とんま天狗は雲の上

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J2リーグ第21節 ジュビロ磐田vs.アルビレックス新潟

 J2のゲームを観るのは久しぶり。今号のフットボール批評がJ2特集で、中でも開幕から連勝を続けたアルビレックス・アルベルト監督のインタビューが興味深かった。その後、順位は3位に落としたが、この日は2位ジュビロとの対戦。リーグ開幕を連敗スタート。その後も勝ち星が伸びず、どうしたかと思っていたら、この7試合は無失点で7連勝。一躍2位まで躍り出た。サンガの結果次第では首位にも躍り出ようかという試合。しかも、ジュビロのCB伊藤洋輝はこのゲームを最後にシュツットガルトへ移籍するという。アルビレックスの本間至恩とともに興味を持って観戦した。

 ジュビロの布陣は3-4-3。ルキアンをトップに、シャドーに大津と山田大記が並ぶ。ボランチには遠藤と山本康裕が並び、右WBに鈴木雄斗、左WB松本昌也。CBは右から森岡、山本義道、伊藤洋輝。GKは三浦。遠藤といい、大津といい、ベテランが多い。山田大記山本康裕などジュビロが長い選手もいる。対するアルビレックスは4-2-3-1。鈴木孝司をトップに、高木善朗がトップ下。右SHに三戸、左SHは本間至恩。島田と高宇洋のダブルボランチに、DFは右SB藤原、左SB堀米。千葉と舞行龍ジェームズのCBにGKは小島。

 2分、OH高木のFKにCH島田がミドルシュート。序盤からアルビレックスが攻める。だがジュビロも負けずに攻撃。5分、FW山田の縦パスに走り込んだFW大津がクロス。CFルキアンのヘディングシュートはバーを叩く。はね返りを山田がシュートするが、DFにブロックされた。序盤から激しい攻防。そして6分、左CB伊藤が持ち上がって、縦パスに左WB松本が抜け出すと、そのままシュート。ジュビロが幸先よく先制点を挙げた。ジュビロDFの攻め上がりに、アルビレックス中盤の守備が緩い。

 しかしアルビレックスの攻撃は面白い。両SBが中に位置を取り、左SH本間と右SH三戸は幅を取って、小気味よくパスを回していく。これぞポジショナルプレー。15分には右SH三戸が中へドリブルで仕掛けて、CH島田がミドルシュート。しかし枠は捉えられない。すると18分、FW山田がドリブルで持ち上がり、左に流して、FW大津のクロスにCFルキアンがボレーシュートジュビロが追加点を挙げる。中盤でアルビレックスのプレスがかからない。26分にはCH遠藤のFKに右CB森岡がヘディングシュート。

 そして32分、CB千葉のボールをFW山田が引っ掛けて奪うと、堪らず千葉がファール。そこで得たFKをCH遠藤が前に蹴り込むと、DFのクリアからルーズボールをFW大津が拾い、うまく反転してシュートか縦パスか。これに右CB森岡が反応して抜け出し、シュート。ジュビロが早々と3点のリードを奪う。アルビレックスは35分、OH高木のFKはバーを叩く。45分にもOH高木のFKをCH高がヘディングで落とし、右SH三戸がシュート。だが枠を捉えられない。前半はこのままジュビロが3点をリードして折り返した。

 後半の頭にアルビレックスは三戸と島田を下げて、右WGロメロ・フランク、左IHに星を投入。高をアンカーに下げて、4-3-3の布陣に変更する。攻めるアルビレックス。3分には左IH星の斜めのパスを、左WG本間、右WGロメロ・フランクとスルーして、CF鈴木の落としにロメロ・フランクPA内に走り込む。DFに倒されたかと思ったが、主審はPKを取らず。8分には左WG本間が左IH星とのワンツーからミドルシュート。しかしこれも枠を捉えられない。逆に11分には左CB伊藤のパスからFW山田がシュート。ジュビロが押し返し、その後は互角の攻防が続く。

 18分、右SB森岡の縦パスをCF鈴木孝司がスルーすると、OH高木が抜け出して、クロスに鈴木孝司がシュート。だが右サイドネットにかける。その直後、アルビレックスはCF鈴木孝司を谷口に交代する。ジュビロは20分、FW大津に代えて大森を投入。大森もジュビロにいるんだ。25分、OH高木のFKに右SB藤原がヘディングシュート。だがうまく合わず、左に流れる。27分には本間を下げて、左IHに福田を投入。星を左WGに上げる。一方、ジュビロもこのタイミングでCH遠藤に代えて今野、左WB松本に代えて小川大貴を投入。守備を固める。

 34分、左IH福田の縦パスを受けた右WGロメロ・フランクが切り返しからシュート。これがCB山本義道の手に当たり、主審はPKを宣告。これをロメロ・フランクが決めて、ようやくアルビレックスが1点を返した。しかしその後も攻めるもなかなか攻めきれない。43分にはジュビロがCFルキアンに代えて小川航基、FW山田に代えて藤田を投入。45分、アルビレックスはCB千葉の縦パスから左SB堀米がスルーパス。CF谷口が抜け出してシュート。1点差に詰め寄る2点目。だが時は遅し。アディショナルタイムは6分あったが、ジュビロが巧く守り、そのままタイムアップ。3-2。ジュビロが経験の差、個人能力の差を見せつけて勝利した。

 また、サンガが敗れたため、ジュビロはついに首位に躍り出た。一方、アルビレックスは4位に順位を下げる。今季のJ2は上位2チームが自動昇格。リーグ序盤から無敗で走った琉球が3位。2位サガンとの勝ち点差はわずか3。しかし下を見ればヴァンフォーレモンテディオ、V.ファーレンなど実力のあるチームが順位を上げてきた。まだリーグ半ば、今後どんな展開になっていくかわからないが、アルビレックスのプレーは確かに面白い。これからもJ2の状況は注目し、好カードは観戦したいと思う。面白いゲームだった。