とんま天狗は雲の上

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どうして国はこれほどまでにマイナンバーカードを作らせようとするのだろうか?

 昨日の朝刊1面に「マイナンバーカード交付申請書が順次送付されます」と書かれた内閣府総務省の広告が掲載されていてビックリした。交付率が低いのは知っていたが、一方的に交付申請書を送付するなんて! 「QRコードを使ってスマホでカンタン・無料で申請ができます」とあるが、そんな通知が届いたら、思わずスマホで申請してしまいそうだ。

 それにしても、国は国民にマイナンバーカードを頻りに作らせようとするが、どうしてなんだろう? HPを見ると、「マイナポイントがもらえる」とか「健康保険証として使える」とか、「マイナンバーカードを作ればいろいろお得で便利になりますよ」という類のことが書かれている。でも、マイナポイントもいらないし、今の健康保険証が使用できるなら、マイナンバーカードを健康保険証として使えるということに特段メリットは感じない。

 逆に、私のようにたびたび財布などを無くしてしまう人間にとっては、一つのカードで色々使えることの不安の方が大きい。それも個人情報の紛失というようなレベルの問題ではなく、単に失くした場合に困ることはないか、ということだ。

 マイナンバーカードを紛失した場合の手続きはどうなるのか? すぐに再発行してもらえるのか? 再発行されるまでの間に医療機関を受診したい場合はどうなるのか? 運転免許証としても使えるという話も出ているが、紛失した場合にはクルマの運転はどうなるのか? 有効期限が過ぎて手続きを忘れた場合、医療機関の受診や自動車の運転はどうなるのか? これまでの健康保険証や運転免許証も有効だというのなら、紛失リスクを高めることにどういうメリットがあるというのか?

 国には、マイナンバーカードを作った場合のお得ポイントを列記するのではなく、「マイナンバーカードがなかった時には不都合だったことがマイナンバーカードを作成することで解消されますよ」という類の利点を挙げてほしい。より便利になる必要はない。不便を解消してほしい。たとえば、マイナンバーカードを持てば、「運転免許証の更新が不要になる」というのならドッと申請者は増えるだろう。

 国は既に国民全員に強制的かつ一方的にマイナンバーを付けた。それで一定程度、目的は果たせたのではないか。さらに多くの国民にカードを持たせる意味はどこにあるのか? 通知カードなんて面倒なことをせずに、最初から全員にマイナンバーカードを発行すればよかったではないか。もちろん通知カードも紛失が怖いので、そのまま重要書類等を保管してある引き出しの中に仕舞い込んだが、マイナンバーカードを作成したとしても同じことだ。どうせ引き出しに仕舞い込まれるだけなら、まだ通知カードのままの方が安全ではないか。

 今回の一方的な申請書の送付で、あわてて申請をしてしても、マイナンバーカードが書留等で送られてくるわけではなく、市役所に受け取りに行かなくてはいけない。きっと申請はしたけど、受け取りに行かないという人も多いだろう。市役所の職員にとってはただでさえコロナ禍で大変なのに、また余計な仕事が発生する。コロナ禍が一段落するまで、マイナンバーカードの作成は無理に進めなくてもいいのではないか。そもそも何のためにマイナンバーカードを作らせようとするのか、その意味がわからない。まさかマイナンバーカードを作成した者だけに10万円の特別定額給付金を再給付するつもりじゃないだろうな。