とんま天狗は雲の上

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ルヴァン杯決勝 名古屋グランパスvs.セレッソ大阪

 ルヴァン杯準決勝、Jリーグ、そして天皇杯準々決勝と、公式戦3連勝中。4戦無敗と最近好調のセレッソ。一方、3日前の天皇杯では0-3と完敗した相手と再び対戦するグランパスは逆に公式戦4戦勝利なし。ルヴァン杯準決勝は第1レグとの合計で勝ち上がったグランパスだが、第2レグで敗戦して以降、ACL準々決勝と天皇杯で敗戦。その間に対戦したリーグ戦もヴィッセルに2点のリードを追い付かれてのドロー。しかもこの間、2失点が2試合、2失点が2試合と複数失点が続いている。初めてのルヴァン杯決勝進出だが、優勝を目指すというより、とにかく勝利が欲しい。

 グランパスの布陣は4-4-2。前田と柿谷の2トップに、右SHマテウス、左SH相馬。ボランチは木本と稲垣で組み、DFは右SB宮原。他はいつものメンバーだ。対するセレッソも同じく4-4-2。加藤陸次樹と山田寛人の若い2トップに、右SH坂元、左SH乾。ボランチは原川と奥埜で組む。DFは右SB松田陸、左SBは丸橋。瀬戸と西尾のCBも若い。GKはキムジンヒョン。大久保や清武などのベテランはベンチから戦況を見守る。

 序盤、グランパスが積極的に攻めていった。3分、右SB宮原の縦パスにFW前田が走り込み、クロスを入れるが、FW柿谷に届かない。さらに右SHマテウスのパスからCH稲垣がミドルシュートを放つが、GKキムジンヒョンがセーブする。しかし5分を過ぎるとセレッソも盛り返してきた。セレッソがパスを回して、グランパスは守備からカウンターを狙う。11分、右SHマテウスのクロスにFW柿谷がオーバーヘッドシュートを放つが、枠は捉えられない。

 17分、左SH相馬が仕掛けて、中へのパス。こぼれ球を右SHマテウスが拾い、仕掛けからミドルシュートを放つが、FW前田に当たり、クリアされた。セレッソは18分、左SH乾のミドルシュートがこのゲーム初めてのシュートだ。だが飲水タイムを経て、セレッソの攻撃が代わる。両SBが高い位置を取って、グランパスの両SHを押し込み、積極的に攻め始める。24分、右SB松田のパスをCH奥埜が落とし、右SH坂元が仕掛けるが、足を滑らせる。こぼれたボールをCH奥埜がミドルシュート。34分には右SB松田の縦パスにFW山田が飛び込むが、わずかに届かない。終了間際もセレッソが攻め込むが、何とかグランパスが守り切る。前半はこのままスコアレスで折り返した。

 すると後半開始からセレッソはFW山田を下げて、OH清武を投入。4-2-3-1に布陣を変更する。グランパスは選手交代なし。そして2分、FW前田の縦パスに走り込んだ左SH相馬がCKを得ると、相馬のCKをニアでFW柿谷がフリック。これにFW前田が飛び込み、ヘディングシュート。グランパスが先制点を挙げた。FW前田は7分にも左SB吉田のパスに走り込み、ミドルシュートを放つ。GKキムジンヒョンがナイスセーブ。

 10分、セレッソはFW加藤に代えて、大久保を投入。反撃を強める。一方、グランパスは13分、相馬と前田を下げて、左WGに齋藤、左IHに長澤。4-3-3にして中央を固める。さらに飲水タイムの後には、木本を左CBに下げて、5-4-1の布陣。1点を守り切る態勢。28分にはCF柿谷に代えてシュヴィルツォクを投入。それまで守備に活躍した柿谷だったが、前線で収めることができるシュヴィルツォクを置いて、守備一辺倒ではない姿勢を見せる。

 しかし攻めるセレッソ。30分、右SB松田のミドルシュートはわずかに左ポストをかすめて外れた。すると直後、CH奥埜を下げて、前線にFW豊川を投入。布陣は清武をトップ下に置くダイヤモンド型の中盤、4-4-2か。33分には左SB丸橋のクロスから右SB松田がミドルシュート。飛び込んだFW大久保がわずかに触るが、ゴールにはならない。そして34分、後方からのフィードをCFシュヴィルツォクが収めると、左WG齋藤がドリブル。さらにこぼれ球をシュヴィルツォクがドリブルで運び、シュート。GKキムジンヒョンがファインセーブではね返したが、こぼれ球をCH稲垣がボレーシュート。これが決まり、グランパスが決定的な追加点を挙げた。

 36分、CB木本が足を痛めて、代わりに右WB森下を投入。中谷が左CBに回り、宮原が右CB。追加点を得てさらにグランパスの動きが良くなり、守備も積極的に前からプレスをかけていく。41分、CH原川のミドルシュートはGKランゲラックがキャッチ。45+2分、CH原川のミドルシュートは左に外れた。前線にボールを送り、さらにプレスをかけて時間を使う。5分のアディショナルタイムも危なげなく過ぎて、そしてタイムアップ。2-0。グランパスが勝利して、初のルヴァン杯を制した。優勝おめでとう。

 一時は4冠の可能性もあったが、リーグ戦の優勝は消滅し、ACL天皇杯も敗退した。この好調な年に一つでもタイトルを獲ることができたのはよかった。だが、ルヴァン杯ACLには繋がらない。試合後のインタビューを見ても、選手たちはこのところの不調を気にしていた様子。これで残りはリーグ戦に専念できる。3位ヴィッセルとは勝点差3。ただし得失点差には差があるので、実質勝ち点4の差。一方、下を見れば、5位レッズとは勝点で並び、6位アントラーズとも勝ち点差2。もう勝ち続けるしかない。タイトルホルダーの勲章を胸に、残り5試合、全力で戦っていこう。