とんま天狗は雲の上

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J1参入プレーオフ決定戦 京都サンガvs.ロアッソ熊本

 本当は土曜日に実施されたなでしこジャパンイングランド戦を観るつもりだったが、予約したはずが録画できていない。仕方なく、何となく、J1参入プレーオフを観ることになってしまった。どうせJ1のサンガが勝利するだろうと思い、また結果的にはそのとおりではあったが、意外に面白い。先日の天皇杯ではJ2・18位のヴァンフォーレがJ1・3位のサンフレッチェを破って優勝したが、J2のレベルもかなり高い。しかもロアッソは、昨季はJ3で戦っていた昇格組。J2では4位だったが、プレーオフで一気にJ1昇格を狙う。

 プレーオフは初戦5位トリニータ、第2戦は6位モンテディオと、いずれも2-2で引き分けて、順位が上位ということで勝ち上がってきた。その点ではラッキーな面もある。一方、サンガは絶対に負けられない。サンガの布陣は4-3-3。山崎をトップに、右WG豊川、左WG松田天馬。中盤は川崎をアンカーに、右IH福岡、左IH武田。DFは右SB白井、左SB荻原。麻田と井上のCBにGKは上福元。山崎と豊川は頻繁にポジションを入れ替える。

 対するロアッソは3-3-1-3。高橋をトップに置いて、右WG杉山、左WG坂本。トップに下に平川が入り、ワンボランチで河原。WBは右に三島、左に竹本。CBは右から黒木、菅田、イヨハと並び、GKは佐藤。知っている選手は一人もいない。

 序盤はロアッソが積極的に攻めていく。6分、CH河原の縦パスを受けたOH平川がミドルシュート。その後はサンガも攻め込み、セットプレーからゴールを伺う。初シュートは10分、PA手前から右IH福岡がミドルシュートロアッソも12分、右WG杉山からのパスを左WB竹本がミドルシュート。18分には左WG坂本がドリブルで上がり、内側が上がった左WB竹本の縦パスに坂本が走り込んでシュート。DFにブロックされたが、鋭い攻撃を見せる。一方、サンガは右SB白井が積極的。22分には白井のクロスに右WG豊川と左WG松田が滑り込むが、わずかに届かない。23分、右WG豊川のミドルシュート。24分には右SB白井のクロスのクリアをCH川崎がミドルシュートを放つ。右WG豊川も積極的に熱いプレーを繰り返す。

 一方、ロアッソは短いパスを繋いで、サンガのプレスをかわして攻めていく。37分、OH平川から左に流して、左WG坂本のクロスに左WB竹本がシュート。38分にはCF山崎からCB菅田が詰めてボールを奪い、右WG杉山がドリブルで持ち上がると、強烈なミドルシュート。GK上福元がファインセーブで弾き出す。そしてその直後、後方からのフィードを中盤で競り合うと、こぼれ球を左WG松田が拾って縦パス。右WB三島の足が届いたかと思ったが、うまく当たらず右に流れて、右WG豊川がシュート。サンガが先制点を挙げた。

 前半はどちらかと言えば、ロアッソがパスを回して主導権を握っていたが、最大のチャンスを逃した直後の失点。残念だった。しかし後半に入ると、序盤はサガンが攻勢。1分、CH川崎が積極的にミドルシュートを放つと、続く左WG松田のCKにCB井上がヘディングシュート。5分にはCF山崎のクロスに右IH福岡がボレーシュートを放つ。8分、CH川崎のミドルシュートはわずかにバーの上に外れた。一方、ロアッソも10分、左CBイヨハのアーリークロスに右WG杉山がヘディングシュートをすると、11分にはCH河原がミドルシュートロアッソも次第に攻勢をかける。

 そして12分、坂本を下げて、右WGターレスを投入。杉山は左WGに回ると、ターレスが積極的に仕掛けていく。サンガは16分、豊川を下げて右IH金子を投入。福岡を右WGに上げる。17分、左IH武田のミドルシュートはバーのわずかに上。そして23分、CH河原のCKにCBイヨハがニアに走り込んで、ヘディングシュート。これが決まる。ロアッソが同点に追い付いた。あと1点。さらに攻勢を強めるロアッソ。対してサンガは26分、山崎、松田、荻原を下げて、CFピーター・ウタカ、左CB本多、左WB佐藤を投入。布陣を3-4-3に変えて、守備を固める。武田と川崎のダブルボランチに、金子を左WGに上げる。

 ロアッソも30分、高橋、三島、黒木を下げて、CF粟飯原、右WB藤田、右CB阿部を投入する。攻めるロアッソ、守るサンガ。ロアッソは43分、杉山に代えて左WG土信田。サンガも44分、福岡を下げて右WG宮吉を投入する。そして45+2分、ロアッソはCHのチャンスにGK佐藤を上げて、勝ち越しゴールを狙う。ニアに走り込んだGK佐藤にはDFがマークしてPK内で倒れるが、河原の蹴ったCKはDFがクリア。これをOH平川がシュート。CFピーター・ウタカがブロック。さらにはね返りをOH平川がミドルシュートで狙うが、右ポストに当たってはね返る。残念。そしてアディショナルタイム4分が経過。結局、ゲームは1-1。ドローで終わり、ロアッソの劇的J1昇格はならなかった。サンガがJ1残留を決めた。

 それでも毎回、J1入れ替え戦はドラマが起きる。熱いゲームが繰り広げられる。ヴァンフォーレ天皇杯優勝といい、ロアッソのがんばりといい、J2のレベルは確実に上がっている。ロアッソもこの経験を胸に、来期こそJ1昇格を実現可能な目標として戦うだろう。また、J3からは、いわきFCと現時点では藤枝MYFCの昇格が見込まれる。天皇杯優勝のヴァンフォーレはなんと18位だ。来季はエスパルスジュビロが降格するが、けっして簡単なリーグではない。来季も熱い戦いを期待する。