今節の目玉は首位と2位との対戦。首位決戦だ。もっとも両者の勝ち点差は11。セレッソにとってはここで勝利しなければ、もう優勝はないとさえ言える。だが、ここに来て2連敗。前節は終了間際に何とか逆転ゴールを挙げて勝利したが、けっして好調とは言えない。一方、フロンターレは7連勝中。ここで勝てばほぼ優勝が決まる。お互い中5日空けて、体調を整えての対戦だ。セレッソの意地に期待した。
セレッソの布陣は4-4-2。ブルーノ・メンデスと奥埜の2トップ。右SHに坂元、左SH清武。ボランチは藤田とデサバト。SBは右に松田、左は片山が入った。CBは瀬古とヨニッチ。GKはキムジンヒョン。左SB片山の起用以外は、ほぼベストメンバーで組んできた。対するフロンターレは4-3-3。小林悠をトップに、右WG家長、左WGに齋藤学。中盤は守田をアンカーに、IHは右に田中碧、左に脇坂。DFは右SB山根、左SB登里。CBとGKはいつものとおり。フロンターレの場合は誰がベストメンバーとは言えないが、決定力のある三苫も旗手もレアンドロ・ダミアンもベンチに置いて、後半に勝負をかける作戦と言えるかもしれない。
立ち上がりセレッソが積極的に攻めていくが、フロンターレも高いプレスで、逆にボールをキープするセレッソを追い詰める。その後、フロンターレがパスを回すと、セレッソは守備ラインを下げて、ブロックを作って守る。守備のやり方が対照的だ。4分、CH守田から右に展開すると、上がってきた右SB山根はスルー。サイドに開いた右SH家長がカットインからミドルシュート。GKキムジンヒョンがファインセーブした。7分には左IH脇坂のCKにCBジェジウがヘディングシュート。これもGKキムジンヒョンが横っ飛びナイスキャッチした。その後はフロンターレの猛攻が続く。
それでも何とか守り切ったセレッソは15分、左サイド深い位置からのFKを右SH坂元が蹴ると、FWブルーノ・メンデスがヘディングシュート。GKチョンソンリョンがファインセーブする。続く左SH清武のCKに左SB片山がヘディングシュート。だが、これもGKチョンソンリョンがキャッチした。この後はフロンターレの圧力も弱まり、セレッソも攻められるようになってきた。だがフロンターレの守備も堅い。集中した守りでシュートを打たせない。
そして36分、右SB山根の縦パスから右IH田中がスルーパス。CF小林が抜け出してシュートを放つ。CBヨニッチがナイスブロック。そして続くCKの流れから37分、左WG齊藤の仕掛けからDFのクリアを左SB登里が大きく右前に蹴り込むと、CKを蹴った脇坂がダイレクトでゴール前に高速クロス。CB瀬古がクリアしようと足を伸ばすが、オウンゴール。自軍のゴールに飛び込んでしまった。フロンターレが先制点を挙げた。その後もフロンターレのペース。43分、右IH田中から左に展開すると、左WG齊藤の戻しを左IH脇坂がシュート。GKキムジンヒョンがナイスセーブ。45分、左WG齊藤のパスを左サイドにいたWG家長が受けて、クロス。CF小林悠がヘディングシュートするも、ポスト左に外した。前半はフロンターレの1点リードで折り返した。
後半も序盤はセレッソが攻めていったが、すぐにフロンターレが攻め返し、押し込んでいく。それでも何とか押し返すと、10分、左SH清武の落としから、左SB片山がミドルシュート。12分、左SH清武から右に展開し、右SB松田のクロスから右SH坂元がシュートを放つが、DFにブロックされる。さらに13分、CHデサバトの縦パスをCFブルーノ・メンデスが落とし、右SH坂元がミドルシュート。だがこれもDFがブロックする。そして17分、カウンター気味に右SB松田が持ち上がると、FW奥埜がヘディングシュート。セレッソが同点に追い付いた。
直後の18分、フロンターレは左IH脇坂に代えて大島。左WG齊藤に代えて三苫を投入。そして飲水タイムの後の29分には、右IH田中に代えて旗手、左SB登里に代えて車屋を投入。セレッソもFWブルーノ・メンデスを若い19歳、藤尾に交代した。31分にはCH藤田のロングスローに左SB片山がヘディングシュート。だが枠は捉えられない。さらに37分にはCF小林を下げて、レアンドロ・ダミアンを投入。するとその直後のCK。大島が蹴ってDFがクリアしたボールを右IH旗手がミドルシュート。GKキムジンヒョンがファインセーブするが、こぼれたボールにFWレアンドロ・ダミアンが詰めて押し込む。フロンターレが勝ち越し点を挙げた。
直後にセレッソは、FW奥埜に代えて高木、左SH清武に代えて柿谷、CH藤田に代えて木本を投入。だが直後の39分、フロンターレがゴール前に攻め込むと、右SB山根が仕掛け、DFに囲まれながらも粘って前に進むと、こぼれ球を左WG三苫がシュート。決定的な3点目を挙げた。その後は必死に反撃するセレッソ。42分には右SB松田のクロスのクリアを左SH柿谷が前に送ると、FW藤尾が反転してシュート。だがDFがブロック。45分には右SH坂元に代えて西川を投入。アディショナルタイムの45＋2分には左SH柿谷のCKにCBヨニッチがヘディングシュートするも、DFがクリア。2点差で余裕を持ったフロンターレはパスを回して時間を消化。そしてタイムアップ。フロンターレが3-1で勝利した。
やはりフロンターレが強い。攻撃力が半端ないし、他チームの1.5倍以上の戦力を有している。三苫や旗手や大島やレアンドロ・ダミアンが後半から出てきてゲームを決める。その点、先発メンバーがベストメンバーのセレッソ（というか、他のチームはほとんどがそうだが）とは違う。しかもそのベストメンバーでも先制できない。守備力は互角でも、攻撃力に差があった。これで首位と2位との勝ち点差は14。ついに残り試合数を上回ってしまった。優勝はほぼ決定。今後は2位争い、そして3位争いに興味は移る。グランパスにもまだまだチャンスはありそうだ。今日のゲームを楽しみにしよう。
