とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

職域接種よりも、大企業にCSR活動としての集団接種実施を促せばいいのに。

 職域接種が始まっている。ワクチン接種が進むことはいいことだが、一方で、「大企業優先だ」「格差だ」という声も聞こえてくる。ANAJALで始められた職域接種のニュースでは、パイロットとCAがワクチン接種をしている映像が流れ、「地上勤務は来週から」のナレーション。CAはいいとして、操縦室に籠って仕事をするパイロットより、接客中心の地上勤務者の方が先ではないのか疑問に思ったが、社内でも格差があるのだろうか。

 今朝の新聞によれば、名古屋の繁華街・栄で飲食店など46店が業界団体を作り、職場接種を計画しているという記事が載っていた。また、各地の商工会議所でも何とか医師を確保して、集団接種の準備を進めている。昨日は貸会議室大手のTKPが医師等を確保して会場も無償提供するというニュースも流れた。でもよく見ると、一人当たり4400円を企業から徴収するということなので、これは単に空き会議室を活用した商売なのかもしれない。

 その他にも、全国の各自治体では様々な工夫を凝らし、集団接種を進めている。一方で、国が自衛隊を活用して実施している大規模接種センターはがら空きのようだ。国が最前線で成果を上げようとしても、無理がある。政治家の意向があったのかもしれないが、やはり国はバックアップに徹した方がいい。自衛隊も各地に基地や駐屯所があるのだから、そうした施設を市町村に提供し、医務自衛官が接種に協力する形の方がはるかに意味もあるし、成果も上がるだろう。どうも東京にいる国の役人や政治家が考えることは、現場から浮いているように感じる。

 会場の確保も課題だろうが、コロナ禍で空いているスペースはあるだろう。ワクチン接種をする打ち手が足りないというが、どうやら大企業に所属する産業医は空いているらしい。であれば、自社の正規社員の接種が終わったら、下請けなど関連会社や非正規社員への接種に進めばいいし、周辺地域の住民も接種対象にすればいい。大手ハウスメーカーの社長を務める友人が昨年の春に「当社は既に8割が在宅勤務」と言うので、「貴社の住宅を建設する下請けの工務店は在宅勤務などできないぞ」と指摘したことがあった。職域接種が可能な大企業で本社勤務する社員は、最前線の現場で働くエッセンシャルワーカーに比べればはるかに感染リスクは低いのだから、自分たちは後回しで、系列会社の販売員の接種を優先してもいい。

 日本人の7割は中小企業で働いているのだから、大企業からワクチン接種が始まったことを報じても、却って格差感を広めるだけかもしれない。大企業の産業医や施設の活用はいいが、差別感なく接種を進める方策を考える必要があった。今、モーニングショーを見ていたら、ウェルネストコミュニケーションが企業負担無償でワクチン接種を始めると言っていた。ウェルネストのHPを見ると、下段にCSR(社会貢献活動)について書かれている。CSRも当然「損をして得を取れ」という企業戦略の一つだとは思うが、こうした発想は評価したい。

 でもそのうち、「当社商品の購入者にはワクチン無料接種」なんて販促ツールの一つになったりするのだろうか。そういえば、新型コロナワクチンが一体いつまで有効なのか明らかにされていない。来年の今頃は、ワクチン付き商品が市場にあふれているなんて状況だけはやめてもらいたい。そもそもワクチン接種がどれだけコロナ感染拡大を抑えるのだろうか。ポストコロナの時代が来る前に、すっかりウィズコロナの生活に慣れ始めたような気がする。