とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

現在の新型コロナ対策を考える。

 前に勤めていた会社の同僚が新型コロナに感染し、10日の自宅療養を経て、仕事に復帰した。その間の状況をFACEBOOKで詳細に報告してもらった。本人は療養施設の不足で自宅療養となり、発熱は最高で37.8度。二度、解熱鎮痛剤を飲んだら平熱に戻り、咳と鼻水は4・5日続いたものの、それも無事に収まり、その後は自宅で静養していたとのこと。保健所へ毎日アプリで体温等を報告し、10日目に電話があって、無事終了。一方、同居していた奥さんは濃厚接触者だが、無症状のため、検査もなく、7日間、マスク生活をして無事解放された。また、職場のことは報告がなかったが、たぶん、「濃厚接触者はいない」という判断だったのだろう。彼は幸い、子供は既に巣立った後なので、その程度の対応で済んだが、子供や老親などが同居していると、もっと大変だったかもしれない。

 この投稿や、先日、中日新聞に掲載された感染した記者による記事を読むと、やはり感染者の症状よりも感染対策による社会的影響の方が大きいように思われる。となれば、多少の発熱や咳・喉の痛み程度であれば、病院等へは行かず、市販の風邪薬などを飲んで、出勤するという選択をする人も多いのではないか。正直、私も、37度を超える発熱はないが、軽い喉の痛みや頭痛の日もあった。しかし、病院へ行って万一、陽性反応が出たら大変と思い、行かずに済ませてしまった。

 新型コロナ対策はどうあるべきか、特に重症化が少ないと言われるオミクロン株が流行を始めて以降、多くの意見がネットやメディアを賑わせている。何が正解かというのは、このパンデミックが完全に終結した後でなければ言えないかとは思うが、現時点での方向性は二つ。中国のように完全に抑え込むか、日本や欧米等のようにある程度の感染と死亡は許容するか。

 前者で行くのであれば、今、オリンピック会場で行われているように、毎日のようにPCR検査を行い、早期に感染者を見つけ、封じ込める必要がある。若しくは、陽性者には休職中の生活費を十分に支給するなどの方策により、人々が積極的に検査を受ける方向へ誘導する必要がある。しかし日本では、検査を受けたくても試薬が足りない状況。とても前者で行ける状況にはない。もっともグローバル化の時代、台湾やニュージーランドの例を出すまでもなく、全世界で取り組むのでない限り、完全抑え込み対策の完全実施は難しい。

 それで現状は各国で、感染状況を勘案しつつ、隔離期間の短縮などを模索している状況。「感染対策か、経済か」と言われるが、「経済」よりは、学校や保育所の運営と子育て世帯の対応などの社会的な影響が大きいというのが現実ではないか。日本でも、欧米等には遅れているが、徐々にそうした方向に舵を切りつつある。一方で、重症者・中症者に対する医療体制はしっかり確保する必要がある。大阪では既にその点で医療崩壊しつつあると言われるが、他県では何とか現状で踏ん張っていきたい。そのための自宅療養の拡大も仕方ないのではないかと思われる。

 現状、日本で実施されている対応は、大阪を除いて、大きく間違っていないように思われるが、疑問なのはワクチン対策。まだ高齢者に対する3回目のワクチン接種もワクチンの不足で進んでいない中で、子供へのワクチン接種を始めると言う。だが、実際のところ、ワクチン接種にどこまで効果があるのか。重症化を抑えると言うが、一方でワクチンによる健康被害も懸念される。また、2回ワクチン接種をした人の感染は報告されるが、既に一度感染した人が再び感染した事例はどうなのか。上述の元同僚に尋ねたところ、「3回目のワクチン接種券が既に届いているので、3月位にはワクチン接種をしようかな」と言うが、大丈夫かな。

 日本におけるこれまでの感染者の割合は、10万人当たり2600人を超える。検査を受けていない人を考えると、既に1割以上の国民が感染しているのではないか。野党などは「日本ではワクチン接種が遅いから、オミクロン株の感染拡大のピークも遅くやってきた」と言うが、ワクチンの効果を言うのであれば、感染者数ではなく、重症化率を比較すべき。特に日本で重症化率が高いという話を聞かないのであれば、そもそもワクチン効果があったのかという話にもなりかねない。

 ということで、ワクチン接種に対しては、私自身は大いに疑問を持ち、かつ不安を持っている。もっともワクチン接種による被害は若い人を中心に発生しているようだし、自然免疫機能を棄損するという話も高齢者にはあまり意味はないかもしれない。先日、妻と一緒にかかりつけのクリニックへ行ったら、既にワクチン予約はストップしており、今月中旬まで待ってほしいと言われた。ワクチン接種の予約ができる頃、日本の感染状況はどうなっているだろうか。感染がすっかり収まっているといいのだけれど。