とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

迷子の魂

 ノーベル賞作家オルガ・トルカチュクが書いた「絵本」というので、図書館でも児童図書コーナーの中に置かれていた。でも、これ、児童に読めるだろうか。字も小さいし、ふりがながついているとは言え、難しい漢字も使われている。大人のための絵本だろう。もっとも、文章量は少なく、たぶん2000字にも満たない。

 「魂」はビッグバンの直後に生まれたが、我々人間は「魂」を置き去りにして、忙しい時間の中で生きている。「魂」を取り戻そう。「魂」が追い付くのを待ってみよう。こうしてヤンは森の中のロッジで「魂」を待ち続け、その間、絵は変化を描き出す。そしてようやくやってきた「魂」と共に、時計を畑に埋め、色とりどりの花を楽しんだ。

 オルガの住むポーランドでは、時間は「魂」とともに過ぎていくのだろうか。

 

 

○魂が動くスピードは、身体よりもずっと遅いのです。魂は時間の黎明期、ビッグバンの直後に生まれました。宇宙の膨張が、まだそこまで速度を上げていなかったころのことで…した。あなたはどこかに落ち着ける場所を見つけて、そこでじっくりじぶんの魂を待つべきです。いまごろおそらく魂は、あなたが2・3年前にいた場所にいますから。