とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

お試し外泊で退院後の問題を痛感する。どうなることやら。(その1)

 「ケアマネ契約を交わす。」の続き。

  • 10月19日に記す。

 「お試し外泊」を週末に待つ平日にも、工務店が手すり設置を担当する業者を連れて、壁下地の状況などの現地確認に来たり、申請書類の記入事項の確認や家の平面図を借りに来たりした。前日に洗濯物の受渡しに病院へ行った際には、栄養士から外泊中の食事について説明を受けた。

 そしていよいよお試し外泊の初日。17日(土)の午前9時半に病院へ行く。初めに理学療法士から妻の行動や日常の現状と注意事項について説明を受ける。そして10時に看護師に付き添われ、妻が玄関ロビーに現れた。クルマに乗せ、久しぶりに自宅へ帰る。ガレージから玄関まで、そして上がり框も難なく通り過ぎる。するとすぐに眠いと言ってベッドに横たわる。

 そういうものかと思ったら、すぐに起き上がり、トイレに行く。「便器が汚れている」と言ったと思ったら、次にトイレに行った時には掃除をしていた。また、持ち帰った洗濯物を洗うと言うので、「今朝、洗濯して、干す場所がないから、また明後日にしよう」と言うと、すんなり納得した。娘が昼食のスパゲッティを作ると、ほぼ全部食べ切って、薬を飲み、歯磨きをする。この日は14時にケアマネさん他が集まる予定。まず、福祉用具ショップの担当者が来て、クルマから見本の手すりを下ろし、浴槽やベッド脇に設置した。作業をしている間にも工務店担当者が来て、妻と手すり位置について確認をする。ケアマネさんを中心にバタバタと動き回り、確認終了。「次は来週の退院カンファレンスをよろしく」と言って、みんな帰っていった。

 そして、16時に娘が妻の知人に声をかけ、Zoomで入院以来半年ぶりのご対面。久しぶりに会話を交わした。話を聞いていると、「救急車で運ばれたことや最初の入院のことなどはほとんど覚えていない」と言う。30分位、楽しい時間を過ごした。その後、妻が「トランプをしよう」と言うので、しばし家族でババ抜きや七並べをして遊んだ。ところがいつまで経っても妻がトランプを終わろうとしない。理学療法士も「日中はほとんど一人でトランプをしている」と言っていた。「テレビは見ないんですか?」と聞いたら「あまり見ていない」との返事。どうやらこれも高次脳機能障害のせいのようだ。

 「夕食は何が食べたい?」と聞くと「お寿司。中とろ」と返事。栄養士から「昨日からお寿司が食べたいと言っているけど、6~7貫までにしてください」と聞いていた。家で作るのも大変なので、娘がスーパーへ総菜の寿司パックを買いに行った。そして、18時から夕食。お皿に寿司を取り分けるが、あっという間に食べ終わり、薬を飲み、歯磨きに向かう。「もっとゆっくり食べよう」と言うものの、耳に入らないみたい。そして19時半には入浴。娘が付き添うが、ほぼ一人で身体を洗ったり、手すりを使うことなく、浴槽にも入れたと言う。

 そして20時半に睡眠導入剤を飲む。「もう少し遅くしたら。無理に飲まなくてもいいんだよ」と言うが、21時に就寝する病院のタイムスケジュールを頑固に守ろうとする。その後、私が風呂に行ったが、帰ってきたらベッドで眠っていた。ようやく一人の時間ができた。しばらくサッカーを見ていたが、すぐにこちらも眠くなる。21時半には妻のベッドの隣に敷いた布団に入った。

 ところが、0時前に突然、妻が起き上がる。トイレへ行くが、戻ってベッドに入っても眠れないのか、すぐに起き上がり、またトイレに向かう。そんなことを延々と繰り返していたが、ようやく4時過ぎに気が付くと、妻が深く寝入っていた。やれやれ。そして翌朝、私は6時位に目が覚めた。静かに起きて食堂にしばらく居たら、6時半に妻が起きてきた。「早いねえ」。娘も6時半に起きてきた。さっそく朝食の準備をしてもらう。

  「お試し外泊で退院後の問題を痛感する。どうなることやら。(その2)」へ続く。