とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

プレミアリーグ第2節 チェルシーvs.リバプール

 開幕戦は昇格組のリーズを相手に苦戦の末、勝利したリバプール。一方、チェルシーはブライトン相手に順調に勝利。リバプールにとっては第2節にして強豪と対戦する。今季を占うゲームとなった。今季、チェルシーはコロナ禍の中でも大型補強を敢行。特に前線の顔ぶれが大きく変わった。布陣は4-3-3。新加入のハヴァーツをトップに、左WGにヴェルナー。右WGにはマウントが入る若い攻撃陣だ。中盤はジョルジーニョをアンカーに、コバチッチとカンテがIHに並ぶ、こちらは経験値が高いメンバー。そしてDFは右から右SBリース・ジェイムズ、クリステンセン、ズマ、マルコス・アロンソ。新加入のチアゴ・シウバはまだ出場しない。GKはケパ。一方、リバプールの攻撃陣はいつもの3人。中盤にはヘンダーソンをアンカーに、右IHケイタ、左IHワイナルドゥム。DFもファビーニョがCBに入った他はいつもと変わらない。GKはアリソン。南野はベンチに控える。

 序盤こそ互角に攻め合うが、すぐにリバプールが主導権を握っていく。12分、右WGサラーがカットインから左に流し、左IHワイナルドゥムがミドルシュート。14分には右SBジェイムズの蹴ったボールがCHヘンダーソンに当たり、大きく右前に流れていくと、右WGサラーが走り込み、クロスにCFフィルミーノが走り込む。シュートはCBクリステンセンがブロックした。チェルシーもヴェルナーやハヴァーツらが再三カウンターを仕掛けるが、リバプールの戻りは早く、なかなかシュートまで行けない。

 19分、右WGサラーがカットインからミドルシュートチェルシーも23分、左IHコバチッチの縦パスに右WGマウントが走り込むが、わずかに届かない。チェルシーの初シュートは32分、左WGヴェルナーがミドルシュートを放つが、わずかに右に外す。しかしその後はチェルシーもよく攻めていく。37分、右IHカンテの縦パスに走り込んだCFハヴァーツのパスから左WGヴェルナーがシュート。44分にはCFハヴァーツから右に展開。右WGマウントが戻して、右SBリース・ジェイムズがクロス。しかしやや高く、左SBアロンソのヘディングシュートはうまく叩けず、GKアリソンがキャッチした。

 しかしそこからリバプールのカウンターが発動。CHヘンダーソンのフィードに左WGマネが走り込むと、追いかけたCBクリステンセンが接触PA手前で倒されて、VARで審議の末、レッドカードを提示された。ちなみに直後のFKは右SBアレクサンダー・アーノルドが狙うが、枠を外した。前半はこのままスコアレスで終了する。

 一人少なくなったチェルシーは後半最初からハヴァーツを下げて、CBトモリを投入。布陣を4-3-2に変更する。一方、リバプールもCHヘンダーソンに代えて新加入チアゴ・アルカンタラを投入する。すると後半序盤からチェルシーを圧倒するリバプール。そして5分、CFフィルミーノの落としから右WGサラーがスルーパス。フィルミーノが走り込み、クロスに左WGマネがヘディングシュート。前線3人の見事な連携プレーでリバプールが先制点を挙げた。先制してさらに前からのプレスが厳しくなるリバプール。9分、CBトモリのバックパスをCHジョルジーニョに渡そうと出したパスを、左WGマネがカット。シュートを決めて、あっという間に追加点を挙げた。

 チェルシーはこの後、マウントを左SHに下げて、ヴェルナーを一人前線に残す4-4-1の布陣に変更する。後半から出場したCHチアゴ・アルカンタラだが、まるで昔からこのチームでプレーしているかのように、普通にパスをつなぎ、周りの選手を動かしていく。19分にはケイタを下げて、左IHミルナーを投入。すると20分、CFフィルミーノのスルーパスに右IHワイナルドゥムが抜け出し、シュート。GKケパがナイスセーブで弾き出す。

 チェルシーもCFヴェルナーがカウンターから長いドリブルで前線まで運ぶが、周りが付いてこない。23分には左SHマウントがミドルシュートを放つが、惜しくもバーの上を越えた。そして28分、CHコバチッチのフィードに走り込むCFヴェルナー。味方の上りが遅い中、一人でカットインから仕掛けてPA内に侵入していくと、身体を寄せたCHチアゴ・アルカンタラに倒されながらシュート。これはDFにブロックされるが、主審はPKを宣告した。しかし、CHジョルジーニョが狙ったPKは見事にGKアリソンがセーブ。ゴールを許さない。

 チェルシーは34分、CHコバチッチに代えてバークリー。さらに、CHジョルジーニョを下げて、ワントップにエイブラハムを投入。ヴェルナーを左SHに下げる。39分、左SHヴェルナーのスルーパスにCFエイブラハムが抜け出してシュート。だがGKアリソンがファインセーブ。41分にはいよいよCFフィルミーノを下げて南野が登場する。すると45+2分には左WGマネがミドルシュート。45+3分には左WGマネのパスから、右WGサラーが反転してシュート。いすれもGKケパがナイスセーブで弾いたが、リバプールも最後まで攻撃の手を緩めない。そしてタイムアップ。2-0。リバプールが快勝、開幕2連勝を飾った。

 しかし、前半のレッドカードがなければ結果はどうなっていたかはわからない。それほどチェルシーの前線3人の攻撃は魅力的だった。瞬間的な速さを誇るマネとサラーの両WGを操るフィルミーノというリバプールの攻撃陣に対して、チェルシーの3人はいずれも速さがあり、彼らをジョルジーニョコバチッチが長く正確なパスで操る。一方、リバプールは後半から出場したチアゴ・アルカンタラが、ヘンダーソンらに比べれば、一段速いタイミングで前線にパスを出していく。リバプールの攻撃が変わる予感。また、CBに入ったファビーニョの読みの良い守備も効いていた。チェルシーは攻撃陣に対して守備面ではやや不安もあるが、そこはチアゴ・シウバの加入で今後変化があるだろうか。もちろん南野の活躍次第ではリバプールも一段と進化するだろう。今季のプレミアリーグはどんな展開になるだろうか。今後に向けて楽しみが募るゲームだった。