とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

富士ゼロックススーパー杯 川崎フロンターレvs.ガンバ大阪

 いよいよ来週にはJリーグが始まる。コロナ禍の中、今年はどんなリーグになるだろうか。まずは昨季優勝したフロンターレを止めるチームが現れるか。その一番手に挙げられるのは、リーグで2位、天皇杯でも決勝でフロンターレに敗れたガンバ、ということになるのだろう。昨季は天皇杯も含めてフロンターレに3連敗したガンバだったが、今年は違いを見せることができるのか。今季最初のゲームを、興味を持って観戦した。

 フロンターレは昨季と同じ4-3-3。レアンドロ・ダミアンをトップに、右WG家長、左WG三苫。中盤は守田が抜けたアンカーの位置にシミッチが入り、右IH田中碧、左IHに脇坂。ちなみに昨年で引退した中村憲剛はテレビ実況席にいる。DFは右SB山根、左SB旗手、CBは谷口とジェジエウ。GKにチョソンリョン。シミッチ以外はほとんど変わっていない。一方、ガンバも今季は4-3-3の布陣を取ってきた。ワントップはパトリック。右WGに矢島、左WGは若い19歳の川崎。山本悠樹をアンカーに、右IHに井手口、左IH倉田。右SBに小野瀬が入り、左SBは藤春。菅沼と三浦のCBにGKは東口。4-3-3の新布陣がどう機能するかが楽しみだ。

 序盤、ガンバが高い位置からプレスをかけていく。一方、フロンターレは3分、プレスをかいくぐって家長が左サイドを駆け上がると、クロスを収めたCFレアンドロ・ダミアンがオーバーヘッドシュート。DFのはね返りに左WG三苫が走り込んで、シュートを放つ。GK東口がファインセーブ。7分には右WG家長を起点に、右SB山根が駆け上がり、クロスに左WG三苫がシュート。サイドネットにかける。さらに9分、田中碧のCKにCHシミッチがヘディングシュート。GK東口がファインセーブで弾くと、CB谷口がシュート。これはバーの上に外した。

 やはり4-3-3はフロンターレに一日の長。ガンバのシュートはようやく14分、右WG矢島のクロスからCFパトリックがオーバーヘッドシュートを狙うが、GKチョンソンリョンがセーブした。18分、右WG家長がカットインからミドルシュート。27分には右SB山根のクロスに、左WG三苫がヘディングシュート。28分、右WG家長の縦パスに左WG三苫が走り込んで、落としをCFレアンドロ・ダミアンがシュート。そして29分、IH田中碧が左サイドに開いて中へ落すと、そこに走り込んだのは左WG三苫。そのままシュートをゴールに突き刺した。ついにフロンターレが先制点を挙げる。さらに32分、CKの流れから、田中碧が左サイドからクロス。DFが右サイドへクリアするが、これを拾った右SB山根がクロス。ゴール前に残った左WG三苫が合わせて、追加点を挙げた。VARで確認するもオフサイドは認められず。その後はフロンターレのプレスが厳しく、受け身に回ったガンバは耐えるのみ。そのまま前半を終えた。

 後半も序盤はガンバが攻め込むが、フロンターレも3分、右SB山根のクロスにCFレアンドロ・ダミアンがシュート。それでも前半よりは攻撃陣に動きが出たガンバは13分、右SB小野瀬がカットインからミドルシュート。そして15分、右IH井手口から右に流すと、右SB小野瀬のクロスにCFパトリックとDFが競り合い、こぼれ球をCH山本がヘディングで縦へ。これを右WG矢島が受けて反転からシュート。ガンバが1点を返した。

 フロンターレは19分、シミッチと脇坂を下げて、右IH塚川、左IHに橘田を投入。田中碧をアンカーに下げる。しかし22分、左サイドから攻め込んだガンバは、左WG川崎がPA内から左サイドに上がってきた左SB藤春にパス。だがこれが右SB山根の手に当たる。PK。これをCFパトリックが決めて、ガンバが同点に追い付いた。するとその直後、ガンバは矢島と川崎を下げてFWレアンドロペレイラと右SHチアゴ・アウベスを投入。布陣も4-4-2に変更した。

 25分にはGK東口のフィードをFWレアンドロペレイラがヘディングで、さらにFWパトリックもヘディングで落として、右SHチアゴ・アウベスが左SB旗手をかわしてゴールに迫る。GKチョンソンリョンがうまく対応して、ボールを奪い取った。26分にはCH山本の縦パスから左SB藤春がシュート。CBジェジエウの手に当たったが、主審はPKを取らない。続く山本のCKにCB菅沼がニアでヘディングシュートを合わせるが、枠を捉えられなかった。

 すると直後の27分、フロンターレはCFレアンドロ・ダミアンに代えて小林悠、左WG三苫に代えて長谷川を投入。田中碧と塚川のポジションを入れ替えて、田中をアンカーに下げる。28分、左WG長谷川の縦パスに走り込んだ左SB旗手のクロスから、クリアボールをCH田中碧がミドルシュート。枠は捉えられなかった。32分にはCH田中碧の縦パスに抜け出したCF小林悠が反転シュート。GK東口がスーパーセーブ。ガンバも33分、山本悠樹のFKからFWレアンドロペレイラがヘディングシュート。今度はGKチョンソンリョンがビッグセーブ。もっともどちらのシュートもオフサイドの判定だったが。

 36分、ガンバはFWパトリックに代えて一美。フロンターレも38分、右IH家長に代えて新加入の遠野を投入する。その後はお互い一進一退の攻防。だが右IH塚川がCBジェジエウと交錯し、脳震とうの疑いということで、45+1分、車屋と交代する。車屋は左SBに入り、旗手が右IH。ガンバもこのタイミングで倉田を下げて、右SB高尾を投入した。小野瀬が右SHに上がり、チアゴ・アウベスが左SHに回る。直後の田中碧のCKにCB谷口がヘディングシュート。だがこれもGK東口がビッグセーブ。このままPK戦にもつれ込むかと思ったが、アディショナルタイムは塚川の脳震とうもあって、6分と長い。そして45+6分、ガンバが攻め込み、シュートまで至らず、GKチョンソンリョンのゴールキックで再開する。ガンバの選手の帰陣が遅い。大丈夫かなあと思っていたが、CH田中碧からの縦パスを受けた右WG遠野がそのままさらに縦へ。CF小林悠が走り込み、シュート。劇的な勝ち越しゴールを挙げた。そしてタイムアップ。フロンターレ天皇杯に続いてガンバを撃破。今季最初のタイトルを挙げた。

 やはり今季もフロンターレは強かった。新加入選手をしっかり起用しながら、いったんは同点に追い付かれたが、最後は新加入の遠野のパスからベテラン小林悠が決勝ゴールを決める。中村憲剛の引退や守田、齋藤の移籍などもあったが、その不安を全く感じさせない。今季の課題はACLによる過密日程への対応だろうか。それも十分対応できるだけの人材が揃っている。一方、ガンバも新加入のチアゴ・アウベス、レアンドロ・ドミンゲスの強力外国人が怖さを見せつけた。彼らが投入する前の4-3-3の布陣も、フロンターレほどではないが、山本悠樹がアンカーに入ることで、それなりに可能性を感じさせた。この両チームに加えて、今季はグランパスもさらに戦力を充実させている。今季のJ1リーグはこの3チームの争いになるだろうか。来週の開幕が待ち遠しい。