とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

野良猫の夜泣き

 昨夜は22時過ぎに布団に入ったが、なかなか寝付かれなかった。隣のベッドで先に寝た妻の鼾がワオーン、ウオーンと大きく響いて、うるさい。しばらく我慢をしたが、あまりに大きく、眠れないので、起きて妻の顔を覗き込むと、鼾はしていない。私の枕の先、サッシュと雨戸に隔てられた外から聞こえてくる声だった。

 猫だ。それも野良猫。時々、わが家の庭に野良猫がやってきて、花壇の中で気持ちよさそうに蹲っていることがある。少し前に、木酢液を撒いたら、それ以来、庭にはやってこなかったのに。それにしても凄い声だ。ワオーン、ウオーン、ワオーン。

 そういえば、まだ10代の頃、知り合ったばかりの妻から、下宿の窓先の瓦屋根の上で、近所猫が集まって集会を開いていて、うるさいという話を聞いたことがある。集会というほど多くの猫が集まっている感じではないが、2匹が愛を交わしているのかもしれない。それにしてもいつまで経っても止まない。ますます眠れなくなってくる。

 意を決して起き出して、障子を開け、サッシュを蹴ってみた。一向に止む気配がない。そこでサッシュを開け、雨戸を蹴り上げる。ガシャガシャと相当な音が聞こえたが、それでも泣き止まない。すると2階から娘が起きてきた。声が移ったような気がしたので、隣の居間のサッシュを開けて、雨戸を蹴り上げる。まだ泣き声は治まらない。

 そうこうしているうちに、一旦2階へ上がった娘がスマホを手に降りてきた。何をするかと思ったら、サッシュを開けて、雨戸を開け、スマホを外にかざしている。ギャッという声がして、隣のダイニングの前に移っていった。しかしそこでもまだ大きな声で鳴いている。追撃する娘。そしてついに、隣の家との間の小道を通り抜け、外へ出ていったようだ。

 「何をしたの?」と聞くと、「スマホの懐中電灯機能で猫を照らした」と言う。「よくそんな怖いことができたよね」「何が怖いの?」「だって、猫が怒って、飛びかかってくるかもしれないじゃん」「フン」と言って、娘は2階の自分の部屋に上がっていった。結局、お父さんが怖がりの弱虫だということがバレただけだった。

 前日、花壇の雑草を取り、土が掘り起こされたような感じになっていたので、そこが気持ちよく、猫がやってきたのかもしれない。それにしても大きな声だった。23時。ますます眠れなくなるじゃないか。と思ったが、意外にひと騒動あってすっきりしたのか、その後はスコッと眠ることができた。

 翌朝、ウォーキングをしていると、カラスが2匹、大きな声を上げて組み合っていた。そういえば前日に散歩した際も、声を上げながら2匹で空中バトルをするムクドリの姿があった。梅雨の合間の晴れた1日。そういう季節なのかもしれない。