前節もサンガに先制するもすぐに追いつかれてドロー。これで5試合勝利がないグランパス。マリノスはベトナムで開催されたACLグループリーグを首位で突破。1試合少ないながら4位につける。元より勝利は期待していなかったが、しかしやはり今のグランパスはあまりに不運。このゲームを観て、そう強く感じた。
マリノスの布陣は4-2-3-1。レオセアラをトップに、アンデルソン・ロペスとエウベルが左右に開き、トップ下には久しぶりに出場のマルコス・ジュニオール。ボランチは岩田と喜田が並ぶ。DFは右SBに小池、左SB永戸。畠中とエドゥアルドのCBにGKは高丘。対するグランパスはこのゲームでも3-5-2の布陣を取る。酒井とマテウスが2トップに入り、中盤はレオシルバをアンカーに、右IH稲垣、左IH仙頭。WBは右に森下、左に吉田。CBとGKは前節と同じ。
開始3分、マリノスが左SB永戸のCKからCFレオセアラがヘディングシュート。だがGKランゲラックががっちりキャッチする。このゲームのグランパスは序盤から積極的にプレスをかけていく。マリノスもしっかり受けてお互い互角の展開。22分、左SB永戸が強烈なミドルシュートを放つが、わずかにバーの上を越えた。そして24分、FKマテウスのCKにCB中谷がニアに走り込み、ヘディングシュート。グランパスが先制点を挙げた。
30分にはCH岩田が足を痛め、藤田と交代する。先制点で俄然前からのプレッシングも強まったグランパス。さらに勢いづいて攻めるが、35分、中盤深い位置で与えたFKをCH喜田が蹴ると、CB丸山が積極的に前に飛び出してブロック。しかしこれが不運にも後ろに飛んで、オフサイドの位置にいた左SHエウベルがヘディングシュート。マリノスが同点に追い付いた。CB丸山の積極的な守備が失点に結びついてしまう。
マリノスは42分、左SHエウベルがカットインからシュートを放つが、CB丸山がブロック。こぼれ球を右SHアンデルソン・ロペスが拾ってシュートを放つが、これもCB丸山がブロックする。この一連のプレーの中で左SHエウベルが足を痛め、前半終了までマリノスが一人少ない状況でプレーすることを余儀なくされる。続く永戸のCKのクリアをOHマルコス・ジュニオールがボレーシュートするが、枠は捉えられない。グランパスも45分、CB丸山の縦パスにFW酒井が走り込み、GKの手前でヘディング。これにFWマテウスが走り込むが、手前でCBエドゥアルドがクリアした。残念。前半はこのまま1-1で折り返した。
マリノスは後半最初、ケガのエウベルに代えて、左SHに仲川を投入する。後半早々グランパスが攻勢をかける。1分、FWマテウスのクロスにFW酒井が飛び込むが、わずかに届かず、GK高丘がファインセーブで弾く。ポストにはね返された。そして6分、右サイドからのFWマテウスのFKはGK高丘がファインセーブ。しかし続くマテウスのCKにCB藤井がニアで合わせてヘディングシュート。ゴールに飛び込む。勝越し点!かと思ったら、VARに審議が長引く。藤井のシュート時にゴール前に走り込んだCB丸山と左IH仙頭の位置がオフサイド。だが二人ともボールには触れなかった。先頭の前にはDFはおらず、丸山の前にいたGK高丘のプレーに影響したかどうかの判断だと思うが、主審の判定はオフサイド。しかしGK高丘も藤井の弾道に一歩も動けなかったと思う。グランパスにとっては悔しい判定となった。
17分、グランパスはFKを得たところで左IH仙頭に代えて柿谷を投入する。マテウスのFKはゴール左上角に当たってはね返った。ああ、これも不運! 19分、マテウスのショートCKから右WB森下がミドルシュート。DFに当たって走り込んだCB丸山のところに飛ぶが、うまく合わせることはできなかった。うーん、前半マリノスは同じような形でゴールを挙げたのに。22分には右WB森下のクロスに左WB吉田がミドルシュートを放つが、ポスト右に外れた。
押され気味のマリノスは28分、レオセアラとマルコス・ジュニオールに代えて、右SH水沼、FWに西村を投入。アンデルソン・ロペスをFWに上げて、4-4-2の布陣に変える。一方、グランパスも30分、吉田と藤井に代えて左WB相馬、CBチアゴを投入する。解説の中田がチアゴのポジショニングが藤井に比べて低いと指摘していたが、その影響か、この後マリノスが攻める場面が多くなってくる。押し込まれたグランパスは38分、マテウスがCKを直接狙うが、バーの上に外れた。30分、マリノスは左SB永戸を角田に交代する。
そして41分、CH藤田から左に流すと、FW西村の縦パスに藤田が走り込み、落としをFW西村がミドルシュート。GKランゲラックがナイスセーブで弾き返すが、FWアンデルソン・ロペスが詰めてシュート。マリノスが勝越し点を挙げた。またゲーム終了間際に逆転されたグランパスは43分、酒井と森下に代えて、FW金崎と右WB内田を投入。長いアディショナルタイムの45+7分、マテウスのCKに左IH柿谷がファーサイドでヘディングシュートを合わせるが、サイドネット。そしてタイムアップ。結局終わってみれば1-2。またも逆転負けを喫してしまった。
後半30分まではグランパスの方がプレスもよかったし、チャンスも多かった。だが決めきれない。惜しいシュートはバーにはね返され、決まったと思ったらオフサイドの判定。不運としか言いようがないが、それ以上にゴールを決められなかったことも事実。前節の終盤、3-4-3に布陣で可能性が見えたかと思ったが、今節はまた3-5-2でスタートし、結局セットプレーでしかゴールは挙げられなかった。ここまで戦っても敗戦に選手のメンタルが心配だが、次はホームに戻ってのセレッソ戦。セレッソもいいゲームをしながら思うように勝ち点が伸びていない印象だが、それでも既に4勝を挙げて7位。いったんホームに戻って、リセットして、チャレンジするしかない。焦れずに頑張ろう。次こそ勝利を期待したい。