日本の決勝トーナメント1回戦の相手が決まった。グループFを2位で突破したクロアチアだ。グループFは他にベルギーとモロッコ、カナダがいるが、カナダが連敗する中で、モロッコがベルギーを破り、クロアチアとドロー。クロアチアと勝ち点で並ぶ。クロアチアはベルギーと引き分け以上でグループリーグ突破。一方、ベルギーはクロアチアに勝てばグループリーグを勝ち抜けるという直接対決となった。
クロアチアの布陣は4-3-3。リバヤをトップに、クラマリッチとペリシッチが左右のWG。中盤はブロゾビッチをアンカーに、右IHモドリッチ、左IHコバチッチ。DFは右SBユラノビッチ、左SBソサ。ロブレンと20歳のグバルディオルでCBを組み、GKはリバコビッチ。対するベルギーは4-2-3-1。トロサールをトップに、トップ下にメルテンス。右SHデブルイネ、左SHにカラスコが入り、ボランチはヴィッツェルとデンドンケル。DFは右SBムニエ、左SBカスターニュ。フェルトンゲンとアイデルウェイレルトのCBにGKはクルトワ。前回ワールドカップ2位と3位の対戦だ。
開始7秒、クロアチアがモドリッチのフィードが左WGペリシッチにわたり、ミドルシュートを放つ。わずかにポスト右に外したが、序盤はクロアチアが攻めていく。一方、ベルギーは10分、左SHに入ったカラスコがカットインからミドルシュート。これはDFにブロックされたが、ここから次第にベルギーがパスを繋いで攻め始める。
11分、右SHデブルイネから右に展開。右SBムニエのスルーパスにOHメルテンスが走り込み、クロスに左SHカラスコがシュート。13分にはカウンターで右SHデブルイネが持ち上がり、左に流して、OHメルテンスがシュート。だが枠を外した。一瞬、ロシア・ロストフでの日本戦のカウンターを思い出した。一方、クロアチアは15分、右IHモドリッチのFKをCBフェルトンゲンがクリアするが、小さく、左SHカラスコがクリしようとした時に右WGクラマリッチの足を踏みつけ、倒してしまう。主審はPKを宣告。モドリッチがPKスポットにボールを置いてホイッスルを待つが、そこでVARの判定。FKが入る時にオフサイドがあったとして、PKも取り消された。
その後は膠着した感じでゲームは進む。25分、ヴィッツェルのミドルシュートはDFがブロック。33分、クロアチア左SBソサのクロスにCFリバヤがヘディングシュートをするも、バーの上。42分、右SBムニエのスルーパスにCHデンドンケルが走り込み、クロスを入れるが、OHメルテンスが届かない。45+4分には右WGクラマリッチのクロスに左WGペリシッチが届かず。左SBソサのクロスのこぼれ球を右SBユラノビッチがシュート。だが枠は捉えられない。前半はこのままスコアレスで折り返した。
前半はお互い静かな、というか退屈なゲームだったが、後半最初、ベルギーがメルテンスに代えてルカクを入れると、俄然ゲームが動き出す。トロサールがトップ下に入る。4分、右SHデブルイネのクロスをCFルカクがヘディングシュートするも、GKリバコビッチがキャッチ。すると5分、今度はクロアチアが、CHブロゾビッチが下げたパスをCBグバルディオルが受けてそのままドリブル。左に流して、左IHコバチッチがシュートをするが、GKクルトワがファインセーブで弾き出す。続くショートCKからモドリッチのクロスのこぼれを左SBソサがシュート。6分には左SHカラスコがドリブルで上がり、CFルカクの落としを右SHデブルイネが反転しながらシュート。だが枠を捉えられない。
前半と打って変わって、後半序盤は両者、積極的な攻め委が続く。9分、左IHコバチッチの落としからCHブロゾビッチがミドルシュート。GKクルトワがナイスセーブ。さらに、右IHモドリッチがミドルシュートを放つ。ベルギーは14分、トロサールに代えてOHトルガン・アザールを投入する。右SHデブルイネの縦パスから左SHカラスコが仕掛けると、シュートは右SBユラノビッチがブロック。こぼれ球をCFルカクがシュートするが、わずかにポストの右に外した。さらに攻めるベルギーは17分、OHトルガン・アザールのスルーパスにSHデブルイネが走り込み、クロスにCFルカクがヘディングシュート。だがバーの上に外れる。クロスにCBロブレンがわずかに触ってコースが変わり、タイミングが合わなかったか。
クロアチアは19分、クラマリッチとリバヤを下げて、右WGパシャリッチとCFペトコビッチを投入。23分にはCFペトコビッチの戻しのパスを右IHモドリッチがシュート。だがGKクルトワがキャッチする。ベルギーも24分、右SBムニエのスルーパスに走り込んだ右SHデブルイネがシュート。だがこれもGKリバコビッチがキャッチする。どうしてもゴールが遠いベルギーは27分、カラスコとデンドンケルを下げて、左SHドクと右SHティーレマンスを投入。ヴィッツェルをアンカーに、デブルイネをトップ下に上げる4-1-3-2の布陣にして攻めようとするが、なかなかクロアチアの守備を崩せない。
42分、左SBカスターニュのクロスはDFがヘディングしてファーに流れると、右SBムニエが拾ってクロス。CFルカクがヒールでシュートするが、これもポストの右。直後にはムニエに代えて、FWエデン・アザールを投入する。トラガン・アザールを右SBに下げた。45分には左SHドクの仕掛けからサイドチェンジを右SBトルガン・アザールがクロス。CFルカクのトラップが長くなり、GKリバコビッチがセーブする。どうしてもゴールに届かないベルギー。結局このままタイムアップして、スコアレスドロー。モロッコはしっかりカナダに勝利して、2勝1分でグループトップ通過。ベルギーは勝ち点でクロアチアを上回れず、クロアチアの決勝トーナメント進出が決まった。
ベルギーはルカクとエデン・アザールの不調、そしてデブルイネ頼みの攻撃陣。そのデブルイネももう31歳。アザールも31歳、アルデルウェイレルトとヴィッツェル33歳、ルカク29歳、フェルトンゲンに至っては35歳。彼らに続く選手がいなかった。時代は変わっていく。FIFAランキングでベルギーが2位というのは何かの間違いではないだろうか。
ちなみにクロアチアは12位。だが、少なくとも前半を見る限り、ドイツやスペインほどの圧力は感じられない。モドリッチやコバチッチは怖いが、遠藤航が復調すれば、十分抑えられるはず。決定力もけっしてあるとは言えない。ペリシッチに対しては酒井の復帰が望まれるが、長友が対応することも考えられる。勝てない相手ではない。しかし一番怖いのは、このように感じてしまう慢心かもしれない。これまで同様、気を引き締めて、勝利を目指し、がんばってほしい。