とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

国際親善試合 日本vs.コートジボワール

 カメルーン戦をスコアレスで引き分けた日本。オランダでの強化試合第2戦はコートジボワールが相手。コートジボワールと言えば、ブラジルW杯でドログバの出場と共に逆転され、敗戦したゲームを思い出すが、現在のFIFAランキングは60位。でもこれはたぶんコロナ禍で国際試合が行われていない結果だろう。

 メンバーだけを見ると、先に戦ったカメルーンよりも知った名前が目に付く。FWはサイードというクウェートでプレーする選手をトップに、右WGにアーセナルのペペ。左WGは、今はパルマで活躍するジェルビーニョ。中盤はACミランのケシエとメスのマイガがボランチに入り、右WBにトッテナムのオーリエ、左WBはリヨンのコルネ。CBはマンUのバイリーを中央に、右にコッスヌ(ブルージュ)、左は若いディオマンデだが、彼もリヨンに所属する。GKはグボウオ。布陣は3-4-3だ。

 対する日本は4-2-3-1。鈴木武蔵をトップに、鎌田がトップ下に入り、右SHに伊東純也、左SHには久保。柴崎と遠藤でダブルボランチを組み、中山は左SBに回った。右SBには室屋。そしてCBは不動の吉田と富安。GKにはシュミット・ダニエルが入った。スペイン、ドイツ、イタリア、ベルギーと、日本も負けず劣らず、華やかだ。

 2分、日本はOH鎌田の縦パスにCF鈴木武蔵が抜け出し、クロスに左SH久保がシュート。決定的なチャンスだったが、シュートは浮いてしまった。しかしその後は両チーム、前からよくプレスをかけて、互角の戦いが続く。コートジボワールの初シュートは21分、CKからCFサイードがヘディングシュート。だが枠は捉えられない。日本も27分、CH柴崎から大きく右へ展開。右SH伊東のクロスのこぼれをOH鎌田がシュートするが、DFがブロックした。

 コートジボワールは30分、左WGジェルビーニョの仕掛けから、簿年をCHマイガがミドルシュート。日本も33分、左SB中山が駆け上がり、中へつないで、左SH久保のクロスにCF鈴木武蔵が飛び込むが、触れず。ファーに右SH伊東も詰めたが、DFにクリアされた。攻撃では最後のパスが合わず、なかなか決定機を作れなかった日本だが、守備ではがんばっている。中でもCB吉田の読みの良いヘディング。右SB室屋はいつものように戦っていたし、CH遠藤航も中盤でよく効いていた。44分、左SB中山のクロスにOH鎌田がシュート。だがポストの左。アディショナルタイムの45+1分には右WGペペにミドルシュートを打たれたが、DFがブロック。前半はスコアレスで折り返した。コートジボワールは前半39分、CFサイードをクアメに交代する。

 前半の終わり頃からコートジボワールは布陣を4-3-3に変更。前半CBだったコッスヌをアンカーに上げ、CBはバイリーとディオマンデで守る。OH鎌田を抑えるためではないかと解説の戸田氏。後半2分、日本が久保のCKからCB富安がヘディングシュートを放てば、コートジボワールも3分、左WBコルネのパスから左WGジェルビーニョがドリブル。シュートを打つが、GKシュミット・ダニエルがナイスセーブ。CB吉田が最後までよく付いていった。

 5分には右WGペペの仕掛けから、左WGジェルビーニョがクロス。IHケシエがシュートを放つ。後半は布陣を変えたコートジボワールがペースをつかむ。それでも11分、久保のCKからCB吉田がヘディングシュートを放つと、13分には右SH伊東のパスからOH鎌田が抜け出してシュート。GKグボウオのナイスセーブ。はね返りをもう一度OH鎌田がシュートするが、これもGKにはね返された。さらに15分、CH遠藤の縦パスにCF鈴木が抜け出すが、CBバイリーがよくマークして、シュートはしっかりと打てなかった。

 すると16分、日本は左SH久保を下げて、南野を投入する。17分、CHケシエに右SH伊東がプレスをかけてボールを奪うと、CH遠藤のパスにOH鎌田がドリブル。左に流して、左SH南野のクロスを右SH伊東がボレーシュート。しかし枠は捉えられなかった。逆に18分にはCH柴崎のバックパスを奪われ、右WGペペにシュートを打たれる。22分、コートジボワールはCHマイガに代えてアクプロ。26分、日本が攻め込まれた中から左SH南野が大きくクリア。これをCF鈴木武蔵がDFと競り合いながらもしっかり収めて、ドリブルから左に展開。OH鎌田のクロスに南野がシュートを放つが、GKグボウオがセーブした。

 28分、日本はCF鈴木武蔵に代えて、左SH原口を投入。南野をCFに上げる。すると29分、CF南野のパスから左SH原口がシュート。コートジボワールも31分、CFクアメのポストプレーから、左WGジェルビーニョがシュートを放つ。その後、コートジボワールは34分、35分と、両WGペペとジェルビーニョを下げて、グラデルとラゴを投入。日本も40分、右SH伊東に代えて堂安。そして44分、右SB室屋に代えて植田を投入。3バックにする。するとアディショナルタイム45+1分、右サイドやや深い位置で得たFKを柴崎が蹴ると、CB植田が絶妙な動きでCBの前に入り、ヘディングシュート。ゴール。そしてタイムアップ。日本が交代出場したばかりのCB植田の劇的なゴールでコートジボワールを破って勝利した。

 なかなかゴールが遠かった親善試合2試合だったが、最後にゴールを挙げられてよかった。連携練習の時間も少ないだろうし、攻撃はこれから作っていくことができる。それ以上に評価すべきなのは、2試合とも無失点だったこと。カメルーン戦の中山、コートジボワール戦の遠藤と、コンビを組む柴崎の守備能力がやや心配な中、よく守り、フォローした。そして何と言ってもCB吉田の活躍が目立った。読みのいい飛び出しで、相手に危ない場面をほとんど作らせず、手前で何度もヘディングではね返した。また、南野を筆頭に、室屋や酒井宏樹、伊東純也などが終始戦う姿勢を見せてくれたことも頼もしい。今回、オランダで強化試合を組むことができたのはJFAのナイスジョブだった。これからもこうしたタフな相手とゲームを重ね、さらに力強くなっていってほしい。2試合を通じて1点しか取れなかったが、2試合ともに十分見応えのあるゲームだった。