とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

ワールドカップ グループC 第1戦 アルゼンチンvs.サウジアラビア

 カタールと日本との時差は6時間。当然、生中継を観ることはできず、録画をして翌日観戦することになる。3日目はメキシコ対ポーランドを観るつもりだったが、朝のニュースを見たらアルゼンチンがサウジアラビアに負けていた。メキシコ対ポーランドスコアレスドロー。少し迷ったが、アルゼンチンが負けたゲームを観戦することにした。得点シーンなどは概ねニュースで見たが、いったいどういうゲームだったのか。やはり全体を通して観戦をしないとわからない。

 アルゼンチンの布陣は4-2-3-1。ラウタロ・マルティネスをトップに、メッシがトップ下に入る。SHは右にディマリア、左にゴメス。ボランチはパレデスとデパウル。DFは右SBモリーナ、左SBタグリアフコ。CBはオタメンディとロメロ。GKはエミリアーノ・マルティネス。対するサウジアラビアは4-4-2。アルシェフリとアルファラジュの2トップに、SHは右にアルブライカン、左にサレム・アルサドリ。カンノとアルマルキのダブルボランチだが、アルマルキが守備的な位置を取る。DFは右SBにアブドゥルハミド、左SBアルシャハラニ。アルタムバクティとアルブライヒのCBにGKはアルオワイス。

 ゲームは当然、アルゼンチンが攻め、サウジアラビアはブロックを作って守る。2分には右SHディマリアのクロスをCFラウタロ・マルティネスがポストで受けて、こぼれ球をOHメッシがミドルシュート。GKアルオワイスがナイスセーブする。アルゼンチンが一方的に攻めるが、サウジアラビアはDFラインを高く保って対応する。そして6分、メッシが左サイドからCKを入れると、GKアルオワイスがパンチング。その後もゲームは進むが、主審がゲームを止めた。ゴール内で何人か倒れていたので、何かあったと思ったが、CHパレデスを右SBアブドゥルハミドが掴んで倒していた。VARの結果、PK。これをメッシが決めて、アルゼンチンが幸先よく先制点を挙げた。

 サウジアラビアはその後もDFラインを高く保ち、ボールが奪えれば反撃をする。それでもアルゼンチン・ペースは変わらない。21分、右SHディマリアのパスをOHメッシが落とし、CHパレデスが左に流して、左SHゴメスがミドルシュート。さらに22分には左SHゴメスのフィードにOHメッシが抜け出し、シュート。ネットを揺らしたが、これはオフサイド。27分にも左SHゴメスのスルーパスにCFラウタロ・マルティネスが抜け出し、シュートを決めるが、これもVARで確認の上、オフサイドの判定。わずかに左腕が出ていた。さらに35分にはOHメッシのスルーパスにCFラウタロ・マルティネスが抜け出してシュートを放つが、これもオフサイド。前半だけでアルゼンチンは7本のオフサイドを取られた。これもひとえにサウジアラビアが勇気を持って高いDFラインを保っていたから。42分にはOHメッシのFKからこぼれ球をCHデパウルミドルシュートするが、枠は捉えられない。サウジアラビアは前半終了間際の45+4分、FWアルファラジュがケガでアルアビドと交代。前半はこのままアルゼンチンの1点リードで折り返した。

 後半に入ると、序盤、サウジアラビアが積極的に前に出ていく。そして3分、CHアルマルキからの縦パスを右SHアルブライカンが触って落とすと、FWアルシェフリがそのまま持ち出してシュート。これがゴール右隅に飛び込む。サウジアラビアが同点に追い付いた。CBロメロの対応が今一つ軽く見えた。これが前後半通じてサウジアラビア初めてのシュートだ。しかし同点に追い付いてサウジがいっそう勢いを強めたのか、アルゼンチンが浮足立ったのか、引き続きサウジアラビアが攻めていく。そして8分、右SBアブドゥルハミドが右サイドを駆け上がると、クロスはDFがクリア。だがこぼれ球を拾った左SHサレム・アルドサリがボールをキープしながらDFの間を抜けると、ミドルシュート。これがネットに突き刺さる。なんとサウジアラビアが逆転ゴールを挙げた。アルゼンチンも12分、右SHディマリアのパスを受けたOHメッシがCFラウタロ・マルティネスと縦関係のワンツー。だが、必死に戻ったCBアルタムバクティがクリアする。逆転したサウジアラビアの選手たちは元気が溢れている。

 14分、アルゼンチンは一気に3枚替え。ゴメス、パレデス、ロメロを下げて、左SHアルバレス、CHフェルナンデス、CBリサンドロ・マルティネス投入する。18分、CKの流れから、CHデパウルから右へ大きくサイドチェンジ。CBオタメンディの折り返しに、CBリサンドロ・マルティネスがシュート。左SBタグリアフィコがコースを変えたが、GKアルオワイスがしっかり反応。はね返した。25分にはタグリアフィコを左SBアクーニャに交代する。

 27分、OHメッシから右へのパスに右SHディマリアが走り込み、シュート。だがこれもGKアルオワイスがセーブ。次第にアルゼンチン選手の焦りが目につきだす。31分、左SBアクーニャのCKにCHフェルナンデスがヘディングシュートするも、枠は捉えられず。一方、サウジアラビアは33分、FWアルシェフリを下げて、右WBアルシャナムを投入。布陣を5-3-2に変更して、守りを固める。35分、メッシのFKは枠を捉えられない。悔しがるメッシ。39分には右SHディマリアのクロスにOHメッシがヘディングシュートするも、GKアルオワイスががっちりキャッチした。

 44分、サウジアラビアはFWアルアビドと右SHアルブライカンを下げて、CFアシリとCBアルアムリを投入。DFをさらに1枚増やして、6-3-1。しかし、アディショナルタイムは8分間もある。45+1分、CHデオアウルの縦パスにGKアルオワイスが飛び出して、CBオタメンディと競り合いながらパンチング。こぼれ球を左SHアルバレスがシュートするが、CBアルアムリがブロック。45+5分、PA内でOHメッシが仕掛けるが、DF3枚で対応し、クリアした。45+9分には左CBアルシャハラニに代えて、アルブレイク。45+11分、右SHディマリアのクロスを左SHアルバレスがヘディングシュート。だがこれもGKアルオワイスがキャッチした。そしてタイムアップ。なんと、FIFAランク51位のサウジアラビアが3位アルゼンチンに逆転勝利した。今大会最初のジャイアントキリングだ。

 カタール、イランと大敗を重ねてきたアジア勢だったが、サウジアラビアが最大の金星を挙げた。これは今日これからキックオフの日本をも勇気付ける。終始高いDFラインをキープするなど、サウジアラビアには勇気があった。これが裏を狙うアルゼンチンの攻撃をことごとくオフサイドにかけて、ゴールの芽を摘んでいった。さて、日本はドイツ相手にどう戦うか。サウジに続け。勇気を持ってドイツにぶつかろう。