とんま天狗は雲の上

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J1リーグ第12節 川崎フロンターレvs.名古屋グランパス

 前週29日のゲームに0-4と完敗したグランパス。連戦の2試合目はアウェイで首位フロンターレと戦う。「リスペクトし過ぎた」と選手から反省の弁も聞かれたが、確かに前戦は序盤、腰が引けて、フロンターレの勢いを呼び込んでしまった。今度は最初から100%の気持ちで戦う。そんな共通理解を持った戦いぶりだった。

 フィッカデンティ監督に新型コロナの陽性反応が出て、前戦と同様、コンカ・コーチが指揮を執る。布陣は前戦途中から変更して効果的だった4-3-3。トップに山崎が入り、右WG前田、左WGにマテウス。中盤は米本をアンカーに、右IH稲垣、左IH長澤。DFは右SB成瀬、左SB吉田。CBには丸山と中谷を並べ、GKはランゲラック。前戦、途中出場してゲームを落ち着かせた長澤と成瀬が先発をする。一方のフロンターレ前戦と全く同じ先発メンバーだ。

 今回は最初からグランパスが前への意識高く、プレスをかけて攻めていく。対してフロンターレも厳しく対応。ファールで倒れる選手が多いが、主審は西村さん。そこはうまく裁いてくれるかと期待する。9分、CB丸山のヘディングをCH稲垣がバックヘッドでつないで、左IH長澤がミドルシュート。右に外したが、積極性が出ている。フロンターレも12分、右IH田中碧のCKをCB谷口がフリック。家長がファーに走り込むが、手前で右IH稲垣が気持ちを出してクリアした。

 序盤のグランパスの攻勢を凌ぐと、次第にフロンターレのパスが回り始める。それでもなるべく時間を切って、プレーを止めて、フロンターレ・ペースが続かないようにするグランパス。しかし30分、左サイドからの田中のCKにCBジェジエウがヘディングシュート。フロンターレが先制点を挙げてしまった。田中碧のCKが絶妙。CB丸山の上を越えて急激に落ち、ピタリとジェジエウの頭に収まった。

 それでも必死に戦うグランパス。35分には右SB成瀬のクロスにCF山崎がヘディングシュート。フロンターレも38分、CFレアンドロ・ダミアンミドルシュート。これはバーの上に外したが、セカンドボールを悉くフロンターレが回収し、グランパスが押し込まれる。完全にフロンターレ・ペースだ。それでも44分には左WGマテウスミドルシュート。その直後には左WGマテウスのパスから右IH稲垣がミドルシュートを放つ。GKチョンソンリョンがナイスセーブ。前半はこのままフロンターレの1点リードで折り返した。

 後半も序盤は前からプレスをかけていったグランパス。だが5分、左WG三苫が右SB成瀬を惹きつけて一気にスピードを上げると、抜け出してクロス。ゴール前に右SB山根が入っていた。シュート。フロンターレが早い時間に追加点を挙げた。全体としてパスが繋がらなくても、一人二人の技術力と連携で突破し、ゲームを作ることができる。局面の技術力でフロンターレの方が優る。一方、グランパスはパスを繋ぐが、負けているせいか、最後の積極性に欠ける。序盤で右WG前田がカットインした場面。9分前後、長澤がドリブルで持ち上がった場面。シュートが打てる場面だったが、大事にパスを選択し、チャンスを潰す。

 そして14分、CB丸山の何気ないバックパスがGKランゲラックに合わない。無情にもボールは無人のゴールに転がり込み、オウンゴールフロンターレに3点目を献上してしまった。19分、フロンターレレアンドロ・ダミアンと家長を下げ、CF知念と右WG遠野を投入。IHの旗手と田中碧のポジションも入れ替えた。グランパスは20分、三苫への対応で疲労困憊の右SB成瀬を下げて森下。さらに前田を下げて、左WGに齋藤学を投入する。マテウスが右WGに移った。さらに27分には山崎と長澤を下げて、CF柿谷、OHシャビエルを投入。布陣もいつもの4-2-3-1に戻す。

 すると28分、左WG齋藤が積極的なドリブルで持ち上がると、DFが対応し、こぼれたボールをCH稲垣が繋いで、右SHマテウスがボールをキープしている間に右SB森下がオーバーラップ。森下のクロスにCH稲垣がミドルシュートを決めて、ようやくグランパスが1点を返した。フロンターレは32分、三苫を下げて、右IHに脇坂を投入。旗手を左WGに上げる。その後もグランパスがパスを繋いで攻めていく。そして38分、右サイドで得たFKを右SHマテウスが直接狙う。GKの上を越えて急激に落ちたボールはポストに当たり、そのままゴールに転がり込んだ。グランパスが2点目。あと1点。

 しかしその後は44分、フロンターレが左SB登里に代えて車屋、旗手に代えてCH塚川を投入。シミッチと並べてダブルボランチにし、田中をトップ下、脇坂が右SH、遠野が左SHに入る4-2-3-1にして守りを固める。さらに45分過ぎ以降はCKフラッグ付近で時間稼ぎ。結局そのまま有効な攻めを繰り出すことができず、時間が経過した。3-2。フロンターレが勝利し、連戦を2連勝で飾った。

 結果的に丸山のオウンゴールによる3点目が痛かった。しかしそれもプレスをかけるフロンターレの選手に、余裕なくバックパスを返したため。前半序盤のグランパスの勢いを個人の能力でかわすと、セットプレーで先制し、三苫の突破で追加点と、しっかりと試合を作っていった後のプレー。3点取られ、ようやく開き直って2点を返したグランパスだったが、フロンターレの堅守には届かなかった。2戦合計で7-2。それだけの実力差はあった。だが逆に言えば、今季はもうこれでフロンターレとのゲームはない。残るは3位以下のチームとの対戦のみ。マリノスヴィッセルが勢いを持って追撃してきているが、この連敗で気落ちすることなく、しっかりと迎え撃っていきたい。フロンターレには劣るが、リーグ2位の実力はあるはず。このゲーム後半の自信を持って今後のゲームに臨みたい。気落ちは無用。自信を持って今後も戦っていこう。顔を上げて前を向こう。十分誇らしい戦いだった。