とんま天狗は雲の上

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プレミアリーグ第1節 フラムvs.アーセナル

 プレミアリーグが開幕した。今読んでいる「フットボール批評」の特集は「アーセナル」。リバプールの開幕戦に南野が出場しなかったこともあり、今季最初のプレミアリーグはフラム対アーセナルのロンドン・ダービーを観戦した。伝統ある対戦だが、フラムは今季昇格してきたばかり。一方、アーセナルは2週間前に行われたコミュニティ・シールドリバプールに勝利。今季の初タイトルを手中にしている。ウィリアンやガブリエウなど新しいメンバーも先発して、今季を占うにふさわしいゲームとなった。また、フラムの監督はパーカー。アーセナルはアルテタ。少し前まで現役で戦っていた青年監督同士の対戦というのも楽しみだ。

 フラムの布陣は4-2-3-1。カマラをトップに、トップ下にオノマ。SHは右にケバノ、左はカヴァレイロ。ケアニーとハリソン・リードのダブルボランチに、右SBはオドイ、左SBにブライアン。CBはリームとヘクター。GKはロダークが守る。対するアーセナルは3-4-3。ラカゼットをトップに、左WGにオーバメヤンが入り、右WGはチェルシーから移籍したウィリアン。中盤はジャカとエルネニーのダブルボランチに、右WBベジェリン、左WBにメイトランド・ナイルズ。3バックは右CBにホールディング、左CBにティアニー。そして中央には移籍間もないガブリエウ・マガリャンイスが入った。GKはレノ。

 開始2分、左WBメイトランド・ナイルズのバックパスをCBガブリエウ・マガリャンイスがスルーすると、そこにフラムのCFカマラが走り込む。あわやギリギリGKレノがクリアしたが、新加入ガブリエルとGKレノとの連携に不安を感じる。直後にはCHケアニーのクロスに右SHケバノが走り込む。背中に当たってファーに流れたが、序盤はアーセナル大丈夫かと心配になった。7分にはGKロダークのフィードから右SBオドイが落とし、CHハリソン・リードが縦パス。右SHケバノのポストから左SHカヴァレイロが右に流し、駆け上がった右SBオドイがシュート。GKレノがセーブしたが、フラムのダイレクトでつなぐ攻撃に目を見張る。

 しかし先制したのはアーセナル。直後の8分、CHエルネニーから左サイドに展開すると、左WGオーバメヤンが走り込み、戻しのパスをCHジャカがミドルシュート。CBヘクターのブロックがこぼれたところを右WGウィリアンがシュート。これはGKロダークがブロックするが、こぼれ球をCFラカゼットが押し込んだ。ウィリアンがゴール前に詰めていたのが大きい。

 するとアーセナルがすっかりペースを取り戻す。21分、左SBブライアンへのプレスから右WBベジェリンが高い位置でボールを奪うと、右WGウィリアンがクロス。CFラカゼットの落としからCHエルネニーがシュート。DFブロックのこぼれからCHジャカがミドルシュートを放った。さらに27分には右WBベジェリンのパスを受けたCFラカゼットがCBヘクターに倒され、PA手前でFKを得ると、これを右WGウィリアンが直接狙った。左ポストに弾かれたが、惜しいシュート。

 その後もフラムは遠目でパスを回して隙を伺うが、なかなかゴール前まで入っていけない。逆に37分、アーセナルはCHジャカの縦パスに左WGオーバメヤンが抜け出し、シュート。GKロダークがナイスセーブするが、アーセナルがレベルの差を見せ付ける。前半はアーセナル1点のリードで折り返した。

 後半に入ると、序盤はフラムも攻め込むが、すぐにアーセナルが攻め返す。そして4分、右WGウィリアンのCKにCBガブリエウがヘディングシュート。簡単に追加点を挙げた。フラムも11分、左SBブライアンのFKのクリアからCFカマラがミドルシュートを放つが、これはポストの左。そして12分、右WBベジェリンの縦パスをCHエルネニーが落とし、CFラカゼットがCBヘクターに倒されながらも落とすと、右WGウィリアンが大きくサイドチェンジ。そこに左WGオーバメヤンが走り込み、DFをかわしてミドルシュート。これがネットに突き刺さる。アーセナルが3点目を挙げた。

 フラムが18分、CFカマラに代えてミトロヴィッチ、右SHケバノに代えてCHアンギサを投入。ブライアンを左WBに上げて3バック。カヴァレイロを右WBに回し、シャドーにケアニーとオノマが並ぶ3-4-2-1に変更する。22分にはCFミトロヴィッチがミドルシュートを放つが、GKレノがセーブ。逆に26分には、左CBティアニーの縦パスに左WGオーバメヤンが走り込み、クロスにCFラカゼットがシュート。GKロダークがファインセーブ。はね返りを右WBベジェリンがシュートするが、ライン上で左WBブライアンがクリアした。

 30分にはフラムがオノマに代えてFWボビー・リードを投入。3-5-2に変更する。アーセナルも右WGウィリアンに代えてペペ。33分、右WBベジェリンの縦パスに左WGオーバメヤンが走り込み、GKロダークをかわしてシュート。CBヘクターがヘディングでクリアする。アーセナルは34分、CHジャカに代えてセバージョス。42分にはCFラカゼットに代えてエンケティアを投入。そのまましっかり守り切って、3-0。アーセナルが開幕戦勝利を飾った。

 このゲーム、何と言ってもウィリアンの活躍が目立った。右サイドに張るだけでなく、ゴール前に、また中盤まで下がって攻撃を作り、アーセナルの攻撃に変化ができた。ベテラン同士、ベジェリンとの連携もよく、うまく右サイドで作って、左サイドからオーバメヤンが仕留める。また、左CBティアニーの攻撃力もいい。アーセナルは途中交代したメンバーに加え、まだベンチにはサカやウィロック、コラシナツ、そしてケガで欠場したが、ダビド・ルイスもいて、選手層も厚い。今季はかなりいいところまで行くんじゃないか。期待を持たせる開幕戦だった。