グランパスの開幕戦は昨季ACL出場権を懸けて競ったヴィッセルが相手。コロナ陽性者が出たことで練習試合が十分にできなかったグランパスだが、コロナ禍に翻弄されたのは他のチームも同じだ。前田直輝と山崎が移籍し、シュヴィルツォクの去就が不明な中、サガンから酒井宣福と仙頭が加入。また、シャビエルと米本が移籍した中盤には仙頭とレオシルバ。木本とキムミンテが移籍したCBにはレオシルバとチアゴが加入した。そして彼らは全員、先発で出場。長谷川監督の意志が感じられる。
グランパスの布陣は4-2-3-1。酒井宣福をトップに、トップ下に仙頭。SHには右に相馬、左にマテウス。昨季とは左右を入れ替えた。ボランチはレオシルバと稲垣。SBは右に宮原、左に吉田。CBはチアゴと中谷。GKには今年もランゲラックが立ちはだかる。一方、ヴィッセルの布陣は4-3-1-2。大迫と武藤の2トップ。汰木がトップ下に入り、ボランチはサンペールをアンカーに、右IH山口、左IH扇原。ただし、山口はトップ下まで上がることも多く、その場合は汰木が右サイドに下がる。DFは右SBに槙野、左SBに酒井高徳。酒井宣福とは兄弟対決だ。CBは小林友希と大崎。GKは前川。イニエスタはベンチにも入っていない。
序盤はお互い様子見な感じ。お互い中盤の守備がしっかりしている中で、簡単には攻め込めない。それでも少しずつヴィッセルがパスを回し、攻勢を取っていく。と、23分、CB大崎に対して左SHマテウスがプレスをかけて奪うと、左に流して、OH酒井宣福がクロス。OH仙頭のヘディングシュートはGK前川がセーブするが、こぼれ球にCH稲垣が走り込み、シュート。グランパスが先制点を挙げた。25分にはOH仙頭からのパスにCF酒井宣福がシュート。だが空振り。ヴィッセルも32分、左IH扇原のCKに右SB槙野がヘディングシュート。だがバーの上を越えた。
グランパスは34分、右SH相馬がOH仙頭とのワンツーで走り込み、クロスに左SHマテウスがループシュート。GK前田がキャッチする。ヴィッセルは36分にも扇原のCKに右SB槙野がヘディングシュート。だが枠を捉えることはできない。40分、ヴィッセルは左SB酒井高徳の縦パスにFW武藤が走り込み、クロスのこぼれをOH汰木がシュート。DFがブロックする。42分にはOH汰木からのパスを右SB槙野がシュート。だが右に外れる。グランパスも43分、GKランゲラックからのフィードをCF酒井宣福がフリック。左SHマテウスが右に流して、右SH相馬がシュート。しかし右に外れる。
グランパスは昨季と同様、しっかりと守備もしつつ、カウンターを狙う。だが昨季よりは人数をかけた攻撃ができている。また、ヴィッセルの攻撃が中央に固まる中、サイドからの
攻撃が効果的だ。後半は開始1分、OH仙頭のパスから左SHマテウスがシュート。その後もグランパスが積極的に攻めていく。そして6分、左SHマテウスがGKとDFの間に放り込む速いクロスに左SB酒井高徳の対応が遅れ、蹴り出したボールがそのままネットに突き刺さった。オウンゴール。グランパスが追加点を挙げた。
これで楽になったグランパスは、その後もイキイキとプレーする。10分、右SH相馬がカットインからミドルシュート。13分にはCHレオシルバがドリブルで持ち上がり、スルーパスにCF酒井宣福が抜け出す。すると堪らず左IH扇原が引き倒す。一発レッドカードで退場。ヴィッセルが一人少なくなってしまった。17分、ヴィッセルは汰木と槙野を下げて、トップ下にボージャン。左SBに初瀬を投入。酒井高徳を右SBに回し、武藤を右SHに下げる。4-3-1-1。グランパスは27分、マテウスと相馬の両SHを下げて、トップ下に柿谷、右SHに森下。仙頭は左SHに下がる。一方、ヴィッセルも29分、サンペールを下げて、FWリンコン。ボージャンを左SHに下げて、山口をアンカー。布陣は4-3-2。
33分にはOH柿谷のバックパスをFW大迫に奪われて、GKと一対一。だがDFも下がってきて、シュートはGKランゲラックがセーブ。39分にはCHレオシルバを下げて、長澤を投入。43分にはCH稲垣のパスからCH長澤がクロス。CF酒井宣福が胸トラップからボレーシュートを放つが、GK前田がファインセーブ。直後にはCH長澤のパスからOH柿谷がミドルシュートを放つが、枠を外れる。そしてタイムアップ。2-0。もっと難しいゲームになるかと思ったが、イニエスタの不在も大きく、幸先よく開幕戦を勝利した。
ヴィッセルはドウグラスの移籍、そして昨夏の古橋の穴を埋め切れていない印象。両サイドで走れる選手が少ないのもゲームを難しくしている。一方、グランパスは左SHに回ったマテウスが昨年以上にイキイキしている。トップは酒井宣福一人では厳しいが、金崎もいる。今年はACLもないので、現状メンバーで大暴れしてほしい。今季に期待が持てる開幕戦だった。
