とんま天狗は雲の上

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W杯アジア最終予選グループB第8節 日本vs.サウジアラビア

 正念場のホーム2連戦。中国に快勝した2戦目はグループ首位を行くサウジアラビア。勝ち点差は4。サウジが勝てばW杯出場が決まる。だが、実のところ、そこまで目指してはいないだろう。次節で日本と3位オーストラリアが対戦することを考えれば、引き分けでも十分と考えているはず。日本の布陣と先発メンバーは中国戦と同じ4-3-3。久保や堂安の先発も期待したが、まずは前半を無失点で行きたいということだろうか。対するサウジは4-2-3-1の布陣。アルブライカンをトップに、トップ下にカンノ。SHは右にアルムワラド、左にアルドサリ。ボランチはアルマリキとアルハッサン。DFは右SBスルタン・アルガンナム、左SBアルシャーラニ。CBにアルアムリとアルブレイヒ。GKはアルオワイス。10月の対戦からは4人代わっているが、中でも中盤の司令塔アルファラジの欠場は痛いかもしれない。

 序盤、サウジは積極的に攻めてくる。また大迫に対する守備が厳しい。前半5分でさっそくイエローカードをもらった。一方、日本はしっかりと守備で戦う。お互いシュートなく時間が過ぎていく。23分には伊東と交錯したCHアルマリキがケガでアルハイブリと交代した。両チーム最初のシュートはようやく27分、サウジが左SHアルドサリのCKのクリアを左SBアルシャーラニミドルシュート。しかしその直後から日本が攻撃を強めていく。

 29分、右WG伊東が仕掛けて、左SBアルシャーラニを抜いてシュート。GKアルオワイスがセーブする。そして32分、CH遠藤の縦パスを右WG伊東が落とすと、右SB酒井の縦パスに伊藤が走り込む。CBアルブレイヒが先に身体を入れたかと思ったが、伊東が粘って抜き去ると、クロスをCF大迫がスルー。左WG南野が切り返しでDFを滑らせてシュート。GKに当たったボールはそのままゴールに転がり込んだ。中盤から見事な流れ。特に右WG伊東の速さが際立った。

 41分には右IH田中のスルーパスに右WG伊東が抜け出し、シュート。これはGKアルオワイスがナイスセーブ。45+4分には左SB長友のクロスのクリアをCH遠藤がミドルシュートを放つが、これは枠の外。前半はこのまま、日本が1点リードして折り返した。

 後半は序盤から日本が攻勢をかける。3分、右WG伊東のスルーパスに右SB酒井が上がり、クロスを左WG南野がシュート。そして5分、サウジのCHアルハイブリが自陣からドリブルで運ぼうとしたところに右WG伊東が寄せ、CH遠藤が奪うと、左WG南野が左に流す。左SB長友が大きく右に展開すると、右WG伊東が強烈なミドルシュート。ゴール左上に突き刺さり、日本が追加点を挙げた。展開も良かったが、何よりシュートがすばらしい。

 サウジは10分、アルムワラジとアルハッサンを下げて、右SHバハビルとCHアブドゥルハミドを投入する。20分、CHアブドゥルハミドのフィードを左SB長友が飛び出して、ヘディングでカットすると、受けた左WG南野がカットインからミドルシュート。サウジも23分、右SHバハビルのクロスのクリアをCHアブドゥルハミドがミドルシュート。GK権田がセーブする。直後、日本は大迫と長友を下げて、CF前田、左SB中山を投入した。

 攻勢を強めるサウジに対して、日本は集中してよく守る。30分、サウジはアルブライカンとアルガンナムを下げて、FWアルハムダン、右SHハリド・アルガンナムを投入。カンノをボランチに下げて、アブドゥルハミドを右SB、バハビルをFWに上げる4-4-2の布陣に変更する。日本は32分、左WG南野に代えて浅野を投入。すると37分、右SB酒井の縦パスを右WG伊東が落とし、右IH守田の縦パスをCF前田が右に流すと、右SB酒井のクロスに左WG浅井がシュート。しかしバーの上に外れる。45分にはCH遠藤を右IH原口に交代。守田をアンカーに下げて、前線からの守備を強化する。45+2分、左CB中山の縦パスに左WG浅野が走り込み、中へのパスに左IH田中が走り込み、前に持ち出すが、何とかCBアルアムリがクリアする。そしてタイムアップ。2-0。日本がホームで2連勝。首位サウジとの勝ち点差を1に縮めた。

 実に引き締まったいいゲームだった。3位オーストラリアはオマーンと引き分けて、これで日本との勝ち点差は3に広がった。第9節はそのオーストラリアとアウェイで対戦する。しかし得失点ではオーストラリアの方が上。負ければ順位がひっくり返る。そしてサウジが中国に勝てば、サウジの2位以上が決まる。連勝でほっとはしたが、全く予断は許さない。次のオーストラリア戦こそが本当の正念場だ。