W杯2次予選もようやく最終戦。最後の相手はキルギス。全勝はもちろん、大勝で最終予選に向かいたい。大迫に続いて南野もクラブからの呼び出しで代表を外れた。五輪代表に参加したメンバーもあり、当然、先発は代表当落線上の選手たちとなる。キルギスは2位だが、最終戦で日本と戦う不幸。勝利すれば最終予選進出も可能性もあるが、どこまでやる気を持って臨んだだろうか。キャプテンのCFムルザエフの悲しげな表情が印象的だった。
日本の布陣は4-2-3-1。オナイウ阿道をトップに、原口がトップ下。右SHに坂元が入り、左SHは浅野。ボランチは守田と川辺。DFは右SB山根、左SB小川。CBに昌子と中谷を並べ、GKは川島が入る。一方、キルギスは3-6-1。ワントップにムルザエフが入り、中盤はムサベコフがアンカーで下がって、その前に右WGシュクロフ、OHルスタモフ、左WGアリクロフが並ぶ。WBは右にジュルガルベク・ウール、左にミシェンコ。CBは右からアクマトフ、コズバエフ、ドイショベコフ。GKはマティアシュ。
序盤から日本が攻めるが、キルギスもしっかりブロックを作って守る。8分、CB昌子の縦パスに左SH浅野が抜け出し、ゴール前にクロスを入れるが、CFオナイウに届かない。9分にはCH守田からのサイドチェンジを受けた右SH坂元がクロス性のシュート。GKマティアシュが弾き返した。さらに10分には右SB山根の縦パスをCFオナイウが落とし、OH原口がミドルシュート。12分、左SB小川の縦パスに抜け出した左SH浅野の戻しをCFオナイウがシュート。しかしうまく当たらない。15分にはOH原口のドリブルから、こぼれ球をCFオナイウがミドルシュートを放つが、バーの上に外す。チャンスは次々に掴むものの決め切れない日本。
23分、左SB小川のクロスからOH原口がシュート。こぼれ球をCFオナイウが落として、左SH浅野がシュート。さらに右SH坂元がシュート。さらに24分には右SB山根が右SH坂元とのワンツーから仕掛ける。右サイドは坂元と山根の連携から再三崩していく。26分、CH守田から右に展開。右SB山根のクロスにCFオナイウがヘディングシュート。だが、ポストを叩いてはね返る。ゴールが遠い日本。と思ったら、主審がPKスポットを指している。オナイウのヘディングがCBアクマトフの手に当たっていた。このPKをオナイウが決めて、ようやく日本が先制点を挙げた。
その後も攻め続ける日本。29分には右SH坂元の仕掛けから、クロスに左SB小川がミドルシュート。そして31分、CH川辺が右SH坂元とのワンツーで右サイドを抜け出し、クロスにCFオナイウが飛び込む。シュート。日本が追加点を挙げた。さらに33分には左SB小川のクロスにCFオナイウがヘディングシュート。日本が3点目。そしてオナイウ阿道も3点目、ハットトリックを達成した。オナイウは43分にもミドルシュート。積極的にゴールを狙っていく。
このまま前半を終わるかと思ったら、45＋2分、WGアリクロフが右サイドから仕掛けると、CH守田がスライディング。途中で足をひっこめたが、触ってしまってアリクロフが倒れる。PK。これをCFムルザエフが決めて、キルギスが1点を返す。前半は3-1で折り返した。
後半最初は両チームとも選手交代はなし。序盤こそキルギスが積極的にプレスをかけてきたが、すぐに日本が攻める展開になる。9分には右SH坂元のクロスがゴール前に入るが、左SH浅野が届かない。12分にはCH川辺がボールを失い、キルギスに攻撃を許す。すると16分、日本は守田と原口を下げて、CH橋本とOH古橋を投入。キルギスもOHルスタモフを下げてバトゥルカノフを投入する。18分、左SH浅野がうまい反転で右WBジュルガルベク・ウールを抜いてクロスを入れるが、OH古橋のシュートはポストの右。19分にはショートCKから、古橋のパスにCH川辺がミドルシュート。しかしGKマティアシュがファインセーブ。はね返りを左SH浅野がシュートするも、枠は捉えられない。
23分にはCFオナイウを下げて、左CBに佐々木を投入。3-4-3の布陣変更。浅野をトップに、右WG坂元、左WG古橋。すると27分、右WG坂元の落としを右WG山根がミドルシュート。DFに当たってコースが変わったが、GKマティアシュがファインセーブ。続く坂元のCKにCB佐々木がヘディングシュート。日本が4点目を挙げた。29分には左WG古橋のスルーパスにCF浅野が走り込むが、届かない。すると31分、右WB山根を下げて室屋を投入する。そして32分、CH橋本が中盤でボールを奪うと、右WB室屋の縦パスに左WG古橋が抜け出し、ドリブルから右へパス。CF浅野がシュートを決めた。ゴール。日本が5点目。
しかし37分には、左WG古橋のスルーパスに抜け出したCF浅野がGKと一対一。シュートを打つかと思ったら、中へ折り返し、DFにクリアされる。やれやれ。浅野は45＋2分にもDFのフィードに抜け出してシュートを放つが、GKの正面。続くCKから、左WB小川の戻しを浅野がシュートするが、またも枠を捉えられない。そしてタイムアップ。5-1。日本が予想通り、大量点で勝利。2次予選全勝で最終予選に行くことになった。
しかし、再三、浅野がチャンスを逃したことに加え、前半、左サイドはあまり機能しなかった。左SB小川は連携よりも正確なクロスでゴールを演出。対象的に右サイドは右SH坂元と右SB山根の連携がすばらしい。再三右サイドからチャンスを演出したが、オナイウも最初のうちはシュートミスも多く、なかなかゴールが挙げられなかった。最終的にハットトリックとなったのは良かったが、浅野の出来には不満が残る。浅野も元サンフレッチェ。川辺と佐々木の起用は最終予選でも続けるのだろうか。アジア予選はともかくとして、W杯ではとても通用するようには見えない。でも大勝したからいいか。次は五輪代表の活躍を楽しみにしよう。
