とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

国際親善試合 U-24日本vs.U-24アルゼンチン

 前日の日韓戦は緩い試合だった。U-24の相手はアルゼンチン。こちらは南米予選をトップ通過している。日本からは久保や三苫も招集されている。昔あったような物見遊山の来日でないことを願った。日本U-24の布陣は4-2-3-1。田川をトップに、トップ下に久保を置く。右SHには三好。注目の三苫フロンターレの時と同様、左SHで先発した。ボランチは中山と渡辺皓太。DFは右SBに菅原が入り、左SBは旗手。板倉と渡辺剛のCBコンビニ、GKには大迫が入る。対するアルゼンチンも4-2-3-1。長身のガイチをトップに、バルガス・マルティンがトップ下。右SHカルロス・バレンスエラ、左SHウルシ。アスカシバルとコロンバットのダブルボランチに、SBは右にテラフエンテ、左はM.バレンスエラ。CBはコロンボとペレス。GKはオーバーエイジのレデスマが守る。

 序盤からアルゼンチンのプレスが速い。日本は左SH三苫が自陣からドリブル突破を図るが、2回とも途中で止められてしまう。それでも6分、CF田川が下がってボールを奪うと、CH渡辺皓太がドリブルで上がり、右SH三好が右に展開。右SB菅原のクロスにCH渡辺皓太が走り込むが、手前でDFがクリアする。アルゼンチンも8分、右SBテラフエンテの縦パスに走り込んだCFガイチがクロス。右SHカルロス・バレンスエラのシュートはバーを叩いた。

 アルゼンチンの速いプレスに自陣からなかなか抜け出せない日本だったが、10分を過ぎる頃から次第にパスをつなげるようになってきた。17分、OH久保のスルーパスに左SB旗手が抜けてクロス。右SH三好が走り込んだが、精度が悪く、DFにクリアされる。逆に19分には左SHウルシのスルーパスに右サイドからSHカルロス・バレンスエラが走り込み、シュート。バーを叩く。そして21分、OHバルガス・マルティンがドリブルで前進。CB板倉が何とか止めようと喰らいつくが、止めきれず、クロスにCFガイチが高い打点のヘディングシュート。バーに当たったシュートは下に落ちて、GK大迫がクリアしようとするも、そのままゴール内に零れ落ちた。アルゼンチンが先制点を挙げた。

 日本は30分、OH久保の仕掛けで得たFKを久保が直接狙うが、上に吹かす。32分、左SH三苫のパスからCF田川がシュート。だがわずかにバーの上。43分には左SHウルシにミドルシュートを放たれる。CF田川、右SH三好はよく動いて、OH久保も攻めようとするが、アルゼンチンの攻守の切り替えが早く、すぐにプレスを受けてしまう。前半はアルゼンチンの1点リードで折り返した。

 後半もアルゼンチンは高い位置からプレス。これをかいくぐるように日本は長いボールを前線に入れるが、なかなか収まらない。11分、OH久保のパスから、右SH三好がカットインしてミドルシュート。しかし枠を捉えることはできない。17分にはCF久保が直接FKを狙うが、GKレデスマがパンチング。日本はパスを繋ぐものの、なかなか攻撃の糸口を掴めない。18分、アルゼンチンはOHバルガス・マルティンに代えて、ゴンサレス・マルティネスを投入。日本も21分、左SH三苫に代えて相馬、左SB旗手に代えて古賀を投入する。三苫は自慢のドリブルで仕掛ける場面は何度もあったが、結局最後まで封じられ、決定機を作ることはなかった。ベンチに戻った後もかなりショックだった様子。左SB旗手はよく戦ったと思うが、彼を左SBで先発させたのはミスだったのではないか。おかげで三苫が守備に引っ張られたという面もある。CB板倉の負担も大きかったかもしれない。

 交代出場した左SH相馬は認めとは違い、一瞬のギアチェンジとスピードで仕掛ける。25分、左SH相馬がDFをドリブルで抜いて、縦パスを受けたOH久保がクロス。GKレデスマがナイスセーブではね返したが、これをCF田川が拾って、反転からシュート。しかしDFがブロックする。29分には右SH三好のクロスに左SH相馬が走り込むが、手前でDFがクリア。続く相馬のCKにCB渡辺剛がヘディングシュートするも、当たりが薄い。ファーへ外れていった。

 30分、アルゼンチンは右SHカルロス・バレンスエラに代えてロレイセルを投入。日本も33分、CF田川を下げて食野を投入する。35分、CH渡辺皓太の縦パスをCF食野が胸で落として、OH久保がボレーシュート。だがわずかにバーの上を越える。42分、日本は三好に代えて、CF林大地を投入。食野をトップ下、久保を右SHに回す。アルゼンチンも左SHウルシを下げて、ベルナベイを投入。43分、左SH相馬のパスを受けたOH食野が反転してミドルシュートを放つが、これも枠を捉えられない。アディショナルタイムの45+2分には左SH相馬のクロスに右SB菅原が走り込み、ゴール前に戻すが、アルゼンチンDFがクリア。そしてタイムアップ。1-0。アルゼンチンが前半の得点を守って、そのまま逃げ切った。

 アルゼンチンは強かった。何よりプレスは早いし、球際は強く、個人能力も勝っている。連動した攻撃も素晴らしいし、守備も組織的で堅い。対して日本は、三苫のドリブルが通じなかったことが一番のショック。CF田川はよく動いたが、ゴール前ではアルゼンチンDFにしっかり抑え込まれた。久保も自分が攻撃の中心とがんばったが、空回りしていた。右SH三好やCH渡辺皓太、右SB菅原らも積極的なプレーは評価したいが、決定的な仕事まではできなかった。CB板倉は先制点のシーンで相手のバルガス・マルティンを止めきれなかった。唯一、途中出場の相馬のドリブルが意外にアルゼンチンに通じた。再三、チャンスを作りはしたが、最後までゴールには至らない。

 ということで、課題も多く見えた日本。また月曜日には同じアルゼンチンと再戦できる。相手もメンバーを変えてくるかもしれないが、日本はこのゲームを教訓に、どういう先発でどういう戦いを挑むのだろうか。たかが練習試合と思ったが、A代表のゲームよりも面白かった。次のゲームで反省を生かしたプレーが見られるのを期待したい。