とんま天狗は雲の上

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J1リーグ第16節 サンフレッチェ広島vs.名古屋グランパス

 前節3連勝を決めて、ようやく9位まで順位を上げてきたグランパス。一方、サンフレッチェは前節、複数のコロナ陽性者があってガンバ戦が中止になった。それから中2日。てっきりこのゲームも中止になるかと思っていたが、無事開催。それも土曜日のデイゲーム。両チーム、コンディション的には大きく差があるはず。それでも勝ち点差はわずか1。勝てば順位も逆転するだけに、グランパスに必死のがんばりを期待したいところ。

 サンフレッチェの布陣は3-5-2。ベンカリファとジュニオール・サントスの2トップに、満田と柴崎がトップ下に入り、アンカーは野津田。WBには右に藤井智也、左に柏が開く。3バックは右から塩谷、荒木、佐々木。GKは大迫。久しぶりに見るサンフレッチェは懐かしい名前と新しい戦力が融合して、これまでとは全く違うチームになっている。対するグランパスは前節と同じ3-4-3。柿谷をトップに、右FWマテウス、左FW仙頭の2トップ。右WB森下、左WB相馬が開き、ダブルボランチは稲垣とレオシルバ。3バックには前節レッドカードで出場停止のチアゴに代わって藤井が入り、中谷と丸山が左右を占める。GKはランゲラック。レオシルバと藤井以外は前節と変わらない先発陣だ。

 序盤から両チーム、厳しく前からプレスをかけ合い、引き締まった試合展開。6分、サンフレッチェがCH野津田のCKのクリアを左IH満田がミドルシュート。さらに7分、野津田のFKをGKランゲラックがキャッチングしようとして前に弾くと、左WB柏がヘディングシュート。CF柿谷がライン上でクリアする。しかしこのプレーの後、GKランゲラックが右足を気にして倒れ込む。結局9分、GK武田と交代した。

 開始早々のアクシデントで心配したが、GK武田は落ち着いてプレー。逆にこの時間、グランパスが攻めていく。16分、左WB相馬のCKのクリアをCH稲垣がボレーシュート。19分には右FWマテウスのFKのクリアをCH稲垣がボレー。マテウスは21分にもミドルシュートを放つが、ポスト左に外れた。一方、直後にはサンフレッチェもCB佐々木のフィードに走り込んだ右IH柴崎の落としをFWジュニオール・サントスがシュート。だがCB丸山がブロックする。22分にはCHレオシルバのサイドチェンジのパスを右WB藤井智也がカットしてそのままドリブル。クロスにFWベンカリファが合わせてシュート。右のポストにはね返ると、さらにヘディングシュート。だがGK武田が抑えた。

 お互い譲らぬ互角の展開。29分、左IH満田がミドルシュートを放てば、グランパスも32分、右FWマテウスがFKを直接狙うが、GK大迫が落ち着いてキャッチする。前半はこのままスコアレスで折り返した。すると後半頭からグランパスはCF柿谷を下げて石田を投入する。

 後半はサンフレッチェがやや優勢。押し込んでいく。それでも堅い守備で守るグランパスは8分、右FWマテウスミドルシュート。10分には左WB相馬がミドルシュートを放っていく。そして13分、サンフレッチェが攻め込むと、PA右手前の位置で左IH満田に対してCHレオシルバが身体を当てて倒し、FKを献上する。これをCH野津田が壁の上から落とし、直接ゴール。サンフレッチェが先制点を挙げた。

 反撃するグランパスは15分、CHレオシルバがCF石田に縦パスを打ち込むが、手前で右CB塩谷がカット。縦パスを受けた左IH満田のスルーパスにFWベンカリファが抜け出してシュート。だがGK武田がナイスセーブで弾き出す。17分、グランパスは仙頭と森下を下げて、左FW酒井、右WB内田を投入する。18分、FWベンカリファのミドルシュートもGK武田がキャッチ。21分、FWサントスから右に出して、右WB藤井智也のクロスにFWサントスがヘディングシュート。だがこれはポスト左に外れた。23分、右IH柴崎を下げて、東を投入。その後も前からのプレスが厳しいサンフレッチェに対して、グランパスがなかなか攻められない。28分にはFKから左IH満田が中へ持ち込み、ミドルシュートを放つ。GK武田がナイスセーブ。

 すると30分過ぎ辺りからグランパスは石田を右WBに下げて、内田をトップ下。酒井とマテウスの2トップにする。サンフレッチェは35分、柏を下げて、ボランチに青山を投入。東を左WBに上げ、野津田の位置も高くする。またFWジュニオール・サントスに代えて、かつてグランパスにも在籍した永井龍を投入した。グランパスも36分、CHレオシルバを下げて、阿部を投入する。40分、CH稲垣の縦パスをFW酒井が落とし、FWマテウスミドルシュート。だが枠には入らない。45+3分、サンフレッチェは満田と野津田を下げて、CH野上と長沼。守りを固める。直後、グランパスも相馬のロングスローからこぼれ球をCH稲垣がボレーシュートを放つが、DFがブロックした。そしてタイムアップ。1-0。サンフレッチェが勝利。グランパスの連勝は3で止まった。

 だがいいゲームだった。お互い、堅い守備に、前から積極的にプレスをかけて、速い攻撃を狙う。グランパスの左WB相馬とサンフレッチェの右WB藤井智也の対決も面白かったが、藤井が相馬の握手を無視したのはいただけない。また、大卒ルーキーの満田もよく効いている。野津田のFKは絶妙で、先制点は仕方ない。ゴールを挙げられなかったのもサンフレッチェの守備を考えれば仕方ない。終盤にはコンディションの差も響いた。この後、リーグ戦はお休み。3連勝で何とか10位まで順位を挙げられたのはよかった。この期間を利用し、さらなる攻撃力の構築に努めてほしい。後半戦、前半とは見違える活躍を期待したい。