とんま天狗は雲の上

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緊急事態宣言と叫んでも、新型コロナウイルスに聞く耳はない

 ようやく首都圏の4都県に緊急事態宣言が出されることになった。年末前から、Yahoo!の「みんなの意見」でも「緊急事態宣言は必要だと思いますか」といった質問が出ていたが、正直、「緊急事態宣言って何?」という思いが拭い切れなかった。昨年春先の緊急事態宣言でも、結局、パチンコ店や飲食店等に対して営業自粛や営業時間の短縮が要請されたに過ぎず、「宣言した」というメッセージ効果以外の具体的で効果的な対策がみえてこない。

 現時点で報道されている限りでは、自粛要請に加えて、飲食店を使用制限の対象とする法令改正を「検討」するとともに、協力金の拡充などを「検討」とされている。ちなみに、要請に従わなかった飲食店の名称等を公開するようだが、それって20時以降も営業している飲食店を「紹介」することにならないか? そもそも飲食店が悪いのではなく、飲食店で騒ぐ客が悪いのだから、営業時間を制限すればよいというものではない。20時まで働いていた人はどこで食事をすればいいのか。

 いずれにせよ、「緊急事態宣言」と言ったところで今の日本の現状では大した対策が取れるわけではない。それよりも、医療施設や医療従事者に対する支援や、検疫体制の強化、PCR検査の拡充など、実施可能な具体的な方策があるはずだが、それらについては真剣に「検討」する気配もない。結局、この間の報道も、「緊急事態宣言発出を迫る小池都知事」vs「後手後手に回る菅総理」という政治ショーの一コマに成り下がっている。「緊急事態宣言」自体にどれほどの効果があるというのか。

 「新型コロナウイルスに年末年始はない」とは小池都知事も言っていた言葉だが、「緊急事態宣言と叫んでも、新型コロナウイルス聞く耳はない」。春の緊急事態宣言はGWの前に発出されたので、連休中は外出せずに自宅に籠った人が多くいて、それで効果を発揮したが、今回は既に年末年始の休みも終わり、今さら出社をしないわけにもいかない。新年会や名刺交換会などは自粛されたので多少の効果はあるだろうが、春ほどではないだろう。

 加えて寒さはこれからさらに厳しくなる。たぶん緊急事態宣言が発出されても、感染は引き続き拡大していくのではないだろうか。たぶん春先まで。それまで私はじっと自宅に籠り、会社に籠り、感染しないよう幸運を祈ろう。緊急事態宣言には何の期待もできないが、「ただただマスクをして自宅に籠り、感染の拡大を傍観しているばかりの期間の始まり」を告げるということでは意味があるかも。そして春になったら、新しい日本が生まれるといいな。生きて第三波が乗り切れることを祈りたい。