とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

W杯アジア最終予選 グループB第10節 日本vs.ベトナム

 オーストラリア戦でW杯出場を決めた日本。その後、遠藤と板倉も離脱し、先発はオーストラリア戦からCB吉田と右SB山根を除く9人が交代。しかし、4-3-3の布陣は変えない。ワントップには上田、右WGに久保、左WGは三苫。中盤は柴崎をアンカーに、右IH原口、左IHに旗手。DFは右SB山根、左SB中山。CBは吉田と谷口。GKには久しぶりに川島が入った。

 ベトナムはここまで1勝8敗。グループ最下位は決まっているが、ベトナム・ホームでの対戦は日本の1-0とけっこう辛勝で、しっかりしたチームという印象がある。ベトナムの布陣は3-4-3。グエン・コン・フォンをトップに、右WGグエン・クアン・ハイ、左WGファム・トゥアン・ハイ。中盤はボランチにドー・フン・ズンとグエン・トゥアン・アインが並び、右WBホー・タン・タイ、左WBブー・バン・タイン。CBは右からブイ・ホアン・ベト・アイン、クエ・ゴック・ハイ、グエン・タイン・ビン。GKはチャン・グエン・マイン。

 序盤、日本は慎重な立ち上がり。5分、左WG三苫のドリブルからクロスを入れるが、ゴール前に走り込んだ右WG久保のシュートはうまく当たらず、ポスト右に外れた。一方、ベトナムは前半、積極的に前から追い込み、攻めていく。日本が優勢ではあるのだが、連携ミスも多く、左WG三苫の個人技だけが目立つ感じ。17分にも左WG三苫のドリブルから右へ展開。右WG久保のクロスのこぼれ球を右IH原口がミドルシュートを放つが、枠は大きく外した。そして19分、ベトナムはCKのチャンス。CFグエン・コン・フォンの蹴ったボールに左CBグエン・タイン・ビンがヘディングシュート。これが見事にネットに突き刺さる。何と、ベトナムが先制点を挙げた。

 これでようやく目が覚めたか、その後は日本が攻め始める。23分、右WG久保の縦パスに左IH旗手が抜け出し、シュート。26分には右WG久保のドリブルから、クロスに左IH旗手がヘディングシュート。28分、CH柴崎のFKにCF上田がヘディングシュート。29分には左WG三苫のドリブルからCF上田がシュート。30分、CH柴崎のミドルシュートも枠を捉えられない。35分、CH柴崎の縦パスから右IH原口がミドルシュートを放つ。わずかにポスト左に外れた。

 右サイドは、中に切れ込む右WG久保と右IH原口のポジションが重なって、うまく機能しなかったが、原口が右サイド下がり目に位置し、右SB山根を押し上げて、ようやく攻められるようになってきた。一方、左サイドも左WG三苫の個人技での突破ばかりが目立つ。40分、左WG三苫の縦パスにCF上田が走り込んで、シュートもDFがブロック。44分、CF上田の落としを右WG久保がミドルシュート。しかしこれもDFにブロックされる。45+1分、左WG三苫の仕掛けから戻しを左SB中山がクロス。右WG久保がヘディングシュートするも、GKチャン・グエン・マインがセーブ。直後の右WG久保のミドルも枠を外れた。前半はこのままベトナムの1点リードで折り返す。

 後半頭から日本は旗手を下げて、右SH伊東を投入。久保をトップ下に入れる4-2-3-1に布陣を変更した。するとようやく日本が攻め始める。5分には久保のCKからCH柴崎がミドルシュート。そして9分、CB吉田がパスカットからドリブルで持ち出すと、左に送って、OH久保のパスからCH原口がミドルシュート。GKが弾いたこぼれ球にCB吉田が抜け出してシュート。日本が同点に追い付いた。

 ベトナムは13分、CFグエン・コン・フォンに代えて、ハー・ドゥク・チンを投入する。14分、右SH伊東から右にはたくと、右SB山根のパスにCF上田が走り込んで、落としを右SH伊東がシュート。だがわずかにバーの上に外れる。15分にはOH久保がCF上田との縦のワンツーからミドルシュート。だがGKチャン・グエン・マインがナイスセーブ。16分、ここで日本は久保、原口、柴崎を下げて、トップ下に南野。ボランチに田中碧と守田を投入する。そして18分、ベトナムのCKから日本がカウンター。右SH伊東がドリブルで運び、クロスをOH南野が左に流すと、CH田中のパスから左SB三苫がシュート。しかしこれもGKチャン・グエン・マインがファインセーブする。

 20分、CF上田の落としからCH田中がミドルシュート。22分には右SH伊東のクロスをCF上田がヘディングシュート。だが枠に入らない。ベトナムは21分、CHグエン・トゥアン・アインを下げて、グエン・ドゥク・チエンを投入。そして25分、左SH三苫からのパスをCH田中が繋ぎ、CF上田がシュート。OH南野に当たったこぼれ球をCH田中碧がシュート。ネットを揺らす。ようやく日本が勝ち越した、と思ったら、主審はVSRを確認。上田のシュートが南野の手に当たっていたとして、ゴールは取り消された。

 32分、左SB中山の縦パスにOH南野がシュート。続く右SH伊東のCKをGKチャン・グエン・マインがパンチングでクリアすると、CH守田が拾って左サイドへクロス。CB谷口のヘディングシュートはGKチャン・グエン・マインがセーブ。さらにポストに当たってのはね返りをCB吉田がシュートするが、わずかにポスト右に外れた。43分には右SB山根の縦パスをCH田中が落とし、CF上田がシュート。ネットを揺らしたが、田中の位置がオフサイド。これもゴールにならなかった。結局このままタイムアップ。1-1。W杯最終予選最後の試合はドローで終わった。

 メンバーをかなり変えてのゲームで勝利できなかったのはしょうがない。遠藤、守田、田中のスリーボランチにしてから連勝してW杯出場を決めた日本だったが、この3人のうち一人でも欠けると同じサッカーができない。特に遠藤の代わりがいない。このゲームでは柴崎を起用したが、遠藤ほどの守備力はなく、本選ではなおのこと代わりにならない。他に人材を求めるなら、橋本や板倉らになるのかもしれないが、これまでほとんど試していない。また、得点不足も相変わらず。久保が積極的に中に切れ込んでプレーをしたが、右サイドの連携に不安が残り、厚みのある攻撃には至らなかった。伊東が使えない時にどういうサッカーをするのか見えてこない。というか、遠藤と言い、伊東と言い、スペシャルな選手頼みのサッカーでは、彼らがいない時に困ってしまう。結局、このゲームでは三苫の個人技に頼るしかなかった。

 まだまだ本選までやるべきことは多い。というか、森保監督で本当に大丈夫なのか? 本選に向けて、一度リセットし、ゼロから考え直す必要がある(5000円給付じゃないけど)。森保監督に対する選手の信望は厚いようなので、たとえば森保をヘッドコーチに置いて、選手との信頼は確保しつつ、外国人監督を招集するという方法も検討する必要があるのではないか。