とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

キリンチャレンジ杯 日本U-24 vs. ホンジュラスU-24

 東京五輪開幕へあと10日。グループリーグ同組のメキシコと決勝でPK戦の末に敗れたものの、北中米予選を2位で通過したホンジュラスU-24。A代表FIFAランクは67位だが、前回リオ五輪では4位。前々回ロンドン五輪4位の日本との対戦でもある。

 日本の布陣は4-2-3-1。CFは上田がケガ。前田もJリーグのゲームで脳震盪を起こしたこともあり、先発は林大地。堂安がトップ下に入り、右SH久保、左SH三好。ACL帰りの三苫は隔離期間中、相馬も体調を考慮して、ベンチスタートとなった。ボランチは遠藤と田中碧。DFは右SB酒井、左SB中山。冨安と吉田のCBコンビは心強い。GKは谷が守る。対するホンジュラスは4-4-2。パルマオーバーエイジのベングチェで2トップを組み、右SHレジェス、左SHピント。ボランチはロドリゲスとピネダ。DFは右SBにクリスフェル・メレンデス、左SBデカス。ガルシアとマルドナドのCBにGKはグイティー。もちろん一人として知っている選手はいない。

 序盤から日本がゲームの主導権を握っていく。3分、ショートCKから堂安のクロスに右SB酒井がヘディングシュート。4分には左SH三好の縦パスをCF林が落とし、久保が右に流して、OH堂安のクロスから右SH久保がシュート。DFのこぼれをCH田中がミドルシュート。DFにブロックされたが、序盤から積極的に攻めていく。9分には左サイドからの久保のFKがファーに流れたところを、CB吉田が拾って、切り返しからシュート。まるで攻撃的MFのような動き。そして12分、左SB中山のクロスをOH堂安が収めると、DFが触ったこぼれをCF林が右に流し、右SH久保のクロスに左SH三好がシュート。ポストに当てた。しかし直後の13分、今度は右サイドからのFK。CH田中のキックフェイントから右SH久保がクロスを入れると、ファーから走り込んだCB吉田が優しくゴールに流し込む。オフサイドかと思ったが、ゴールは認められた。日本が先制点を挙げた。

 18分には左SH三好が右SH久保とのワンツーからスルーパス。CF林が走り込み、切り返しからシュート。だが、GKグイティーがナイスセーブ。24分、左SB中山のクロスのクリアを左SH三好がミドルシュート。だがわずかにバーの上に浮く。三好はよく動き、ボールに触るが、ゴールが決めきれない。29分、CH田中の縦パスをCF林が落とし、右SH久保がつないで、OH堂安の落としから、前に走り込んだ久保が左に流し、CF林がシュート。流れるようなパスワークだったが、GKグイティーがセーブする。そして40分、CB富安がボールカットからそのまま左サイドを上がると、クロスをCF林が落とし、OH堂安がシュート。追加点を挙げた。前半は日本が2点をリードして折り返した。

 後半最初にホンジュラスは5人の選手交代。FWパルマに代えてオブレゴン、右SHマルティネス、左SHリバス、CHロドリゲスに代えてムニェス、右SBオリバ。日本は選手交代はなし。序盤は引き続き、日本が攻める。4分、OH堂安のクロスをCF林が触ってファーに流れると、右SH久保がボレーシュートを放つ。一方、ホンジュラスは6分、右SHマルティネスの左SB中山の股下を抜く縦パスにCHムニェスが走り込み、クロスに左SHリバスがシュート。DFがブロックする。これがホンジュラスの初シュート。だがこの後、ゲームの主導権を握るのはホンジュラス

 17分、ホンジュラスはさらに二人を交代。CHアルバレスとCBカルロス・メレンデスを投入する。日本も18分、林と田中を下げて、CF前田とCH板倉を投入する。そして21分、CHアルバレスの縦パスはCB吉田がカット。蹴り返したボールをCH遠藤がヘディングで吉田に変えそうとするが、パスが弱くなったところをアルバレスに奪われ、スルーパスに左SHリバスが抜け出す。シュートはGK谷が足に当てるが、弾いたボールがCB富安の足に当たり、ゴールに転がり込んだ。オウンゴールホンジュラスが1点を返した。オーバーエイジの吉田と遠藤の連係ミスからの失点は、今後の反省材料でもあり、でもアンダーカテゴリーの選手でなく、よかったのかもしれない。

 しかし後半は、合宿の疲れなのか、日本の選手の動きが重い。イージーなミスも多い。27分にはFWベングチェがミドルシュート。日本も30分、久保のFKのクリアをOH堂安がミドルシュートを放つ。直後、ベングチェが下がり、エルビルに交代する。31分、CH板倉の縦パスを受けた左SH三好がゴール前に絶妙なクロス。快速CF前田が走り込み、シュートを放つが、GKグイティーがファインセーブに阻まれた。そして35分、日本は3人の選手を交代。久保、酒井、吉田を下げて、左SH相馬、右SB橋岡、CBに町田を投入する。三好がトップ下に入り、堂安が右SHに移った。

 そして40分、DFからの縦パスを左SH相馬がフリックすると、CF前田の落としをダイレクトでCH遠藤が左前方へ流す。左SH相馬が走り込み、クロスを入れると、右SH堂安が走り込み、シュート。ダメ押しの3点目。その後、42分には中山を下げて、サポートメンバーのCH藤田を投入。板倉をCBに下げて、町田を左SBに回す。そしてその後は前の意識を保ちつつしっかり守る。タイムアップ。日本が3-1で勝利した。

 ホンジュラスは後半のメンバーがレギュラーだろうか。それとも日本がバタッと動きが悪くなったのか。前半はほとんど日本が攻め続けたが、後半はほとんどチャンスを作れなかったし、何よりミスが多かった。そして右サイドで躍動した酒井とは対称的に、左SB中山の攻撃参加は少なく、見せ場もなかった。そもそも左SBに本職の選手を登録しなかった日本だが、本番では誰を起用するのか。終盤で町田を左SBでプレーさせたが、森保監督も中山の動きに失望したと捉えていいだろうか。ACLからの帰国の関係で旗手もベンチ登録ができなかった。左SBの第一候補は旗手なのだろうか。次のスペイン戦でその答えが明らかになるだろうか。勝利が目的ではない。次もしっかりプレーして、10日後の本番に備えてほしい。