とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

天皇杯準決勝 川崎フロンターレvs.ブラウブリッツ秋田

 J3優勝決定まで無敗を続けたブラウブリッツ。いったいどんなサッカーをしてきたのか。もっとも優勝決定後は3敗2分とペースダウンしたし、J1王者のフロンターレ相手にいつものサッカーを見せること難しいだろうとは予想していたが、それでもブラウブリッツの奮闘には期待した。果たしてこれがブラウブリッツのサッカーだったのか。J2に上がった来季になって初めてわかることなのかもしれない。

 フロンターレはいつもの4-3-3。登里が負傷し、代わりに旗手が左SBで出場した他は、DFとGKはいつものメンバー。FWはレアンドロ・ドミンゲスをトップに、家長と三苫がワイドに張る。中盤は守田を参加―に、大島と田中碧のIH。中村憲剛や小林はベンチからスタートする。一方、ブラウブリッツはきれいな4-4-2。中村亮太と井上の2トップに、右SH沖野、左SH茂、CHに江口と山田。DFは右から右SB鈴木、CB千田、CB加賀、左SB輪笠。GKは田中雄大。かつてジュビロ等でプレーした加賀の顔が懐かしい。他は知らない選手ばかりだ。

 序盤、ブラウブリッツが高い位置からプレスをかけていく場面もあったが、すぐにフロンターレがパスを回し、ブラウブリッツが守る展開になっていく。8分、CH守田のミドルシュートはGK田中がナイスセーブ。17分にもCH守田のミドルシュート。29分には右IH大島がミドルシュート。きれいに4-4-2のブロックを作って守り固めるブラウブリッツに対して、フロンターレはなかなかゴール前まで入っていけない。

 それでも30分を過ぎると、次第にフロンターレが押し込み、ブラウブリッツが防戦一方の状況になっていく。31分、右IH大島のアーリークロスにCFレアンドロ・ダミアンがヘディングシュート。34分、右WG家長のパスから右IH大島が縦に入れると、家長が走り込んでボレーシュート。36分には左IH田中碧のCKのクリアを右SB山根がミドルシュートする。そして39分、PA手前のパス回しから、右WG家長が縦に入れると、CFレアンドロ・ダミアンが落とし、右IH大島が左縦へパス。左WG三苫が走り込んでシュート。セットプレーのようなきれいな崩しからついにフロンターレが先制点を挙げた。

 フロンターレは42分にも、右WG家長のパスから左WG三苫がスルーパス。家長が走り込み、クロスにCFレアンドロ・ダミアンがシュート。これはDFにブロックされたが、こうしたオートマティックな動きは普段の練習の中でも繰り返しやっているのだろう。45分、左IH田中碧のミドルシュートは右ポストをヒット。追加点がならず。前半は1-0で折り返した。

 後半もフロンターレがパスを回し、ブラウブリッツがブロックを作って守備を固める展開が続く。それでも9分、押し込まれた状況の中から右SB鈴木が前線へ大きくフィード。これにFW井上が走り込み、あわやGKと一対一。後ろから追いかけたCB谷口がタックルしたが、その足に当たったのか、井上が先にシュートしたのか不明だが、ゴールへ向かって飛んだこのゲーム唯一のシュートはGKチョンソンリョンがセーブした。

 ブラウブリッツは14分、FW井上を下げて北脇を投入。17分、左IH田中碧の縦パスを受けたCFレアンドロ・ダミアンがDFを背負って反転シュート。21分、中村亮太と山田を下げて、FW田中直基と左SB鎌田を投入。輪笠がボランチに移る。フロンターレも22分、レアンドロ・ダミアンに代えてCF小林、旗手に代えて左SB車屋を投入する。28分、右IH大島の縦パスをつないだ右IH家長のパスをCF小林がシュート。GK田中雄大がナイスセーブ。続くショートCKから右IH大島がミドルシュートを放つが、枠を外した。

 1点差のまま、終盤になっていく。するとブラウブリッツは31分、一発ゴールを狙って両SHを交代。右SHに久富、左SHに青島を投入。俊足俊敏な両選手が攻撃を仕掛けていく。フロンターレは38分、右IH大島がCF小林とのワンツーでPA内に侵入を図るが、後ろからCH輪笠が大島の足を蹴ってしまう。PA手前でのFK。これを左IH田中碧が直接決めて、フロンターレが追加点を挙げた。41分には右IH大島に代えて中村憲剛が登場。ホーム等々力での最後の出場。ゲームはこのままタイムアップとなり、フロンターレが順当に決勝進出を決めた。

 決勝の相手はガンバ。これも予定どおり。会場は今年と同様、新国立競技場だ。このゲームの後、ガンバ対ヴォルティスも少しだけ見たが、やはりフロンターレの攻撃力は圧倒的だ。元旦の決勝は中村憲剛の引退を飾るゲームになるのだろうか。もしガンバが優勝するようなことになれば相当なブーイングがあるのではないか。ツネ様にはヒール役は似合わない。それとも宮本恒靖中村憲剛という東西の新たなスター指導者対決の幕開けを告げるゲームとなるだろうか。来年も天皇杯で年が明ける。今から楽しみにしよう。