とんま天狗は雲の上

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FIFAワールドカップ2022 グループG 第1戦 ブラジルvs.セルビア

 日本が勝利した後、しばらく他のゲームを観ていなかった。仕事もあったが、何よりしばらく余韻に浸りたかったのかもしれない。でもすぐにブラジルが登場。結果は先に知ってはいたが、アルゼンチンやドイツの惨状を思う時、ブラジルのプレー振りや調子を見ておこうと思った。また、セルビアはあのストイコビッチが率いる。先発メンバーではタディッチくらいしか知っている選手はいないが、何より高さがあり、どう守ったかは見ておきたいところ。

 ブラジルの布陣は4-2-3-1。リシャルリソンをトップに、ラフィーニャとビニシウスが左右に開き、トップ下にネイマールが自由に動く。ボランチはパケタとカゼミーロ。右SBダニーロに左SBにはアレックス・サンドロを置き、CBはチアゴ・シウバマルキーニョスで組む。GKはアリソンだ。一方、セルビアは3-4-3。アレクサンドル・ミトロビッチをトップに、タディッチとセルゲイ・ミリンコビッチサビッチがシャドー。中盤はルキッチとグデリがボランチに入り、右WBジブコビッチ、左WBにムラデビッチ。CBは右からミレンコビッチ、ベリコビッチ、パブロビッチ。GKにバニャ・ミリンコビッチサビッチ。FWセルゲイとGKバニャは兄弟だ。

 序盤、両チーム、厳しくチチェックに行き、激しい攻防が続く。けっしてセルビアも守ってばかりではない。10分、CHカゼミーロの縦パスをOHネイマールが受けて、PA内に入っていくが、すぐにDFが集まって自由にさせない。13分、左SHビニシウスも速い仕掛け。だがこれもDFが抜かれそうになりながら、何とか対応する。これで得たCKをOHネイマールが直接ゴールを狙うが、GKバニャがパンチングで弾き出した。

 その後もゲームはブラジル・ペースで進む。21分、OHネイマールミドルシュートはCBベリコビッチがブロック。続くカゼミーロのミドルシュートはGKバニャがキャッチした。セルビアも25分、FWセルゲイ・ミリンコビッチサビッチの縦パスからFWタディッチがクロス。CFミトロビッチがゴール前に入っていくが、GKアリソンが手前でキャッチした。

 27分、CBチアゴ・シウバが長いスルーパス。左SHビニシウスが走り込むが、GKバニャが鋭い飛び出しでセーブ。30分、CHカゼミーロの縦パスを右SHラフィーニャがヘディングでクロス。CFリシャルリソンが待つが、これもCBベリコビッチがクリアする。さらに31分にはCHパケタのヒールでのスルーパスに右SHラフィーニャが抜け出し、グラウンダーのクロス。CHカゼミーロが飛び込むが、手前でGKバニャがキャッチした。

 セルビアの堅い守りになかなかゴールが挙げられないブラジルは、この後しばらくCBとCHの左右を入れ替えて攻撃に変化をつける。35分、右SHラフィーニャの横パスをCHパケタが縦に長くスルーパスを蹴り込むと、ラフィーニャが走り込んでシュート。だがこれもGKバニャがキャッチする。しばらくするとまたブラジルは布陣を元に戻した。37分、右WBジブコビッチのクロスに左WBムラデビッチがヘディングシュート。これがセルビアの初シュートだったが、DFが寄せて、枠は捉えられない。41分、CHパケタのフィードに左SHビニシウスが抜けだし、シュート。だが右CBミレンコビッチがブロックした。前半はこのまま終了。ブラジルの鋭い攻撃は楽しいが、セルビアの身体を張った守りも見応えのある前半だった。

 後半開始30秒、セルビアのGKバニャからのパスを受けたCHグデリに右SHラフィーニャがプレスをかけてボールを奪うと、すぐにシュート。だが飛び出したGKバニャが体に当ててブロックした。4分にはOHネイマールの仕掛けに堪らずCHグデリがファール。PA手間でFKのチャンスを与えるが、シュートは高い壁に当たって、外れた。10分、左SHビニシウスのクロスからOHネイマールボレーシュート。だが枠は捉えられない。12分、ここでセルビアはグデリとジブコビッチを下げて、CHイリッチと右WBラドニッチを投入する。

 15分、左SBサンドロが強烈なミドルシュート。左ポストを叩く。そして17分、PA手前からOHネイマールが左に向けて仕掛けると、左SHビニシウスがスイッチして、シュート。GKバニャが弾いたボールをCFリシャルリソンがシュート。ついにブラジルが先制点を挙げた。

 21分、セルビアはルキッチとムラデビッチを下げて、セリエAで活躍するFWブラホビッチと右WBラゾビッチを投入。セルゲイ・ミリンコビッチサビッチをCHに下げ、タディッチをトップ下に、ブラホビッチとミトロビッチを2トップで並べる形。ラドニッチが左WBに回った。22分、OHネイマールのドリブルはCBベリコビッチが対応するが、こぼれ球に左SHビニシウスが走り込み、シュート。だが足を滑らせて、うまく当たらない。セルビアも24分、OHタディッチのCKにCBパブロビッチがヘディングシュート。25分にもタディッチのCKのこぼれをCHセルゲイがヘディングで競って、左WBラゾビッチがシュート。しかし枠は捉えられない。この時間帯、セルビアが積極的に攻めていく。

 しかし28分、左SHビニシウスの速いクロスに、CFリシャルリソンがトラップでボールを蹴り上げると、体を回転させてボレーシュート。これがネットに突き刺さった。美しいシュートでブラジルが追加点を挙げた。31分、ようやくブラジルは2人の選手交代。パケタとビニシウスを下げて、CHフレッジと左SHロドリゴ。さらに35分にはリシャルリソンとネイマールに代えて、CFジェズスと左SHアントニーを投入する。ロドリゴがトップ下に入った。36分、CHカゼミーロのミドルシュートがバーを叩くと、38分にはCHフレッジも積極的にミドルシュートを放っていく。ネイマールが交代してもブラジルの攻撃は全く衰えない。

 38分、セルビアはミトロビッチをCHマクシモビッチに交代。陣形を再び元の3-4-3に戻した。42分には左SHアントニーの仕掛けからOHロドリゴミドルシュートを放つ。その直後、ブラジルはさらに若手を投入。ラフィーニャに代えて左SHマルティネッリを投入。アントニーを右SHに回す。44分には右SBダニーロのクロスから左SHマルティネッリがヘディングシュート。しかし枠は捉えられなかった。そしてタイムアップ。2-0。ブラジルが順当にW杯初戦を勝利した。

 しかしセルビアの健闘もあり、面白いゲームだった。ブラジルはアルゼンチンと違って、ネイマールがよく動き、若い選手たちもそれに呼応して、速く魅力的なサッカーを展開する。やはり優勝候補の一番手だ。一方、敗れたセルビアだが、けっして内容は悪くない。スイスとの2番手争いになると思うが、十分グループリーグ突破も狙えるだけの実力はあるようだ。W杯もようやく各チーム初戦が終わったところ。まだ先は長い。これからももっともっと楽しませてもらおう。