とんま天狗は雲の上

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国際強化試合(女子) 日本vs.アイスランド

 今週はオランダに遠征して、強化試合を予定しているなでしこジャパン池田太監督が就任して最初の采配だ。池田太と言えば、レッズ時代のDFとしての熱い戦いが記憶に残るが、女子代表監督となってもその熱さは変わらないようだ。アイスランドFIFAランク16位だが、日本も今や13位。いつの間にか大きく順位を落としてしまった感があるが、互角の相手と言えるのかもしれない。

 日本の布陣は4-4-2。植木と小林里歌子というベレーザの2トップに、中盤は右SH成宮、左SH長谷川。ボランチに猶本と長野。成宮は代表初招集、長野も3年ぶりの招集と、監督が代わって新しい選手が名前を連ねる。DFも右SB清水は不動としても、左SBに宝田、CBは南と三宅。GKに池田。GK山下と杉田陽菜が遠征メンバーから外れたのは、何か理由があるのだろうか。岩渕や田中美南、菅澤、熊谷らはベンチスタートなのは、アイスランド相手にまずは若手を中心に起用したということか。

 対するアイスランドは4-3-3。グズムンズドッティルをトップに、右WGスベインディス・ヨンスドッティル、左WGアルベルツドッティル。中盤はヨハンスドッティルをアンカーに、右IHビルヒャルムスドッティル、左IHグンヒルドゥル・ヨンスドッティル。DFは右SBアトラドッティル、左SBビザルスドッティル。CBはビッゴスドッティルとジグルザルドッティル。GKはルナルスドッティル。ちなみにアイスランドのラストネームは、親の名前に男性ならソン、女性ならドッティルをつけるとのこと。全員、末尾がドッティルとなっている。

 序盤、日本が前から積極的にプレスをかけていく。また両サイドの成宮と長谷川が流動的にトップ下の位置に入り込み、攻撃を仕掛けていく。だが、アイスランドの守備はなかなかこじ開けられない。すると14分、アイスランドは右WGスベインディス・ヨンスドッティルがドリブルで前に走り込む。CH猶本が付いていくが、スライディングした猶本の足を抜けて、シュートがネットに突き刺さった。アイスランドが先制点を挙げた。

 するとその後はアイスランドのプレスも早くなり、日本が攻めあぐねていく。20分、左SH長谷川のパスをFW植木が受けて、反転からシュート。GKルナルスドッティルがキャッチするが、これが日本の初シュート。22分にはCHヨハンスドッティルかFW植木がボールを奪い、FW小林がシュート。だがポスト左に外れた。アイスランドは30分、右WGスベインディス・ヨンスドッティルが入れたロングスローを蹴り出せず、日本のゴール前でこぼれたボールを左WGアルベルツドッティルがシュート。バーを叩いた。

 その後も日本が攻めるが、なかなかアイスランドの守備を崩せない。32分、右SB清水のクロスにFW小林がシュート。40分、右SH成宮のスルーパスに左SH長谷川が走り込み、クロスをFW小林がヘディングシュートするも、苦しい姿勢で強くは叩けない。45分には左SH長谷川がロングシュートを狙うが、GKが簡単にセーブ。前半はこのままアイスランドのリードで終わった。

 後半頭にアイスランドはアンカーのヨハンスドッティルを下げて、ブリンヤルスドッティルを投入した。後半も日本がパスを回して攻め、アイスランドが強固な守備から、カウンターを狙う展開。7分、左SB宝田のパスをCH長野がDFを背負って、戻りながら、反転してシュートを放つが、ポストの右へ外れる。日本はここまでなかなかFWにいい形でボールが入らない。すると12分、日本は猶本と成宮を下げて、CH隅田と右SH宮澤を投入する。アイスランドは13分、右WGスベインディス・ヨンスドッティルのロングスローのこぼれ球から左WGアルベルツドッティルがヘディングシュート。前半30分と同じ形だが、ゴール前でルーズになったボールをうまく蹴り出せない。

 すると17分、アイスランドは3人を一気に交代。CFグズムンズドッティルに代えてソルバルズドッティル、右IHビルヒャルムスドッティルに代えてトマスドッティル、左WGアルベルツドッティルに代えてマグヌスドッティル。24分、CH長野の縦パスにFW植木が走り込み、シュート。DFのブロックからCKを得ると、CKにFW植木がダイビングヘッド。しかしこれもDFがブロックする。そして25分、CBビッゴスドッティルのフィードに右WGスベインディス・ヨンスドッティルが抜け出し、クロスをソルバルズドッティルがシュート。アイスランドが追加点を挙げた。

 先制点と同じ形での失点だ。日本は31分、小林と長谷川を下げて、FWに田中美南、CHに林を投入する。長野が左SHに入った。32分、CH林から右に流すと、右SH宮澤がシュート。これで得たCKをFW田中美南がヒールでシュート。だがこれは相手DFに当たる。34分、アイスランドはジグルザルドッティルに代えてCBアナシ。41分には右WGスベインディス・ヨンスドッティルを下げて、ギスラドッティルを投入する。43分、CH林から左に展開。左SH長野のクロス違FW植木がシュートするも、枠の外。アイスランドも45+1分、トマスドッティルから右に流して、マグヌスドッティルがシュート。45+1分、日本はFW田中がミドルシュートを放つが、枠を捉えられない。そしてタイムアップ。0-2で池田ジャパンは初戦を飾ることはできなかった。

 高倉監督時代のようにブロックを作って守りから入るのではなく、まずは前からプレスをかけて、流動的に選手が動いて、攻撃をしていく。だが、シュートはなかなか打たせてもらえず、逆にロングボールからのカウンターで2失点。厳しい船出となってしまった。しかしすぐに次はオランダ戦が待っている。今度は岩渕や菅澤を積極的に起用していくだろうか。池田監督のやりたいサッカーはだいぶ見えていた。だが、高く強い相手に対して、最後は力負けしたという感じ。何とかこの高い壁を感じず、無力化できないか。それがなでしこのこれからの課題だろう。次のオランダは現在FIFAランク4位。2019年W杯では決勝トーナメント1回戦で日本に勝利して準優勝を遂げた。あれから2年。池田ジャパンはどんなサッカーを見せてくれるだろうか。オランダ戦も楽しみに観戦したい。