とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

東京五輪グループA フランスvs.日本

 前の試合でグループ最強のメキシコに勝利し、グループ唯一連勝の日本。第3戦のフランスは前の南アフリカ戦で3回先行されるも追い付いて、アディショナルタイムで逆転勝利。メキシコ戦をダイジェストで観た限りではグループ最弱かと思ったが、粘り腰はすばらしい。最低でもグループ首位通過の引き分け以上を確保したい。

 フランスの布陣は4-3-3。オーバーエイジのジニャクをトップに、右WGにもオーバーエイジのトーバン、左WGはコロムアニ。中盤はトゥザーをアンカーに、右IHにオーバーエイジのサバニエ、左IHに20歳のベカベカ。DFは右SBミシュラン、左SBに18歳のペムベレ。カッシーとカルルのCBにGKはベルナルドニ。35歳の超ベテランにジニャクに、3年後のパリ五輪の出場も可能な20歳以下の選手が二人。3年後を見据えた選手選考・選手起用に見える。対する日本はいつもの4-2-3-1。CFには上田綺世が先発し、左SHに旗手。トップ下久保と右SH堂安、ボランチの田中と遠藤は変わらない。DFは右SB酒井、左SB中山。CBに冨安が初めて先発し、吉田と組む。GKは谷。

 開始1分、左IHベカベカがミドルシュート。積極的な姿勢を見せるが、その後は日本が主導権を握る。8分、OH久保のFKをGKベルナルドニが弾き返すと、こぼれ球を左WG旗手がシュート。GKベルナルドニがナイスセーブするが、攻撃的ポジションで起用された旗手が積極的にゴールに迫る。左SBの中山もこれまでと違い、旗手との連携も良く、積極的に上がっていく。互角の展開だが、日本の方が落ち着いている。20分、左SB中山のアーリークロスにCF上田がDFをかわしてシュート。フランスも23分、FKのクリアボールを右IHサバニエがシュートする。

 そして27分、CH田中の縦パスからOH久保がスルーパスをだすと、CF上田が抜け出してシュート。GKベルナルドニがナイスセーブするが、はね返りをOH久保がシュート。日本が先制点を挙げた。旗手がDFを引っ張ってゴール前に詰めたのも大きい。さらに34分、CH遠藤からのパスをOH久保が縦に入れると、左SH旗手が落とし、OH久保がスルーパス。CF上田が抜け出しシュート。GKベルナルドニがナイスセーブするが、はね返りを右SB酒井が詰めて、シュート。日本が追加点を挙げた。

 しかしその後は2度ほど、決定機があったが、ゴールまで行かない。フランスは38分、右IHサバニエが腰を痛めて、OHルフェと交代。布陣も4-2-3-1に変更する。45+4分、右WGトーバンのFKは壁に当てる。前半はこのまま日本2点リードで折り返した。

 後半最初、日本はOH久保を下げて、三好を投入する。3分、右WGトーバンのクロスにCFジニャクがボレーシュート。わずかにポスト右に外したが、シュート技術、嗅覚ともにやはりジニャクは怖い。その後もフランスが攻めていく。日本は7分、CB富安が前進して攻撃の芽を摘むと、左SH旗手が中へのドリブルからシュート。フランスの攻勢も一段落すると、10分、日本は前半イエローカードをもらい、次のゲームが出場停止となった右酒井を下げて、橋岡を投入する。

 すると11分、右SB橋岡のクロスに左SH旗手がヘディングシュート。わずかにポスト左に外す。13分には左SB中山が左SH旗手とのワンツーで抜け出し、左サイドから中に仕掛けてシュートを放つ。GKベルナルドニがセーブ。フランスも15分、左WGコロムアニがミドルシュート。16分には右WGトーバンのクロスにCFジニャクが詰まるが、手前で右SB橋岡がクリアする。17分、フランスはCBカルルに代えてサニャン。左SBペムベレに代えて20歳のバールを投入する。20分、左WGコロムアニの仕掛けを右SB橋岡がPA手前で止める。ファール。これで得たFKをCFジニャクが直接シュート。選手の間を通って、あわやゴールかと思ったら、GK谷がファインセーブ。ナイスプレーだ。

 そして25分、左SB中山のクロスをCF上田が落とし、左SH旗手が右に流して、OH久保がミドルシュート。日本が追加点、3点目を挙げた。27分には遠藤と堂安を下げて、CH板倉と右SH相馬を投入する。その再開直後、左IHベカベカとボールを奪い合っていたOH三好の足を左WGコロムアニが後ろから踏み付ける。倒れる三好。主審は一度イエローカードを提示したが、VARで確認の上、一発レッドカードに変更した。退場。日本が一人多くなる。フランスはルフェが左SHに移り、布陣を4-4-1に変更した。

 35分にはCH田中を左SH前田に交代。中山をCHに移し、旗手を左SB。こうしたポジション変更ができるのもポリバレントな選手が多い日本の長所だ。その後は無理せず、安全にパスを回す。そして45+1分、左サイドにいたH久保から大きく右サイドへサイドチェンジ。右SH相馬が受けてドリブルで上がり、左サイドを走り込む前田へクロス。シュート。日本がダメ押し4点目を挙げた。そしてタイムアップ。4-0。日本が圧勝。全勝で決勝トーナメント進出を決めた。

 フランスは24歳以下のエムバペとデンベレがクラブ事情で出場できなかった。彼らが出場していればどうなっていたかわからないが、それよりも3年後のパリ五輪を重視したということかもしれない。でも3年後も久保は健在。パリ五輪では再び返り討ち。なんて先のことはどうでもいい。次の準々決勝はグループB2位のニュージーランドが相手。初戦、グループB首位通過の韓国に勝利して、グループリーグ突破を手に入れた。守備からカウンターのチームのようだが、韓国に勝利したのは注意を要する。油断は禁物だが、今の日本の敵ではないはずだ。勝ち上がれば、たぶんスペインが相手。17日のドローで終わった強化試合の決着をつける機会だ。さてどこまで上がっていけるか。さらなる活躍が楽しみだ。