当たり損ね。こぼれたボールをFW土居が拾ってドリブルで持ち上がり、ゴール前で右に流すと、FWエヴェラウドがGKを引き付けて、冷静にクロス。左HS和泉が押し込んで、アントラーズが先制点を挙げた。

 直後の19分、グランパスは前田が筋肉系の痛みを訴え、左SH相馬に交代する。マテウスが右SHに回った。その後はアントラーズも勢いを折り戻し、互角の展開となってくる。25分、FWエヴェラウドの落としからCH三竿が右に展開。右SH荒木がカットインしてシュート。左SN吉田がスライディングでブロックした。そして37分、CB丸山からの縦パスをCH米本が収めきれず、トラップが長くなったところを右SH荒木が奪い、CHレオシルバのスルーパスに荒木が抜け出す。シュート。アントラーズが前半のうちに追加点を挙げた。2-0。

 後半に入ってもアントラーズの方が元気だ。3分にはFKからFW土居のクロスにFWエヴェラウドがヘディングシュート。しかし4分、CB関川の縦パスをCF金崎がカットして、縦パスをOHシャビエルが倒れながら左に展開。左SH相馬のクロスがCB犬飼に当たってファーに流れたところをCH稲垣がボレーシュートグランパスが1点を返した。これでグランパスが押し返すかと思ったが、なかなかペースが上がらない。13分にはOHシャビエルを下げて、FW山崎を投入。布陣を4-4-2にする。

 しかし元気なのはアントラーズ。中2日の疲れがあるのか、ルーズボールは悉くアントラーズが拾う。15分には左SB永戸のCKにCB犬飼がヘディングシュート。そして18分、CH三竿の縦パスを左SH相馬がクリアするが、これを右SH荒木が拾い、右に流してFW土居がクロス。いったんは相馬がブロックするが、はね返りを土居がシュート。アントラーズが3点目を挙げた。

 グランパスは21分、CH米本に代えてシミッチ。左SB吉田に代えて太田宏介。そしてマテウスを下げて左SH阿部を投入。相馬が右SHに移る。だが、アントラーズの勢いは止められない。23分、CHレオシルバがするするとドリブルで上がっていくと、右SH荒木とのワンツーで抜け出し、シュート。4点目かと思ったが、オフサイドの判定。だが、このゲーム、レオシルバが効いている。

 グランパスも26分、左に開いたFW山崎のパスをFW金崎がつなぎ、CH稲垣の落としを左SH阿部がミドルシュート。しかし枠を捉えられない。グランパスは左右の俊足SHが仕掛け、両SBも上がってサイドから攻撃を作っていくが、アントラーズは二人のFWが大きくサイドに開き、中央のボランチから攻撃を作っていく。途中出場の阿部が左右自由にポジションを取って攻撃に変化をつけていくが、疲れたみんながついていけない。

 35分、アントラーズは右SH荒木に代えてファンアラートを投入。するとその直後、永戸のCKをCB関川がファーで折り返し、DFのクリアをFWエヴェラウドがシュート。ポストを叩く。追い付きたいグランパスだが、DFラインでパスを回すばかりで、なかなかゴール前まで入っていけない。逆にアントラーズは途中出場のファンアラートが躍動する。39分、右SHファンアラートのパスからFWエヴェラウドがミドルシュート。GKランゲラックがかすかに触ったか、ポスト右に外れる。

 41分にOH遠藤とCH永木。アディショナルタイム45+2分にはCF上田を投入すると、45+3分には右SHファンアラートのクロスにCF上田がシュート。GKランゲラックがナイスセーブする。グランパスも45+6分、相馬とのワンツーから左SB太田がクロスを入れると、FW山崎がヘディングシュート。しかしこれがバーにはね返される。そしてタイムアップ。3-1。ゲームはアントラーズが快勝した。

 時間が経つにつれて、両チームの選手のコンディションが明らかに違った。後半は何点取られるのだろうと不安に思ったが、何とか3失点で収まった、という感じ。だがそれ以上に、ここ公式戦6試合で3点しか取れていない攻撃陣が心配だ。しかも失点はルヴァン杯に続いての3失点。この試合ではシミッチに代えて米本が先発したことで、中盤のタメがなくなった感じだ。だが一方で阿部が復帰した。このゲームでは阿部が出場した時には既に多くの選手が疲弊し、彼についていけない感じだったが、今後は阿部を中心に、攻撃にも変化が生まれるだろう。その時にこそ米本も生きる。次は米本と阿部がそろって先発することを期待したい。次節から横浜のチーム相手の連戦、2連勝を期待したい。