とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

ACLグループG ジョホール・ダルル・タクジムvs名古屋グランパス

 ACL開幕直前になってDAZNによる中継放送が決まった。WOWOWを契約している友人から「ユーロが面白いよ」とメールをもらい、羨ましい思いをしていたけど、ACLが観られるなら文句はない。DAZNも6月に入って以降、1ゲームも観戦しておらず、勿体ないなあと思っていたところ。もっとも23時キックオフでは録画して翌日観るしかない。結果は先に知っていたが、ピッチ状況などは中継を見なければわからない。

 ジョホールの布陣は4-3-3。ブラジル人のベルグソンをトップに、右WGサファウィ・ラシド、左WGにアリフ・アイマン。中盤はナチョ・インサをアンカーに、右IHレアンドロ・ベラスケス、左IHにファイザル。DFは右SBクナンラン、左SBコービン・オング。CBはブラジル人のマウリシオとオーストラリア人のシェイン・ローリーで組み、GKはマーリアス。対するグランパスは4-2-3-1。山崎をトップに、トップ下に阿部が入り、右SHはマテウス、左SHに五輪代表に選出された相馬。ボランチはいつもの米本と稲垣で組む。DFは右SB成瀬、左SB吉田。CBに中谷と木本。GKはランゲラック。

 開始1分、OH阿部がミドルシュートを打っていく。2分にはCF山崎の落としから右SHマテウスが仕掛けてシュート。GKマーリアスがセーブするが、序盤はグランパスが勢いを持って攻めていった。一方、ジョホールは中盤でしっかりパスを繋いでくる。序盤の攻勢が過ぎると、グランパスはロングボールを前線に入れる淡白な攻撃になってきた。19分、OH阿部のスルーパスにCH稲垣が右サイドを上がり、クロスを左SH相馬がカットインからミドルシュート。だがDFに当たり、ポスト左に外れた。

 ジョホールも22分、CFベルグソンが仕掛けてシュート。しかしCB木本がブロックする。その後はグランパスが攻めあぐねる。37分にはGKマーリアスのパスを受けたCFベルグソンがドリブルで持ち上がり、そのままミドルシュートを放つ。あわやポストの右。43分にもGKマーリアスのフィードをファイザルがフリック。左WGアリフ・アイマンがドリブルで仕掛け、切り返してCB木本をかわし、シュート。GKランゲラックがナイスセーブした。弱い接触に対して簡単に主審がイエローカードを出すので、戸惑い気味のグランパス。前半はこのままスコアレスで折り返した。

 後半もグランパスはなかなか攻撃の形が作れない。10分、OH阿部の縦パスを受けた右SHマテウスが切り返してのクロス。DFにクリアをCH稲垣がミドルシュートを放つが、うまく当たらない。12分には左SB吉田の縦パスを受けた左SH相馬が仕掛けて、戻しのパスを右SHマテウスがシュート。しかしこれもポストの右に外れていった。ピッチコンディションの悪さも気になる。逆にホームの環境に慣れるジョホールは13分、左WGアリフからのパスを右IHレアンドロが前に送ると、CFベルグソンがシュート。DFに当たってクリアしたボールを今度は左IHファイザルが縦パス。CFベルグソンが受けて反転からシュート。わずかにポスト左に外れた。

 決定機ということではジョホールの方が多い印象。だが15分、CF山崎を起点に右SHマテウスが右サイドを仕掛けると、クロスを右SB成瀬がシュート。しかしミス。コロコロと転がったボールにCF山崎が追い付き、落としをOH阿部がシュート。ようやくグランパスが先制点を挙げた。すると18分、グランパスはゴールを挙げた阿部と成瀬に代わり、OH柿谷、右SB宮原を投入する。ジョホールも21分、サファウィ、ファイザル、クナンランを下げて、右WGサイフラー、左IHサフィク、右SBデービスを投入する。さらに27分、グランパスはCF山崎を下げて、左IHに長澤を投入。布陣を4-3-3にして守りを固める。ジョホールは30分、左WGアリフをアキヒャルに交代。

 パスを回して攻めるジョホールに対して、グランパスはしっかりとブロックを作って守る。37分、左SH相馬のスルーパスにCF柿谷がオフサイドぎりぎりで抜け出してシュートを放つが、わずかにポスト右に外れた。39分、グランパスは相馬とマテウスを下げて、左WG齋藤、右WG前田を投入。41分には左サイドでつないで左WG齋藤から右に展開。右WG前田がカットインからミドルシュートを放つが、GKマーリアスが正面でセーブする。ジョホールは45分、左SBコービン・オングに代えてアズリフ。そして45+2分、右WGサイフラーの落としを右SBデービスがクロス。CFベルグソンが木本に競り勝ってヘディングシュート。ネットに突き刺さる。やられた!同点か、と思ったらベルグソンが木本を突き飛ばしたとして、主審がファールを宣告。ゴールは認められなかった。そしてタイムアップ。1-0。グランパスが得意のウノゼロで勝利。ACL初戦を飾った。

 しかしけっして簡単なゲームではなかった。ゲームの主導権はグランパスが握ってはいたが、決定機の数はジョホールの方が多かった気がする。慣れない気候、慣れないピッチ。そしてアジア特有の判定。難しいことが多いが、これぞACL。これまで、他チームのゲームでもACLのゲームは観戦することがなかったが、こうして初めてACLのゲームを90分観ると、その大変さがわかる。グランパスもこの先、まだ大変なゲームが続く。グループリーグで敗退するかもしれない。だが最後までその戦いを観続けよう。ACL。そのヒリヒリ感が面白い。