とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

ワールドカップ アジア最終予選グループB 中国vs.日本

 オマーン戦は酷かった。無気力というか、疲労ピークという言い訳がされているが、「このまま何とかスコアレスで行けば」という願いも終了間際に失点。きついお灸を捺された感じだ。大迫がこの状況を憂う発言をしていたが、長距離移動で戦う中国戦。オーストラリアに0-3と完敗したとはいうものの、この状況では勝利も簡単ではないと思っていた。

 中国の布陣は5-3-2。エウケソンをトップに、ウー・レイが高い位置を取り、中盤は右からジン・ジンダオ、ウー・シー、イン・ホンボーが並ぶ。DFは右WBにワン・ガン、左WBにワン・シェンチャオ。CBは右からチャン・リンポン、ブラウニング、リー・アン。GKはヤン・ジュンリン。対する日本はいつも通り4-2-3-1。大迫のワントップに、トップ下に久保。右SH伊東、左SHに古橋。ボランチは遠藤と柴崎。DFは右SB室屋、左SB長友。CBに冨安と吉田。GKは権田。酒井と南野が離脱する中、室屋、久保、古橋が先発。冨安も戻ってきた。さてどんなサッカーを見せてくれるのか。

 だが序盤から中国が自陣ゴール前にべた引き。日本が圧倒的に攻め続ける展開が続く。それでも序盤はゴール前を固める中国に却って戸惑い、有効な攻めは見られない。6分、中国は早々と右CBチャン・リンポンがケガ。ジュー・チェンジェに交代する。12分、CH柴崎の縦パスを右SH伊東が落とし、CH遠藤の縦パスからCF大迫がシュート。DFがブロック。16分には左SH古橋がミドルシュートを放つが、枠は捉えられない。それでも前線には縦パスも入るし、次第に攻撃が形になっていく。22分、左SH古橋のパスからCH遠藤が縦に入れると、CF大迫が落として、古橋がシュート。そして23分、OH久保がCF大橋とのワンツーからミドルシュートを放つが、左ポストにはね返された。

 その後も日本が攻め続けるが、ゴールは遠い。30分、CH柴崎がミドルシュート。34分、左SB長友もミドルシュートを打っていく。しかし枠は捉えられない。38分、CH遠藤の落としからOH久保がミドルシュート。GKヤン・ジュンリンがファインセーブで弾くと、ゴール前に詰め寄った右SH伊東のパスにCF大迫がシュート。だがこれもポストに当てる。ああ、オマーン戦同様、どうしてもゴールが入らない。絶望的な気分になりかけた40分、右SH伊東が再度を仕掛けてDFを抜くと、クロスにCF大迫がジャンピングボレー。これが決まり、ようやく日本が先制点を挙げた。前半はここで折り返す。

 後半も同じメンバーでキックオフした日本だったが、5分、左SH古橋が右ひざの痛みを訴え、原口に交代。古橋は大丈夫だろうか。しかし後半は中国も前からのプレスが早くなり、積極的に攻めてくる。9分、左CHイン・ホンボーのCKがファーに流れたところをCBジュー・チェンジェがシュート。DFがブロックすると、CBリー・アンのフィードにCHウー・シーがヘディングシュートを放つ。

 日本も11分、左サイドを駆け上がったCH柴崎のクロスを右SH伊東が落とし、右SB室屋がシュート。17分には左CBイン・ホンボーに右SH伊東がプレスをかけてボールを奪い、そのままドリブル。中へのパスにOH久保が走り込み、シュート。GKヤン・ジュンリンにファインセーブされた。直後の18分、中国は一気に3人を選手交代。ジン・ジンダオ、リー・アン、イン・ホンボーを下げて、FWアラン、CHハオ・ジュンミン、左SHアロイージオを投入。布陣も4-4-2に変更、FWをアランとエウケソンのブラジル出身2トップで組む。そして高い位置から積極的にプレスをかけるようになってくる。

 こうした変化にしばらく日本も様子見だったか、やや危ない場面もあった、しばらくすると日本も次第にペースを取り戻した。27分、OH久保のCKにCF大迫がヘディングシュート。29分、OH久保の仕掛けから、戻しのパスをCH遠藤がミドルシュート。だがポスト左に外れる。31分には伊東を下げて、OH鎌田を投入。久保を右SHに移す。中国も38分、CHウー・シーをチー・ジョングオに交代する。41分、右SH久保が中へドリブルしてCH遠藤がシュート。42分、CH柴崎のミドルシュートはGKヤン・ジュンリンがパンチングでクリアする。43分、守備固めか、左SB長友を下げて佐々木。この時間には中国のプレスもうまくいなせるようになり、時間を使ってそのままタイムアップ。1-0で勝利した。

 それでも1点しか取れなかった攻撃陣は物足りない。途中出場の鎌田も積極的に仕掛けることなく、最後まで攻めの姿勢を見せたのは久保のみ。さすがに大迫は疲れが見えていたのに、ベンチは交代カードを残したまま、最後まで動かなかった。森保監督はいったいどういうサッカーをしたいのだろう。攻撃のバリエーションはどう考えているのだろう。勝ったからいいが、万一、同点に追い付かれていたら、どうなっていたことか。やはりもっと貪欲に追加点をめざす迫力が欲しかったし、守りを重視するにしても、大迫が出場できない場合の攻撃の形を試みてもよかった。強化試合では新戦力を積極的に起用する森保監督だが、いざ本番になるとすっかり硬直的になっている印象だ。このまま森保監督に任せて大丈夫だろうか。JFAは万一の場合の監督交代について準備をしているだろうか。今後に不安を抱く最終予選序盤の2連戦だった。