とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

ネットニュースで操られていることを自覚しよう

 先日読んだ「わかりやすさの罪」の中で、ネットニュースにばかり頼っていると、知らず知らずのうちに情報操作がされ、読みたいニュースばかりが届くようになるという趣旨の記述があった。「まるで偶然」から逃れるために、武田氏は「新聞を読むようにしている」と言う。新聞も購読紙によってその内容には相当に偏りがあるとは思うが、それでも私個人に最適化した記事で構成されているということはない。しかし、Yahoo!Googleなどのネットニュースはやはり相当に最適化がされていると考えるべきだろう。

 最近、Yahoo!ニュースを読みながら、「なんで海外サッカーの記事がこれほど多いのだろう。野球シーズンが終わったからかな」と何気なく思ったのだが、いやそうではない。サッカー関連の記事ばかりを読む私に合わせて、Yahoo!が勝手に選定し、並べているのだ。そう言えば、Yahoo!だけではない。Google Newsもスポーツ系の記事はサッカー中心だし、他には新型コロナや政局に関するニュースが多い。ひょっとしたら、政治関連のニュースも、現政権に批判的な内容のものが選別されて掲示されているのだろうか。どこまで個人の閲覧状況を取得分析し、最適化しているのか、不安になる。プレーンなニュースってどうすれば見られるのだろう?

 さすがに新聞社のサイトに掲載されている記事は、閲覧者に対してそれほど最適化されているとは思わないけど、どうだろうか。「LITERA」が相当に偏向(という言葉は適当ではないかもしれないが、政府批判的なスタンス)していることは承知の上で読んでいるが、「ニューズウィーク」「ハフィントンポスト」「日経ビジネス」なども閲覧者に最適化した情報を掲載しているのだろうか。そうかもしれない。ネット上ならなんでもできる。

 また、官公庁の情報が常にプレーンという訳でもない。全ての情報には既に色が付いている。たとえ事実だけが書かれた記事であっても、何を切り取って書くかで、必ず筆者の意図が反映している。ただでさえ、こうして恣意的な記事が並ぶ中で、さらにニュースサイトでは、あたかも無色透明で何の情報操作もしていないような顔をして、読者に最適化されたニュースが選定され、表示される。怖いことだ。結局、そのことを自覚してニュースを読むしかない。そして疑問に思ったら、他のスタンスの記事も探して読むこと。「わかりやすい」ことほど危ないものはない。武田砂鉄氏の言うとおりだ。そのことを肝に命じたいと改めて思った。