とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

キリンチャレンジ杯 日本U-24 vs.スペインU-24

 ようやく強豪と対戦ができた。相手はヨーロッパ予選を1位通過のスペイン。日本では「金メダルを目指す」と威勢のいい言葉が聞かれるが、けっして簡単ではないと思わせる。直前ではあるが、いい相手とマッチメイクできたのはよかった。

 日本の布陣は4-2-3-1。林をトップに、トップ下に久保。右SH堂安、左SH相馬。ボランチは板倉と遠藤で組み、DFは右SB酒井、左SB旗手。吉田と冨安のCBにGKは谷。対するスペインの布陣は4-3-3。ラファ・ミルをトップに、右WGアセンシオ、左WGにダニ・オルモ。中盤はスビメンディをアンカーに、右IHメリーノ、左IHセバージョス。DFは右SBオスカル・ヒル、左SBミランダ。CBにミンゲサとパウ・トーレス。GKはウナイ・シモン。アセンシオにダニ・オルモ、セバージョスって、まるでA代表ではないか。

 序盤、日本がプレスに行くが、スペインが難なくかわす。しばらくすると日本も高いプレスをやめて、ブロックを作るようになる。ゲームの主導権を握るにはスペイン。15分、右IHメリーノのクロスをCB吉田がはね返すが、右WGアセンシオが拾って、落としからCFラファ・ミルがシュート。GK谷がナイスセーブ。16分、右CBミンゲサの縦パスを右IHメリーノがフリック。左WGダニ・オルモが左に流して、左IHセバージョスがシュート。サイドネットに突き刺さる。ポンポンとダイレクトで繋がれると、全く無力化される。最後のシュートも強烈だ。

 それでもしっかり守って耐えていると、21分、右SB酒井のフィードにCF林が走り込み、落としを右SH堂安が繋いで、OH久保が左サイドへ。左SH久保が仕掛けてクロスを入れるが、DFがクリアする。シュートまでは行けない。その後はスペインが攻勢をかける。24分、右WGアセンシオのシュートはDFがブロック。27分、右SBオスカル・ヒルのパスから左WGダニ・オルモが縦パス。右IHメリーノが落として、右WGアセンシオがループ気味に狙ったミドルシュート。わずかにゴール左に外れた。

 それでもがんばって守っていると、次第にスペインの動きが落ちてくる。すると33分、CB富安がドリブルで持ち上がり、右に流すと、CF林がキープして、駆け上がった右SB酒井にパス。酒井のクロスにOH久保がシュート。DFにブロックされたが、これがようやく日本初のシュート。続く相馬のCKからCH板倉がヘディングシュート。枠は捉えられなかった。25分にはCB吉田の縦パスに走り込んだ右SB酒井がダイレクトでクロス。CF林がDFと性愛ながら走り込むが、触れなかった。40分にはCH遠藤の縦パスにCF林がDFと競り合いながら前に仕掛け、シュート。惜しくもバーの上に外す。

 そして42分、左サイドでOH久保がCHスビメンディを振り切って仕掛けると、マイナスのクロスに右SH堂安がシュート。これがネットを揺らす。日本が先制点を挙げた。圧倒的にスペインに攻められた前半だったが、ブロックを作りつつも落ち着いて守ると、動きが落ちた終盤に先制点。スペイン相手には理想的なゲーム運びで前半を終えた。それにしてもスペインは強い。

 このゲームは最大11人まで選手交代ができるレギュレーション。後半最初に日本は7人を選手交代。CF前田、右SH三好、CH遠藤に代えて田中碧、右SB橋岡、そしてCBは瀬古と町田に入れ替え、GKも大迫に交代した。対するスペインもCFラファ・ミルに代えてオジャルサバル、左WGダニ・オルモに代えてブライアン・ヒル、CHスビメンディに代えてモンカヨラを投入した。後半もスペインが攻めてくる。4分、壁を抜けた左IHセバージョスのFKはGK大迫がキャッチする。7分、右WGアセンシオのFKは枠を捉えられない。日本も9分、左SB旗手のヘディング・パスで抜け出した左SH相馬がシュート。GKウナイ・シモンがセーブする。

 10分、左IHセバージョスのDFの股下を抜くスルーパスにCFオジャルサバルが走り込むと、積極的にシュート。CB瀬古がブロックした。11分、スペインはCBミンゲサに代えてガルシア。右IHメリーに代えてソレールを投入する。すると14分、右IHソレールの縦パスから右WGアセンシオが左に展開。左WGブライアン・ヒルがさらに左に流すと、左SBミランダが駆け上がり、クロスのこぼれを左WGブライアン・ヒルがシュート。GK大迫がナイスセーブした。日本は20分、左SB旗手のスルーパスにOH久保が抜け出し、クロスにCF前田が飛び込むが、DF、GKと交錯し、こぼれ球はGKウナイ・シモンが抑えた。

 22分、日本はCF林に代えて上田を投入。前田を右SH、三好がトップ下に移る。スペインも23分、18歳話題のペドリを左IHセバージョスに代えて投入。右WGアセンシオもプアドに交代した。すると26分、CBパウ・トーレスの縦パスから左WGブライアン・ヒルがスルーパス。CFオジャルサバルのシュートは左サイドネット。29分にも右IHソレールミドルシュートを放つ。そして33分、左IHペドリの縦パスに走り込んだ左SBミランダの戻しに、右WGプアドがシュート。コロコロと右ポストに当たってゴールに転がり込む。スペインがついに1点を返した。

 日本は35分、相馬を下げて左SB中山を投入。旗手を左SHに上げる。スペインも左SBククレジャ、GKもフェルナンデスに交代した。37分、右IHソレールの縦パスに左WGブライアン・ヒルが走り込み、クロス。ファーに流れたパスを左IHペドリがミドルシュート。だが枠は捉えられない。日本も39分、CB瀬古の縦パスからOH三好がうまいターンで前を向き、スルーパスにCF上田が走り込むが、飛び出したGKフェルナンデスの方がわずかに早い。こぼれ球を左SH旗手がシュートするが、DFにブロックされた。45+4分にはCH田中のFKがDFに当たりコースが変わるが、GKフェルナンデスがファインセーブ。こぼれ球を狙った右SH前田のシュートは枠を外した。そしてタイムアップ。1-1。同点でゲームを終えた。

 やはり実力は圧倒的にスペインが上。それでもドローで終えたのは自信になるし、格上相手の戦い方も確認できた。それにしてもスペインは強かった。こんなチームがいるのに、「金メダルを目指す」と言うのはおこがましい。いやでも戦い方によっても不可能ではないのかも。グループリーグもメキシコやフランスなど難しい相手が揃っている。その前にスペインとゲームができたことは良かった。これで慢心を鎮め、真剣に勝利を目指して戦うことができる。まずは初戦の南アフリカ戦。勝利してグループリーグ突破に勢いをつけたい。週明けには東京五輪が始まる。サッカー以外、まるで気持ちは盛り上がらないが、本当に始まるのだろうか。無事、終えることができるのだろうか。