とんま天狗は雲の上

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J1リーグ第15節 名古屋グランパスvs.アビスパ福岡

 ようやく今季初めての連勝を飾ったグランパスアビスパ相手に3連勝と行きたいところ。対するアビスパはここまでリーグ最少失点と手堅いサッカーで10位。前節はマリノス相手に勝利をしている。勝ち点差はわずか1。勝てば順位も一桁台に上がる可能性がある。

 中3日の連戦に、グランパスは選手を4人交代。布陣も初めて先発から3-4-3の形でゲームに入る。FWは柿谷をトップに、シャドーにマテウスと仙頭。中盤は右WB森下、左WB相馬。ボランチには稲垣と並び、前節途中から入っていいプレーをした宮原が先発した。DFはチアゴが久しぶりの先発で中央に入り、左右に中谷と丸山が並ぶ。GKはランゲラック。一方のアビスパは4-4-2。山岸とルキアンの2トップに、右SH金森、左SH北島。ボランチは前と中村駿。DFは右SBに湯澤、左SB志知。宮とグローリのCBにGKは村上。

 序盤、グランパスがパスを回してゲームを作っていくが、アビスパも前からプレスをかけて、なかなか敵陣へ入っていけない。ようやく13分、左FW仙頭が放ったミドルシュートが両軍初めてのシュート。だが15分、右WB森下が仕掛けると、左SB志知が倒して、右サイド深い位置でFKをもらう。これをマテウスが蹴ると、ニアに走り込んだ柿谷の足の間を抜け、ゴール前に詰めたCB中谷の足を掠めて、ゴールに飛び込んだ。柿谷に当たっていれば中谷がオフサイドだが、VAR判定の末、中谷のゴールが認められた。中谷は本当に触っていたのかな? 何はともあれ、これで6試合連続の先制点。

 その後はグランパスがペースを握る。23分、左WB相馬のクロスは飛び込んだ右FWマテウスにわずかに届かなかったが、24分にはマテウスのCKにCBチアゴがヘディングシュート。26分には左WB相馬がFKを直接狙う。だが43分、ルーズなボールをFW山岸が先に触って抜け出そうとした膝にCBチアゴの振り上げた足裏が入る。ファール。VARの末、主審はレッドカードを提示した。厳し過ぎる感もあるが、仕方ない。45分、グランパスは仙頭を下げてCB藤井を投入。前線を2枚にして、3-4-2の布陣を取る。45+1分、左SH北島のFKをGKランゲラックがパンチングではね返すと、こぼれ球をCH中村がボレーシュート。だが大きく枠を外れる。前半はこのままグランパスのリードで折り返した。

 後半は一人多くなったアビスパが攻め立てる。5分、左SH北島のミドルシュートはCB藤井がブロック。グランパスも集中した守りでアビスパにシュートを許さない。すると11分、アビスパは北島、金森、湯澤を下げて、左SH田中達也、右SHクルークス、右SB柳を投入。グランパスも13分、マテウスと柿谷を下げて、CF酒井と右IHレオシルバを投入。前線を酒井の1枚にして、スリーボランチ。稲垣をアンカーに置き、守備を固めた。

 19分、FWルキアンのクロスにFW山岸がヘディングシュートするが、ポストの左。23分には左WB相馬がミドルシュートを放つ。直後、アビスパはCH中村に代えてFWフアンマを投入。山岸を中盤に下げ、前線に高さと強さを加えた。さらに32分には左SB志知に代えて田邉草民。攻めるアビスパ。守るグランパス。36分、相馬のCKにCB中谷のヘディングシュートはポストの右。37分、右SHクルークスのミドルシュートはCB丸山が身体を張った。39分、CF酒井がロングシュートを放つが、枠は捉えられず。そして44分、CH前のクロスにFWフアンマがヘディングシュート。ネットが揺れたが、線審が旗を挙げていた。オフサイド。助かった。45+1分には丸山に代えてCF石田を投入。酒井をCBに下げる。45+4分、右SHクルークスのクロスに左SH田中達也がシュートを放つが、ポストの右。そしてタイムアップ。1-0。チアゴの退場で一人少ない状況ながら、前半の先制点を守り切ってグランパスが勝利した。

 これで3連勝。順位も9位にまで上げた。守りに徹しざるを得なかった後半。昨季の鉄壁の守備力が蘇った。ウノゼロ。懐かしい言葉だ。追加点を挙げられなかったのは残念だが、それも仕方ない。次戦のお楽しみにしよう。次節は土曜日に好調サンフレッチェが相手。だが今節サンフレッチェはコロナ陽性者が多数出た関係でゲームが中止になった。次節もゲームが行われるかわからない。仮に中止となれば、その後は代表戦もあって、しばらくJリーグはお休みに入る。この間、天皇杯ルヴァン杯はあるが、しっかり調整して、夏以降の連勝、順位上昇へつなげたい。昨季までの堅守を思い出すいいゲームだったと思う。