とんま天狗は雲の上

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J1第27節 鹿島アントラーズvs.川崎フロンターレ

 前節、コンサドーレに今季2敗目を喫したフロンターレだが、2位ガンバが引分けたことで勝ち点差は13。独走に変わりはない。敗戦から中10日。休養十分で今節のゲームに臨んだ。対するアントラーズは何と、朝になって永戸の新型コロナ感染が判明。濃厚接触者とされた荒木や町田、関川、杉岡らも出場できず、厳しい選手起用を迫られた。

 アントラーズの布陣は4-2-3-1。上田綺世をトップに土居がトップ下。ファンアラートとエヴェラウドが左右のSHに開き、ボランチは三竿とレオシルバ。DFは右SBに小泉、左SBには山本脩斗。CBは犬飼と奈良で組み、GKは沖。DF陣は控え選手がほとんどいない状況だ。対するフロンターレの布陣は4-3-3。レアンドロ・ドミンゲスをトップに、右WG家長、左WGには三苫。中盤は田中碧をアンカーに、右IH脇坂、左IHには中村憲剛が先発する。DFは右にSB山根、左SB登里。CBは谷口とジェジエウ。GKにはチョンソンリョン。ベンチにはケガから復帰した長谷川も控える。

 序盤、フロンターレが攻めていく。3分、FKの流れから、右WG家長のクロスにCB谷口がヘディングシュート。6分には左IH中村憲剛のサイドチェンジから右WG家長の縦パスに右IH脇坂が走り込み、シュート。ポストを叩く。アントラーズは7分、OH土居がミドルシュートを放つが、GKチョンソンリョンが難なくセーブした。パスをつないで隙を窺うフロンターレに対して、カウンター狙いのアントラーズ。16分には自陣での守備からOH土居が大きく右前に蹴り出すと。右SHファンアラートが抜け出して、ドリブルからシュート。だがGKチョンソンリョンがセーブした。そして18分、右SHファンアラートが右サイドから横パス気味のバックパス。だがこれを右IH脇坂に奪われ、そのままドリブル。左サイドを駆け上がる左WG三苫を囮に、そのままミドルシュートを狙う。ゴール。フロンターレが先制点を挙げた。

 しかしその後はアントラーズが必死に反撃する。22分、CB犬飼のクロスにCF上田綺世がヘディングシュート。うまくコースを狙ったシュートはあわやゴールかと思ったが、GKチョンソンリョンがファインセーブする。31分にはCHレオシルバがミドルシュート。33分、OH土居のクロスのこぼれを右SHファンアラートがミドルシュート。DFブロックのこぼれを右SB小泉がミドルシュート。37分には左SHエヴェラウドがFK。さらに39分、エヴァラウドがミドルシュートを放つ。だがフロンターレの守備は堅い。逆に43分、CH田中碧から左に展開。左SB登里のクロスにCFレアンドロ・ダミアンが走り込むが、DFがクリア。続く脇坂のCKに右SB山根がヘディングシュートを放つが、GK沖がナイスセーブ。前半終了間際には右SHファンアラートとCBジェジエウの激しい攻防が見られるなど、先制されてアントラーズに気迫が広がった。これは後半が楽しみだ。

 アントラーズは後半最初にファンアラートを下げて名古を投入。布陣もエヴェラウドをFWに上げて、土居をトップ下に置く4-3-1-2。中盤は三竿をアンカーに、レオシルバと名古がIHで並ぶ。しかし後半序盤はフロンターレがパスをつないで攻めていく。5分、左WG三苫の股抜きドリブルにCB奈良が溜まらずファールをすると、中村憲剛のFKのクリアから登里がミドルシュートを放つ。

 しかしアントラーズも負けてはいない。8分、FW上田綺世がCBジェジエウを抜き去る速さを見せて左サイドをドリブル。クロスにFWエヴェラウドが走り込むが、GKチョンソンリョンがセーブした。11分には右IHレオシルバの縦パスからFWエヴェラウドがミドルシュートを放つ。フロンターレも13分、CFレアンドロ・ダミアンのクロスをGK沖が弾くと、左IH中村憲剛が詰めて、シュートはポストを叩く。GK沖が何とか抑え込む。アントラーズは18分、FWエヴェラウドから左に流し、FW上田のクロスをOH土居がシュート。こぼれ球を右IHレオシルバが拾うと、FWエヴェラウドがミドルシュート。だが枠を捉えられない。

 すると19分、アントラーズは右SB小泉に代えて広瀬。さらにレオシルバを下げて遠藤を投入。遠藤は左IHに入り、名古が右IHに回る。フロンターレも左IH中村憲剛に代えて大島を投入。26分、右SB広瀬のクロスをFWエヴェラウドがヘディングで折り返し、FW上田がヘディングシュート。だが体勢が悪く、枠に入らない。その後もアントラーズが積極的に攻める。すると30分、右SB広瀬のクロスをFWエヴェラウドが勢いをつけてヘディングシュート。一旦はGKチョンソンリョンが弾き返すが、こぼれ球をエヴァラウドがシュート。アントラーズが同点に追い付いた。

 すると33分、フロンターレは右IH脇坂に代えて下田、左WG三苫に代えて長谷川を投入する。攻めるフロンターレアントラーズは36分、FW上田に代えて伊藤翔を投入する。42分、CB犬飼のクロスにFWエヴェラウドがボレーシュート。すると43分、フロンターレは家長に代えて齋藤学。さらにCFレアンドロ・ドミンゲスを下げて山村を投入する。45+1分にはCH三竿のサンドチェンジから右IH遠藤がクロス。左SB山本脩斗がヘディングシュートを叩きつけるが、バウンドしたボールがバーを越えた。そして45+3分、CH下田に対してCH三竿が足裏を見せたタックル。これが一発レッドとなって三竿は退場となる。そしてタイムアップ。1-1のドローで終わった。

 しかし、先制された後のアントラーズの気迫はすごかった。ミスから失点したファンアラートがジェジエウと喧嘩腰のデュエルを闘えば、エヴェラウドがまっすぐにゴールを狙う。上田綺世の技術や速さも素晴らしかったし、三竿やレオシルバといった中盤の職人がゲームを締める。後半投入の名古もよく戦っていた。もちろんそれに対応したフロンターレも素晴らしい。今節、2位ガンバが敗戦し、勝ち点差は14と開いた。残りゲームは7試合。2勝すれば優勝となる。それよりも天皇杯ACL出場を競う2位3位争いがすごいことになっている。6位アントラーズも3位との勝ち点差はわずか1。最終盤、どのチームも負けられないゲームが続く。