さていよいよグランパスの開幕戦がやってきた。相手は今季5年ぶりにJ1に昇格したアビスパ。昨季3位の実力を示すためにも、ここは大差で勝利と行きたい。アビスパの布陣は4-4-2。セレッソから移籍したブルーノ・メンデスとフアンマの2トップに、右SH山岸、左SH石津。ボランチは前と重廣で組み、右SBはサロモンソン、左SBに志知。グティエレスとグローリのCBにGKは村上が守る。一方、グランパスの布陣は4-2-3-1。山崎がトップに入って、柿谷がトップ下。マテウスと相馬が左右のSHに開き、ボランチは米本と稲垣。右SB成瀬、左SB吉田と昨季と変わらず、CBの丸山、中谷、GKランゲラックも昨季から不動だ。
序盤からグランパスが積極的に攻めていく。そして4分、DFからの縦パスをOH柿谷がポストになって左に落とすと、左SH相馬からのパスを柿谷がDFを背負ってそのままスルー。CH米本が折り返すと、左SH相馬のスルーパスに右サイドまで走ってきたSHマテウスが抜け出し、CBグティエレス、さらにCH重廣を滑らせて、GK村上の股下を抜くシュート。グランパスが幸先よく先制点を挙げた。
その後もグランパスが圧倒的に攻めていく。11分にはショートCKから左SH相馬が抜け出し、シュート。18分、左SB吉田のクロスにCF山崎がシュート。19分にも左SH相馬がカットインから積極的にミドルシュートを狙う。GK村上がナイスセーブ。柿谷はよく中盤まで下がってボールを捌き、ゲームを組み立てる。21分、OH柿谷のドリブルで得たFKをマテウスが狙うが、大きく枠を外した。なかなか追加点が取れないのは嫌な感じだが、ゲーム自体は圧倒的にグランパスが支配している。41分には左SB吉田からのサイドチェンジを右SHマテウスがボレーシュート。しかしうまく当たらず、GK村上がセーブした。アビスパもようやく44分、FWフアンマのポストからFWブルーノ・メンデスがシュートを放つが、ポストの左。これがアビスパ最初のシュート。前半はこのままグランパスの1点リードで折り返す。
後半の初めにアビスパは左SH石津を杉本に交代する。しかしグランパス・ペースは変わらない。4分、OH柿谷の落としに左SH相馬がPA内に走り込み、DFに当たられて倒れる。PKかと思ったら、相馬がシミュレーションでイエローカードをもらってしまった。少し嫌な感じだったが、10分、CH米本から左に展開すると、左SB吉田のクロスをCF山崎がDFと競り合い、収めようとするが収まらず。こぼれたボールをCBグティエレスが左にクリアすると、そこに右SHマテウス。難なくシュートを決めて、グランパスが追加点を挙げた。
アビスパは18分、右SH山岸に代えて金森を投入。しかし25分、後半出場の左SH杉本がCH稲垣と交錯した際に右膝を痛めて、田邊草民との交代を余儀なくされる。グランパスは29分、相馬と成瀬がともに足を痙攣させて、左SH齋藤学、右SB宮原に交代。アビスパは33分、右SBサロモンソンが切り返して齋藤をかわしクロスを入れると、FWブルーノ・メンデスがヘディングシュート。あわやゴールかと思ったが、右ポストに当たった。グランパスは36分、米本と柿谷を下げて、CH木本、右SH前田を投入する。
すると直後の37分、DFからの縦パスをFWブルーノ・メンデスが縦につなぎ、右SH金森がさらに前に仕掛けると、競り合った左SB吉田が蹴ったボールがきれいな弧を描いてGKランゲラックの上を越え、ゴールに吸い込まれた。オウンゴール。アビスパが1点を返した。41分にはFWブルーノ・メンデスをアビスパ生え抜きの城後に代えて、スタジアムは大いに盛り上がる。45分には右SBサロモンソンのクロスにFWフアンマとDFが競って、こぼれ球を左SB志知がシュート。だがCB中谷がナイス・スライディングでブロックする。その後も右SBサロモンソンのクロスなどで攻めるアビスパだったが、グランパスはしっかりパスをつないで時間を使い、そのまま逃げ切った。2-1。最後は少しヒヤヒヤしたが、グランパスが開幕戦初戦を飾った。
選手層を見ても、グランパスが快勝して当たり前の相手。オウンゴールながら1点を献上したのは残念だったが、無事勝利を飾ることができてよかった。柿谷はポストになってよく収め、ゲームを作ったし、相馬とマテウスの両SHも積極的にプレーした。だが、ゴールがマテウスの2点だけだったのは少し物足りない。山崎や柿谷にもゴールを期待したいし、途中出場の齋藤も積極的に攻めてはいたが、逆に守備面では弱さを露呈した。それでもまだベンチにはシャビエルもいるし、阿部は温存した。次節は中2日でガンバ戦。スーパー杯と連敗して、ガンバもさすがにこれ以上負けるわけにはいくまい。これこそ本番。グランパスはどんなメンバーで臨むのか。次のゲームも見逃せない。