とんま天狗は雲の上

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高校女子サッカー決勝 作陽vs.藤枝順心

 昨年は神村学園を相手に、クロス性のシュートが直接ゴールに入って、1-0で勝利し、優勝を飾った藤枝順心。連覇を狙う今年はここまで無失点で勝ち上がってきた。一方の作陽は3年ぶりの決勝進出。3年前には同じ藤枝順心と決勝で戦い、0-2で敗戦し、藤枝順心に優勝を許している。その雪辱を果たす試合。だが実力的には圧倒的に藤枝順心の方が上。池田浩子監督の熱い指導がチームの支えだ。

 作陽の布陣は4-4-2。井手段と兼島の2トップ。右SBに井原、左SHに中野。ボランチは伊勢と江崎。DFは右にSBに本多、左SBに岡本。CBは森と梶原で組み、GKは阿部。藤枝順心も同じく4-4-2。齊藤桃花と木許の2トップに、右SHに窓岩、左SHは齋藤花菜。ボランチは浅田と柳瀬だが、柳瀬は攻守にピッチ広く動き回る。DFは右SBに宮本、左SBは堀。CBに堀内と井手。GKは山本が守る。

 序盤はお互い互角に攻め合う。18分、左SH齋藤花菜のクロスをFW齊藤桃花が落とし、CH柳瀬がミドルシュート。作陽も20分、左SH中野のクロスのクリアを右SB本多がミドルシュート。続く中野のCKにCB森が飛び込むが、わずかに届かない。しかしその後は次第に藤枝順心のペースになっていく。25分、FW木許のポストプレーから落としをCH浅田がミドルシュートを放つと、28分にはCB堀内のCKに左SH齋藤花菜がヘディングシュート。右SB本多がヘディングでブロックしたボールはバーに当たってはね返った。

 さらに30分、右SB宮本が中盤でボールを奪い、そのままドリブルで上がると、CH柳瀬とのワンツーでさらに抜け出し、シュート。わずかに左に外す。32分にはCB堀内のCKが直接バーを叩くと、さらにこぼれ球をCB井手がシュート。これもバーに嫌われる。ゴールが遠い藤枝順心。押され気味の作陽は36分、左SH中野が思い切ったミドルシュートアディショナルタイムにもCH江崎のスルーパスに左SH中野が抜け出すが、GK山本が飛び出し、セーブした。前半はスコアレスで終わる。

 前半だけで3度のバー。どうしてもゴールが遠い藤枝順心は後半最初にFW齊藤桃花を下げ、左SHに高尾を投入。齋藤花菜をFWに上げる。すると2分、ショートCKからCB堀内がクロスを入れると、右SH窓岩がヘディングシュート。ついに藤枝順心が先制点を挙げた。さらに4分にはCB堀内のCKのクリアをCH柳瀬が拾って、ドリブルからミドルシュートを放つ。GK阿部がはね返すと、右SH窓岩が詰めてシュート。これはサイドネットに外した。

 すると作陽は左SH中野を下げて大西を投入。さらに本多を左SBに回し、井原を右SBに下げ、岡本をアンカーに置く4-3-3の布陣に変更する。しかし7分、右SB宮本のフィードを左SH高尾がフリック。これを右SB井原がカットして縦に入れるが、FW齋藤が引っ掛けて抜け出すと、飛び出すGK阿部の上を抜くループシュートを決めて、藤枝順心が追加点を挙げた。さらに10分には左SH高尾がミドルシュート。DFブロックのこぼれ球をFW齋藤花菜がシュート。今度はGK阿部がブロック。さらにFW木許がシュート。DFがブロックする。藤枝順心、怒涛の攻撃を作陽が必死に身体を張る。

 しかし18分、左サイドでボールを受けたSH高尾が切り返して右SB井原をかわすと、豪快なミドルシュート。ダメ押しの3点目を挙げた。見事なシュート。作陽は直後に右SB井原を下げて梶山を投入。その後は左SBに代わった本多が積極的にドリブルで仕掛けていく。28分、PA近くまでドリブルで上がってミドルシュートを放つ。40分には右SB梶山の縦パスを受けたFW井手段が強烈なミドルシュート。だがこれも左ポストを叩き、弾かれた。惜しい。41分には後半投入した左WGの大西を下げてCBに阪口を投入。CBだった森を左WGに上げるとともに、兼島を左SBに下げて、好調の本多を右WGへ。最後まで積極的に攻める姿勢を見せる。一方、藤枝順心も43分からアディショナルタイムにかけて4人の選手を交代。時間も巧みに使って、そのまま逃げ切った。3-0。藤枝順心が連覇を飾った。

 やはり藤枝順心は強かった。前半の再三の逸機に作陽が後半、ひょっとするかと思ったが、やはり実力差はかなりあった。今年はコロナ禍で、多くの高校で練習が十分にできなかった影響があったかもしれない。それを言ったら、藤枝順心も同じだが、今年は例年に比べ、全体的にややミスが多く、レベルが低かったような気もする。柳瀬はWEリーグに参戦という紹介があったが、来季の所属はもう決まっているのだろうか。コロナの感染拡大で彼女らの進路もなかなか難しい状況かとは思うが、このまま伸びていってほしい。来年も楽しい決勝戦が見られることを期待したい。