いよいよ首位フロンターレとの対戦がやってきた。今季唯一フロンターレに勝利しているのがグランパス。前回同様にフロンターレの連勝を10で止めるべく、今度はアウェイの地に乗り込んだ。グランパスの布陣は4-2-3-1。前節のコンサドーレ戦からワントップの山崎を金崎に代えた以外は、先発メンバーは変わらない。しかし残念ながら前節コンサドーレ戦でシャビエルがケガ。相馬も骨折して、これで吉田とともに3人が離脱。交代選手の薄さは如何ともし難い。一方、フロンターレも小林がサンフレッチェ戦の肉離れで離脱した。布陣は4-3-3。レアンドロ・ダミアンをトップに、家長と三苫が左右に開く。中盤は守田をアンカーに、右IH田中碧、左IHに中村憲剛。DFは右から右SB山根、CBジェジエウ、CB谷口、左SB登里。GKはチョンソンリョンが守る。
序盤からフロンターレが積極的に攻める。3分、左WG三苫のドリブルからクロスに右IH田中碧がミドルシュート。8分、左SB登里のクロスからCFレアンドロ・ダミアンがヘディングシュート。12分には中村憲剛のCKにCBジェジエウがヘディングシュート。わずかにポスト右に外す。それでもこの時間帯を守り切ったグランパスはその後、少しずつ押し返していく。13分、左SHマテウスのクロスをCF金崎が落とし、CH守田がクリアしたボールを右SH前田がミドルシュート。しかしポスト左に外れた。
その後はグランパスがパスを回して、攻める時間が多くなっていく。29分には左SHマテウスのCKからフロンターレのゴール前での攻防。金崎が2回ほどシュートを放つが、いずれもDFがブロックする。フロンターレの守備は堅い。30分には左SHマテウスがミドルシュート。フロンターレも34分、右SB山根がミドルシュートを放つ。すると今度はフロンターレ・ペース。37分から38分にかけてフロンターレが長々とパスをつなぐと、最後は右IH田中がミドルシュート。ポスト左に外れた。
41分には右SB山根がドリブルで持ち上がり、そのままミドルシュート。GKランゲラックが横っ飛びナイスセーブで弾き出す。そして43分、5本目のCKはこれまでの中村憲剛に代わり、右IH田中碧が蹴る。するとニアでCB谷口がフリック。左WG三苫が合わせて蹴り込んだ。ゴール。フロンターレが前半終了間際に先制点を挙げた。前半はこのまま折り返す。
後半も厳しい球際の攻防が続く。5分、中村健剛のCKにCB谷口がヘディングシュート。だがファーに外れる。グランパスも6分、左SHマテウスがミドルシュートを放つが、枠の外。さらに10分、家長からの横パスをCF金崎がカット。そのままドリブルで持ち上がり、右に流してOH阿部がシュート。DFがブロックした。そして12分、左サイドやや深い位置からのFKを中村憲剛が蹴ると、CBジェジエウがヘディングシュート。CB中谷の頭に当たって、そのままゴールに飛び込んだ。記録上はジェジエウのゴールになったが、実質オウンゴール。不運なゴールで追加点を献上した。
その後も14分、右IH田中碧のミドルシュート。16分には左WG三苫の縦パスに左SB登里が駆け上がり、クロスに右WG家長がボレーシュートを放つ。そして19分、CFレアンドロ・ダミアンの落としから左WG三苫がドリブルで仕掛けてシュート。これはCB丸山がブロックした。その直後の20分、グランパスは前田に代えて左SH石田、阿部に代えてFW山崎を投入する。そしてゲーム再開のショートCKから中村憲剛がクロスを入れると、CBジェジエウがヘディングシュート。ダメ押しの3点目を挙げた。
その後はグランパスが必死に攻めていく。21分、左SBオジェソクのクロスのクリアをCH稲垣が縦に入れて、FW山崎がシュート。しかしDFがブロック。27分、CH米本の縦パスに右SHマテウスが抜け出してシュートを放つも、サイドネット。28分には左SBオジェソクのクロスに左SH石田が技巧的なシュートをするも、ポスト右に外れていった。中央を固めるフロンターレのゴールはなかなか破れない。36分にはCH米本に代えてシミッチ。左SBオジェソクに代えて太田宏介を投入する。
40分、右SHマテウスのFKは壁の上から大きく落ちてくるが、わずかにバーの上。41分にはCHシミッチの横パスから右SHマテウスがボレーシュートするが、GKチョンソンリョンがナイスセーブ。ゴールが遠い。フロンターレは42分、左WG三苫に代えて齊藤学、左SB登里に代えて車屋。さらにアディショナルタイム45＋1分には、CFレアンドロ・ダミアンを下げて山村、右WG家長に代えて旗手と、次々と交代選手を投入。守備を固めてそのまま守り切った。3-0。フロンターレが完勝。同一シーズン中の連勝をリーグ新記録の11に伸ばした。
控え選手に限りがある中で、グランパスは最後までよく戦った。だがフロンターレは1枚上。先制点は前4本のCKを蹴ってきた中村から田中碧にキッカーを変えて、ゴールにつなげたし、後半の2点はいずれも中村憲剛のセットプレーからCBジェジエウが決めたもの。流れの中でのゴールが無理ならセットプレーで。そんな引き出しの多さはさすがに首位フロンターレのもの。先制点を取れなかった時点でグランパスの逆転は難しかった、それでも最後までよく健闘したと拍手を送りたい。
もとより首位との勝ち点差は大きい。この結果、5位に落ちたが、3位FC東京との勝ち点差は消化ゲーム数が3試合少なくて、5。4位ガンバとの勝ち点差は3。実質、ガンバとの3位争いかもしれない。フロンターレ戦の3失点後の戦い振りからは選手の意欲は依然衰えていない。この結果に引きずられることなく、次のマリノス戦、そして週末のベガルタ戦と集中して戦い、勝ち点を伸ばしていきたい。疲れはピークだろうが、がんばってほしい。
