とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

天皇杯決勝 川崎フロンターレvs.ガンバ大阪

 今年の天皇杯はコロナ禍でJリーグ勢は途中からの出場。決勝戦は準決勝から出場となったJリーグ王者のフロンターレ対2位ガンバの対戦となった。フロンターレは初めての天皇杯を狙う。一方、ガンバは勝てば6回目の天皇杯。だがリーグ戦を圧倒的な戦績で優勝したフロンターレ。11月の対戦では5-0とフロンターレが圧勝した。加えて、中村憲剛ラストゲームでもある。実力に加えて、モチベーションははるかにフロンターレの方が高い。

 フロンターレの布陣はいつもの4-3-3。左SBに旗手を起用し、準決勝ブラウブリッツ戦と全く同じ先発だ。一方、ガンバはパトリックをトップに、右FW倉田、左FWに宇佐美。ボランチは山本悠樹と矢島で組み、右WBに小野瀬、左WBは藤春。CBは右から高尾、三浦、キムヨングォン。GKは東口。三浦と小野瀬以外は11月のフロンターレ戦と同じメンバーだ。ただし布陣は3-4-3。いや、両WBが下がって、実質5-4-1という感じだ。

 序盤からフロンターレが圧倒的に攻めていく。右SB山根の縦パスを右IH田中碧が落とし、CH守田のスルーパスに田中が抜け出してシュート。ガンバも6分、左サイド深い位置からの宇佐美のFKにCFパトリックが飛び出し、ヘディングシュートでネットを揺らすが、これはオフサイド。後はずっと自陣に籠って守る。

 15分、右IH田中の縦パスを左IH大島がヒールでフリックすると、CFレアンドロ・ダミアンが切り返してシュート。16分にはCBキムヨングォンの横パスを左WG三苫がカット。左IH大島とのワンツーから三苫ミドルシュートを放つ。22分、CBジェジエウのFKにCFレアンドロ・ダミアンがヘディングシュート。直後にはCH守田の縦パスを頭でトラップしたレアンドロ・ダミアンがそのままオーバーヘッドでゴールを狙う。26分、右WG家長がドリブルで中に入っていくと、落としをCH守田がつなぎ、右IH田中碧とのワンツーで切れ込み、クロスに家長がヘディングシュート。

 ようやくガンバは28分、右WB小野瀬のクロスにCFパトリックがヘディングシュート。ガンバは遠目からシュートを放つことしかできない。30分、右SB山根がドリブルで仕掛け、クロスにCFレアンドロ・ダミアンがシュート。だがGK東口がナイスキャッチ。43分、左WG三苫がドリブルで仕掛けて、ミドルシュートを放つが、これもGK東口がキャッチする。前半はこのままスコアレスで折り返した。

 後半もフロンターレが攻めて、ガンバが守る形は変わらない。3分、左IH大島のミドルシュートはDFに当たってバーを叩く。宮本監督の指示のとおり、このまま粘り強く守り切れるのか。しかし10分、CH山本悠樹のパスを左IH大島が引っ掛けると、CFレアンドロ・ダミアンの縦パスに左WG三苫が抜け出す。そしてシュート。ついにフロンターレが先制点を挙げた。13分には右IH田中碧のFKにCB谷口がヘディングシュート。だがGK東口がビッグセーブで弾き出す。14分、左WG三苫のパスから右IH田中がミドルシュート。18分には右WG家長の落としから左SB旗手がミドルシュートを放つ。先制点後も攻め続けるフロンターレ

 するとようやくこの時間あたりからガンバが布陣を4-4-2に変える。宇佐美をFWに上げて、倉田が左SHに回る。さらに29分にはCH山本を下げてFWに渡邉千真、左SB藤春に代えて福田を投入。倉田をボランチに下げる。だがフロンターレの攻撃は変わらない。31分、左IH三苫のサイドチェンジから右WG家長がミドルシュート。これはGK東口がファインセーブ。33分、左SB旗手のフィードに左WG三苫が走り込み、左IH大島がつないで、家長がミドルシュートを放つ。

 34分、フロンターレは左WG三苫に代えて長谷川、CFレアンドロ・ダミアンを下げて小林を投入。一方、ガンバも35分、右SH小野瀬を塚元に替えた。するとようやくガンバが攻め始める。37分、CH倉田の縦パスに走り込んだ左SB福田がクロス。FWパトリックがヘディングシュートを放つ。GKチョンソンリョンがセーブ。40分には左SH宇佐美から左に流して左SB福田がミドルシュート。DFがブロックしたこぼれ球に左SH宇佐美がミドルシュートを放つ。だがこれもGKチョンソンリョンがナイスセーブした。

 フロンターレは直後、左SB旗手に代えて車屋。44分には左IH大島に代えて脇坂を投入する。差はわずか1点。ガンバがゴールを挙げれば同点に追い付く状況。中村健剛は延長戦に備えて温存し、まずは動ける選手を使って守りを固める。45分、右SH塚元の縦パスに左SH宇佐美が走り込み、クロス。GKチョンソンリョンが触ってファーに流れたところを左SB福田がシュート。だが抑えきれない。ふかしてしまった。結局最後までゴールならず。1-0。フロンターレが勝利し、初めての天皇杯を手に入れた。

 今季のフロンターレの戦績を見れば当然の結果。だがやはりフロンターレは強かった。中村憲剛のラストシーズンをJリーグ天皇杯の2冠で締めくくり、J2から始まり、長い間シルバーコレクターと言われた中村健剛を見事に送り出した。コロナ禍の関係でルヴァン杯が4日になったが、これで今季のサッカー・シーズンは終わる。中村憲剛が引退した後の今年のフロンターレはどうなるのだろう。もちろんその差は簡単に埋まりそうもない。今年もフロンターレが独走するのか、それとも他のチームが競り合うか。フロンターレが強すぎた後の今年のサッカーシーンも楽しみだ。まずは4日のルヴァン杯ですべての日程は終わる。