とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

国際強化試合 日本vs.カナダ

 いよいよW杯が始まる。その前の最後の強化試合はカナダと対戦した。しかし遠藤も守田も冨安もいない。吉田や伊東、前田はベンチに置いて、どちらかと言えば、控え選手やケガ明けの選手を中心に起用した。こうしたゲームをどう評価すればいいのだろう。正直、不安が勝る内容だった。

 日本の布陣は4-2-3-1。浅野をトップに、トップ下に南野。SHは右に相馬、左に久保。柴崎と田中碧のダブルボランチ。DFは右SB酒井、左SB伊藤洋輝。谷口と板倉のCBにGKは権田。浅野、田中、板倉としばらくゲームから離れていた選手を先発させ、彼らの復調と試合慣れが目的だと考えればいいのか。一方のカナダも出場を期待したデイビスはベンチにも入っていない。布陣はテレビでは3バックと言っていたが、4-4-2に見える。デイビッドとラリンの2トップに、SHは右にブキャナン、左にホイレット。ボランチはハッチンソンとビエット。DFは右SBジョンストン、左SBアデクービ。ミラーとビトリアのCBに、GKはボルヤン。カナダも若い選手が多いらしい。週末に欧州リーグのリーグ戦があって、翌週にはW杯開幕という日程で、ミッドウィークに実施された強化試合をどういう目的でプレーするかは各国ともなかなか難しい。

 日本は序盤から積極的に攻めていく。そして9分、CH柴崎からの縦パスに右SH相馬が走り込み、GKの手前でわずかに足を当ててコースを変えた。ゴール。日本が幸先よく先制点を挙げた。カナダは11分、左SHホイレットのCKからCBビトリアがヘディングシュート。セットプレーは怖い。18分にもホイレットのCKからFWラリンがヘディング。DFがはね返すが、右SBジョンストンがシュート。CBビトリアがヘディングでコースを変えるが、枠は捉えられなかった。日本も19分、OH南野から左に展開すると、左SH久保が仕掛けて、シュート。ポスト右に外れた。

 そして19分、左SHホイレットのCKにCHハッチントンがシュートで合わせると、CBビトリアがコースを変えた。ゴール。カナダが同点に追い付いた。やはりCKでの守りが日本の弱点だ。28分にはCHビエットのスルーパスに右SHブキャナンが抜け出し、シュート。これはGK権田がナイスセーブで弾き出す。同点に追い付かれて以降はカナダの方が優勢。日本は前線からのプレスがはまらない。32分、左SBアデクービのFKは枠を外す。34分にはCH田中からFWデイビッドがボールを奪い、ミドルシュートを放つが、ポスト右へ外した。前半はこのまま、1-1で折り返した。

 このゲームは6人まで交代が可能。日本は後半頭、3人を交代する。笹野、久保、酒井に代えて、CF上田、右SH堂安、右SB山根。相馬を左SHに回す。カナダもビエットを下げて、CHコネを投入した。後半も前からのプレスがはまらず、カナダが長いパスを放り込み、DFラインの裏を取られる場面が再三見られる。それでも14分にはCH柴崎の縦パスをCF上田が落とし、OH南野がシュート。GKボルヤンにセーブされたが、いい形を作っていく。カナダは15分、ブキャナン、ハッチントン、アデクービを下げて、右SHオソリオ、CHケイ、左SBラレアを投入する。

 17分、左SH相馬のクロスにCF上田がヘディングでフリック。シュートを狙うが、枠は捉えられなかった。カナダも19分、右SHオソリオがミドルシュートを放つが、枠の外。22分、日本は田中碧と板倉を下げて、CH鎌田、左SB長友。伊藤をCBに下げる。カナダも26分、ラリンとジョンストンを下げて、FWカバリーニと右SBウォーターマンを投入する。その後もカナダがパスを回し、日本がブロックを作って守備をする場面が続く。29分にはFWデイビッドがミドルシュートを放つが、ポストの左。

 そのまま後半も終盤に近付くと、40分、日本は南野を下げてCB吉田を投入。3-4-3に布陣を変更した。すると両WBが高い位置を取って、日本が攻める機会が増えていく。43分、左CB伊藤のアーリークロスにCF上田が走り込むが、DFにクリアされた。44分にはCH柴崎のスルーパスに右WB山根が抜け出し、シュート。だが右ポストにはね返される。そして45+3分、PA内での左SBラレアの仕掛けに、思わず右WB山根が足を出して倒してしまう。PK。これを45+5分、カバリーニが決めて、カナダが勝ち越し点を挙げた。そしてタイムアップ。1-2。カナダがW杯前最後のゲームを勝利した。

 カナダは初戦ベルギー、2戦目がクロアチアと厳しい相手が続く。本番に向けて勢いが出ただろうか。これに対して日本は敗戦も悔しいが、それ以上になかなかいい形ができなかったのが心配。もちろんドイツ戦では遠藤や伊東純也らが出場するだろうし、森保監督も本番に向けた通過点。収穫もそれなりにあったと考えているだろう。しかし、このゲームでは鎌田をCHで起用したが、それならケガで欠場となった中山の代わりに、なぜ町野を選考した。中盤で守備をこなせる選手が薄いのではないか。原口を選考すべきではなかったか。前線も前田が機能すればいいが、町野を選考するなら、なぜ大迫ではなかったか。3連敗もあり得ると、直前になって不安な気持ちが湧き起こってきた。