とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

J1リーグ第10節 名古屋グランパスvs.サガン鳥栖

 開幕から10試合、依然無敗を続けるグランパス。第10節の相手は第6節まで同様に無敗を続けた好調サガン。その後、セレッソフロンターレ、そして前節はガンバに敗戦し、5位まで順位を落としたが、U-24で好プレーを見せた林を始め、若く元気のいい選手が揃っている。油断のならない相手だ。

 それを考えてか、グランパスの先発には昨季からのメンバーが並ぶ。山崎をトップに、トップ下に阿部。右SH前田、左SHマテウスボランチは稲垣と・・・長澤。DFは右SB宮原、左SB吉田、丸山と中谷のCBにGKランゲラック。移籍組では唯一、長澤が先発し、米本はベンチスタートだ。対するサガンの布陣は4-4-2。林大地と酒井宣福の2トップに、右SH本田、左SH小屋松。ボランチは松岡と樋口で組み、右SB飯野、左SB大畑。CBはエドゥアルドとファンソッコ。GKはパクイルギュ。

 序盤、サガンは2トップが高い位置からプレスをかけてくる。そして6分、左SB大畑の縦パスにFW酒井が抜け出すと、クロスにニアでフリーのFW林がヘディングシュート。CB丸山が寄せるが、その上を越えて右ポストに当たり、ゴールに転がり込んだ。サガンが先制点を挙げる。グランパス、10試合振りの失点だ。グランパスも13分、SH樋口のFKをマテウスがヘディングで返すと、左SB吉田がCH松岡との競り合いに勝って抜け出すと、そのままカウンター。ドリブルで上がり、左SHマテウスがシュートを放つが、枠は外した。

 その後はグランパスがパスを回して攻めていく展開が続くが、サガンの守備が堅い。プレスも厳しく、なかなかシュートチャンスを作れない。逆に39分には左SH小屋松の仕掛けを左SHマテウスが倒して、PA手前でサガンがFKのチャンス。CH樋口が直接狙うが、これは壁に当たった。しかしその後もサガンが攻勢をかける。42分、CH樋口のミドルシュートは枠を外。そして45分、自陣ゴール前でパスをつないだグランパスだったが、CH長澤のトラップが長くなり、そこにFW林がプレス。思わず倒してしまい、PA手前で再びFKを献上する。CH樋口のキックはDFが競り合ってはね返すが、ゴール前でルーズになって、FW酒井がヘディングで送ったボールをCH長澤がクリア。しかしこれが再び酒井の下にこぼれると、ダイレクトでボレーシュート。ネットに突き刺さり、サガンが追加点を挙げた。移籍組で唯一先発した長澤が失点に絡んでしまった。

 後半に入るとグランパスは長澤と阿部を下げて、米本と柿谷を投入する。サガンも右SH本田を仙頭に交代した。2分、左SHマテウスPA内で仕掛けてDFの間を抜け出し倒れるが、PKは取ってもらえない。前半よりはパスが回り始め、攻めるグランパス。だがサガンもFWが積極的だ。7分にはCB中谷がラインを出ようとするボールを見送ろうとしたところをFW酒井が寄せて奪い、FW林がミドルシュート。直後の8分、右サイドを突破した右SH前田がミドルシュートを放つが、枠は捉えられない、ゴール前にCF山崎が入っていたが、クロスにしなかったのは焦りの現れか。

 その直後、グランパスは前田と宮原を下げて、左SH相馬と右SB森下を投入する。22分、OH柿谷のパスにCF山崎がDFを背負いながら、反転シュート。23分、CH米本の縦パスに右SB森下が走り込み、クロスをOH柿谷が治めてシュート。GKパクイルギュが弾き出す。続くマテウスのCKにCH米本がヘディングシュートするが、わずかにポスト左に外した。さらに26分には右SB森下のフィードに右SHマテウスが走り込んでミドルシュートを放つが、CBエドゥアルドがブロックする。

 30分、サガンは小屋松と大畑を下げて、左SH中野嘉大、左SB中野信哉を投入する。31分、左SH中野嘉大のパスからFW酒井がミドルシュート。34分には前線でよく走り、積極的に攻めた林に代えて、山下を投入する。40分、グランパスは右SHマテウスを下げて、木本を投入。どこに入れるのかと思ったが、そのまま右SHでプレー。パワープレーか。この日のマテウスは全体にミスが目立った。だが直後の40分、右SB森下が右サイドを上がると、クロスのこぼれをCH稲垣がミドルシュート。これが決まり、ようやくグランパスが1点を返す。

 サガンが直後の41分、FW酒井を下げて、CB田代を投入。中野嘉大をFWに上げて、5-3-2の布陣にして、守備を固める。その後も攻めるグランパス。43分にはCB丸山が流れから左サイドを上がり、クロス。ゴール前に木本が詰めていたが、合わせることはできなかった。さらに45+6分には右SB森下が仕掛けて、クロスにCH稲垣がミドルシュート。CBエドゥアルドの手に当たったが、身体に付いていたとしてPKは取らず。そしてそのままタイムアップ。追加点は取れなかった。2-1。サガンが勝利。グランパスは今季初黒星を喫した。

 何と言ってもサガンを褒めなくてはいけないだろう。林と酒井のFWはゲームを通してよく走り、CBとCHにプレスをかけ続けた。グランパスが後半投入した左SH相馬も、右SN飯野がスピードで負けず、仕方なく切り返してのプレーを余儀なくされ、有効なクロスを上げることができなかった。エドゥアルドとファンソッコのCBの強さはもちろん。グランパスは長澤の先発起用が裏目に出た感じ。ゴール前で軽いプレーが出て、結局それが決勝点になってしまった。初出場の森下が攻撃面でよく機能していたのが、唯一の救いか。

 フロンターレサンフレッチェ相手に引分けただけに、ここは勝っておきたかった。これで首位との勝ち点差は6。だが次節は1試合多く試合を消化しているフロンターレにゲームがない。ガンバには着実に勝って、少しでも勝ち点差を詰めておきたい。絶対に連敗は許されない。