とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

W杯アジア2次予選 モンゴルvs.日本

 第1戦を6-0で勝ったモンゴルとの第2戦。その相手に海外組までは必要ないと思ったが、FIFAが設定した国際マッチデイでもあり、この機に海外組と国内組の融合を図るといった意図があったのだろう。あわせて韓国戦もマッチメイクできたのはよかったが、その韓国はソンフンミンらも欠場し、ゲーム自体は緩いものになった。そしてモンゴル戦。どういうメンバーを先発させるかと思ったら、なんと、韓国戦とほぼ同じ、最強メンバーを揃えた。代えたのは両SBのみ。右に松原、左に小川諒也が先発した以外は韓国戦と同じ。

 モンゴルの布陣は守備的な4-1-4-1。ナランボルドをトップに置き、その下に右からガルエルデネ、ガンバヤル、ナルマンダク、ドゥルグンと並べ、アンカーはツェンドアユシュ。DFは右SBダワージャブ、左SBハシュエルネデ、ビルグーンとトゥグルドゥルでCBを組み、GKはムンフエルネデ。日本が何点取れるかが注目だ。

 最初からモンゴルは自陣にブロックを作り、守りの態勢。開始1分、CH遠藤の縦パスに左SB小川が走り込み、クロスに左SH南野がゴール前に詰める。シュートはファーに外れたが、序盤から日本が一方的に攻めていく。それでも最初はなかなかシュートチャンスまでいけず、このまま時間が経つのは嫌だなと思った13分、右SB松原のパスを受けた左SH南野が積極的にミドルシュートを放つ。ゴール左隅に決まり、日本が先制点を挙げた。その後も日本が一方的に攻める。15分、左SB小川の縦パスに走り込んだ左SH南野のクロスを右SH伊東がヘディングシュート。17分、OH鎌田から右サイドへ大きく縦パスを入れると、右SH伊東が走り込んで、そのままシュート。そして23分、CB吉田の縦パスがゴール前に入ると、CF大迫がうまく持ち出して反転からシュート。追加点を挙げた。

 26分には右SB松原の縦パスに走り込んだ右SH伊東のクロスにOH鎌田が合わせてシュート。日本が3点目。さらに33分、右SB松原のパスを受けた右SH伊東がそのままドリブルで持ち込み、戻しのパスをCH守田がミドルシュート。これで4点目。39分には左SH南野のパスを受けた右SH伊東がうまく反転してドリブルで前に運び、外を駆け上がった右SB松原に流すと、クロスがモンゴルの選手に当たってそのままゴールに飛び込んだ。日本5点目。40分には右SH伊東のクロスにOH鎌田がヘディングシュート。44分、同じく右SH伊東のクロスにCF大迫がヘディングシュートするが、これはGKムンフエルデネがファインセーブ。はね返りを再び大迫がシュートするが、GKムンフエルデネが止めた。45+2分には鎌田のCKのクリアをCH守田がミドルシュート。枠を外したが、前半だけで5-0とリードした。

 後半に入ると、モンゴルは3人を選手交代。右SHバルジンニャム、右SBオユンバートル、左SHツェデンバル。ドゥルグンが中に絞る。日本もCH守田を下げて、代わりに左WGに浅野を投入。布陣を4-3-3として、鎌田と南野がIHに並ぶ。最初は南野が右に位置し、鎌田がバランスを取って深い位置を取ることが多かったが、途中で左右を入れ替えた。また両WGは幅広くポジション取りをしたが、途中で大迫が声をかけて、もっと近い位置でプレーするように要求。この布陣を練習でどこまでやったかわからないが、ゲーム途中で修正をしていたところはさすが。だが、そのせいもあって、後半序盤はやや攻撃が停滞する。

 それでも10分、鎌田のCKに左WG浅野がニアでヘディングシュート。バーに当たってはね返りをCB吉田がシュート。続く南野のCKはいったんクリアされたものの、左SB小川からの縦パスを受けた左IH鎌田が余裕を持って中へパス。CF大迫がこの日2点目のシュートを決めて、日本が6-0とさらに突き放す。その後も13分、左IH鎌田の縦パスに左SB小川が走り込み、クロスに右SB松原がミドルシュート。松原は前半まで外側に位置することが多かったが、4-3-3となってマリノスでのプレーと同様、ボランチの横に位置することが増えてきた。モンゴルも17分、中盤からCHツェンドアユシュがFKを入れると、クリアボールを右SHバルジンニャムがミドルシュート。この試合最初のシュートを放つ。

 日本は19分、IH鎌田とCB吉田を下げて、共にグランパスでプレーするCH稲垣とCB中谷を投入。共に代表初招集。布陣は再び4-2-3-1。南野がトップ下に入る。すると直後の19分、左SB小川のクロスを右SH伊東が落とし、CH稲垣がシュート。さっそくミドルシュートを放っていった。そして23分、右SB松原がボランチ的な位置から縦パス。CF大迫の落としをCH稲垣がミドルシュート。きれいにネットに吸い込まれ、代表初ゴールを挙げる。日本は7点目。さらに26分、日本は南野と富安を下げ、左SH古橋とCB畠中を投入。浅野がFWに入って、布陣は4-4-2。これでGKの前川と西川以外、先の日韓戦と併せ、招集されたフィールドプレーヤーは全員出場することになった。

 その後はゴールショー。28分、CH遠藤のパスを受けた左SH古橋がドリブルで進み、ミドルシュートを放つと、バーに当たったはね返りを右SH伊東が押し込む。8点目。33分、右SH伊東のクロスをGKムンフエルデネがパンチングしたが、こぼれ球を左SH古橋がヘディングシュート。9点目。34分には左SBハシュエルデネからボールを奪った右SH伊東がそのままドリブルをしてシュート。10点。ついに二桁に乗せる。さらに41分、FW浅野のスルーパスに左SH古橋が抜け出してシュート。11点目。45+1分、右SB松原の縦パスを受けたFW浅野がシュート。12点目。45+2分、右SB松原のスローインを受けたFW浅野がヒールで落として、FW大迫がシュート。13点目。大迫はハットトリックを達成。さらに45+3分、右SH伊東の戻しをCH稲垣がこの日2点目となるミドルシュートを決めて、14点。終盤はモンゴルも守備が崩壊。日本が思うがままパスをつないでゴールを量産。結局、終わってみれば、14-0。これまでのW杯予選での記録を破る大量得点で勝利した。

 そもそもモンゴル相手にこのメンバーで戦う必要があったのか、という疑問は頭を離れないが、最後まで手を抜かず、戦う姿勢を見せ、ゴールを狙い続けたことは評価したい。逆にケガが心配だったが、モンゴルも最後までフェアなプレーを続けてくれた。コロナ禍で日程が後ろにズレこんでいる影響もあるのだろうが、W杯本番まで残り1年、最終予選も控える中で、こんなゲームをして影響はないかと逆に心配になる。まあ気分よく日本から帰った後は、それぞれ所属チームでの真剣勝負、そしてポジション争いが待っている。改めて気を引き締めて、それぞれの戦いを続けてほしい。そして、稲垣と中谷を暖かく迎えてやりたい。稲垣にとってはいい思い出になった。中谷にはこの経験をきっかけに更なる高みを目指してほしい。記録的なゲームではあった。