とんま天狗は雲の上

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新型コロナワクチンの効果持続期間などいくつかの疑問

 新型コロナについては、ワクチン接種がいつ始まるかが今一番ホットな話題となっている。「2月には医療従事者から接種が始まり、その後、基礎疾患のある高齢者等を優先に、5月には一般の人への接種も始まる」という報道があったと思ったら、河野行革担当相が「デタラメだぞ」とツイッターで発信し、欧米からのワクチン納入が遅れるという報道もあって、実際にワクチン接種がいつになるかは、わからない状況となっている。

 一方で、各自治体ではワクチン接種に係る担当部署が新設されたり、マイナス70度で保存する冷凍庫の製造も急ピッチで進められるなど、ワクチン接種に向けた体制整備は着々と進められている。ワクチンに対して期待していいものか、期待せずにいた方がいいのか、迷う状況。まさかPCR検査等の実施や入院体制等の不備から国民の目を逸らすためのワクチン騒動というわけではなかろうが、それにしてもお粗末の一言に尽きる。

 ところで、それほどの期待を集めているワクチンだが、所定の1回乃至2回接種すると、いったいどれほどの期間、その効力が持続するのだろうか。厚労省「新型コロナワクチンのQ&A」では、「臨床試験や接種が始まってから時間があまり経過していないことから、効果の持続期間については明らかになっていません」と書かれている。BCGなどの予防接種ではほぼ半永久的に効果があると言われるが、一方、インフルエンザはせいぜい3~4ヶ月程度と言われている。今の進捗状況では、国民全員の接種が終わるまで、1年近くかかるのではないか。新型コロナは何となくインフルエンザの仲間のような気がするけど、そうだとすれば、全員の接種が終わった頃には「再度、ワクチンを接種してください」ということになって、こうして年がら年中、新型コロナワクチンを打ち続けるなんてことにはならないのだろうか。これって、製薬会社の思うツボかも。

 厚労省のHPには、集団免疫のことも書かれているが、新型コロナワクチンについては「集団免疫の効果があるかどうかは分かっておらず、分かるまでには、時間を要する」と記述されている。たとえ効果持続期間が短くても、その間に一定の規模と密度でワクチン接種が行われれば、集団免疫による感染抑止を期待することもできるだろう。だが、今の日本の状況では、国民全員の接種が終わるまで、1年近くかかりそうだし、拒否をする人のことも考えると、集団免疫を期待していいかどうかもわからない。

 もう一つ疑問なのが、果たして一度感染した人がワクチンを接種して大丈夫かということ。一度感染した人には既に抗体ができているとすれば、ワクチンの総量が限られている状況では、一度陽性となった人は除外してワクチン接種を進めるべきではないかとも思うが、日本のようにPCR検査が積極的に行われず、無症状感染者も相当数いると思われる状況の中では、無駄なワクチン接種が進められたり、そのことによる二次被害の発生も懸念される。その点もよくわからない。自分が既に感染し、抗体を持っているということは十分考えられる。

 そうは言っても、今年の夏前には、市役所からワクチン接種のお知らせが届くのだろう。それまでに上記のような疑問はある程度明らかになっているだろうか。知らせが届いた時、喜んで接種会場に向かうか、それとも拒否するか。たぶん相当に逡巡するような気がする。国にはワクチンへの期待をいたずらに煽るだけでなく、こうした疑問や不安にきちんと答えるように努めてほしい。

 「ワクチンが うれしくもあり こわくもある」(字余りでした)